GMCホイールキャップ 下準備

 GMCのセンターキャップ上部に打ち込まれている4ミリ径のシャフトです。工場にあったステンレス製のS字フックが同じ径だったのでこちらを遣わせて貰う事にしました。

 元々打ち込まれているシャフトはそんなに長く無いようですが、強度の事も考えてギリギリの長さにする事にしました。14ミリ弱ですね。

 最初はバンドソーでのカットを試みたのですが、やはりと言うか粘りが強くてキリが無いのでワイヤーカッターで粗切りし、グラインダーで面を整えました。

シャフト接合部は#120のペーパーを掛けて足付け処理をし、よく脱脂しておきます。

 高強度なエポキシ接着剤(3Mオフホワイト)を塗り、シャフトを打ち込みます。

デヅラを合わせ、この後恒温器に入れて(他の物と一緒に)熱を掛けて硬化させます。

ちなみにデヅラって業界だと普通に使われている用語なのですが、恐らくは「面一」(ツライチ)から出来た造語なのでは?と思います。面が出ない=ツラが出ない=デヅラ、みたいな感じでしょうか。本来は顔を出したり出席した時に使う言葉のようです。他には調色の時などに、「もう少し赤を殺して」とか「ああ!黄色が死んだ」など、何故か物騒な言葉が飛び交います(苦笑)。

 と言う訳で、接着剤を硬化さえている間に色を確認します。何だかようやく塗装屋らしい画に(笑)。

 赤はフェラーリのロッソコルサ(カラーコード:300)を、

 ガンメタは色見本帳から近似色を探します。画像は信頼性の高いジャパンバリエーション色見本帳で、どれも同じ色(マツダ1H)です。

 透かしと正面の明るさが違いますが、雰囲気(メタリック粒子や色相、フリップフロップ性の癖具合など)が良かったので、こちらのスバル474を採用する事にしました。具体的に言うと、色見本に対してホイールの色は透かしが真っ黒で正面が少し明るいといった感じです。

 予め配合データから黒の分量を減らし、メタリックアディティブ(MIX008)を適当な量入れます。メタリックアディティブは「透かしを明るくする」「正面を暗くする」「メタリックのギラツキ感を高める」という効果があって、通常透かしを明るくするには白を使えば手っ取り早いのですが、それだと透かしが濁ってしまうので今回はそれを避ける為にこれを使っています。別名「フリップコントローラー」とも呼ばれる顔料で、それ自体に色は着いていませんがメタリック系の調色には欠かせない原色です。DUPONTだと4530Sですね。

色見本で見た時は正面が多少明る過ぎるくらいで、そこからさらに黒を減らしたのでさらに正面は明るくなる筈ですが、メタリックアディティブを結構な量入れたので正面からの色は黒くなる過ぎるくらいになったのでさらにメタリック原色(MIX589)を足しています。またそれらにより色味(色相・彩度)が減ったので、青味のある赤(MIX576ブリリアントレッド)も数滴追加しました。

既にサフェ研ぎも完了していますので、タイミングが来たらまずは下塗りとしてこちらのガンメタで一回目の塗装を行い、その後再び全体を足付け処理して凹み部分に赤を塗装、食み出た色を除去して再度全体にクリアーを塗れば完成です(ようやく完成のイメージが繋がりました・・・!)。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!