GMCホイールキャップ 本塗り

 先日ベース色のガンメタで下塗りを終えていたGMCのホイールキャップ(エポキシ製複製品)です。ようやくこの日がやって参りました(予想していたより3倍くらい長い時間が掛かってしまいました・・・)。

熱を掛けて完全硬化させたクリアーには上から色を塗っても密着しませんので(一応マニュアル上24時間以内なら大丈夫と言う例外はあります)、再び全体を足付け処理します。ちなみに自転車フレームの塗装などはこれをやっていないケースが多く、最初は塗料(もしくは密着剤)の効果のより意外と密着しているのですが、足付け処理によるアンカー効果が得られていないので数年経ってからクリアーだけが剥がれて来てしまうと言う訳です。

表面は#1500の水研ぎで肌を均し、その後スコッチ&ウォッシュコンパウンドで全体を足付け、凹み文字の内側はナイロンブラシを使って処理しています。

十分に脱脂清掃をしたら、

 文字の周りをマスキングします。

 ただしピッタリ見切るとその跡が出てしまう恐れがある為(ベースコートがクリアー層を侵して段差が付いてしまいます)、多少でも見切りラインが柔らかくなるようテープの端を折ってヒラヒラするようにしています。ちょっと判り難いと思いますが、12ミリ幅のマスキングテープの片端を3ミリ程折り込んで9ミリ幅にしているような感じですかね。車の塗装屋さんなら日常的に行う方法です(それくらいバツ切りマスキングと言うのは普段は行いません)。

 色に関してはフェラーリのロッソコルサ(カラーコード:300)をそのまま使う予定でしたが、既存の赤に比べると赤が濃過ぎる(青みが強い)為、朱色っぽい赤とオレンジを入れて調整しておきました。

 凹み文字の側面もしっかり塗りたいので四方八方からスプレーし、

 その後余分をシンナーで拭き取り、ペーパーを掛けて除去します。

ちなみに少し前に社外記で紹介した北海道大学様からのご依頼は基本的にはこれと同じ方法で、ただし掛かる手間と時間は10倍くらい大変な感じです。現在二個目のご依頼品が到着しておりまして、今から考えると夢に出て来そうなので一旦記憶から無くす事にしました。

 再びよく脱脂処理を行い、タッククロス掛け&エアーブローをしたら、

 クリアーを塗って本塗り完了です。大変お待たせしました!

 ぱっと見はアルミ製のオリジナル品との区別は付かないと思います。と言うか塗装自体はオリジナルよりも仕上りが良く出来ていると思いますが・・・(あちらはゴミが多過ぎです)。

 凹み文字部の塗り分けも良い具体に出来ていると思います。

 文字の内側は当て板を使ってしっかり研ぎ付けたので、オリジナルにあった歪やバリなども払拭出来て綺麗なラインが形成出来ていると思います。

ちなみにボツ品は色は塗らずクリアーだけ塗って当工場のモニュメントと言うか記念品にしようかと思っています。これを見て苦しかった日々を思い出せるようにという感じでしょうか。

この後熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、フチの溝に予め用意しておいた丸ゴムを固定したら完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!