スマホカバー 本塗り

先日お預りしておりましたポリカーボネート製のスマホケース(カバー)です。

 カバーは2部品構成になっていて、それぞれバラバラの状態で裏側をマスキングしていきます。

 この辺は「裏も塗ってしまう」と言う事も考えたのですが、部品単体だと本体とのクリアランスが判りませんし、固着したりしたらマズイのでやはりいつも通りフチから少し内側の部分でマスキングをしておきます。

穴の部分は「塗ったら直ぐ剥がす」と言う方法でも良かったのですが、今回のケースはフニャフニャなので、手で押さえられない塗装直後にテープを引っ張るのは難しいと思いこうしています。

スマホケースの塗装はいつも業者さんからUVプリントをした上に「クリアー塗装だけ」といったご依頼を頂いていますが、そちらもこれと同じ方法を行っています。

 実は透明な状態よりも色が入った方が粗が目立ち易く、今回の物もプラスチック素地表面の仕上りが良く無かったので全体を#800で水研ぎしています。

 この辺は簡単にポキっといきそうなので凄く気を遣います(数か月掛けて海外から取り寄せたような製品と言う事ですし)。

 その後は細部まで足付け処理をし、台にセットします。

 よく脱脂をし、プラスチックプライマーを塗布します。

 色は原色の白(STANDOX MIX570)をそのままですが、それ単体だと隠蔽が悪いので下色にいつものVWキャンディーホワイトを塗っています。黒とオーカーの無機顔料が入っているので白の原色単体よりも隠蔽し易いのです。

 最後にクリアーを2コート塗って本塗り完了です。

ちなみに「2コート」とは2往復している訳では無く、1コート目と2コート目の間には15分程のフラッシュオフタイム(乾燥時間)を設けていると言う事で、通常「クリアーを連続して塗って一回で塗り終わる」と言う事はしません。

または最初にドライコートを行ってから続けて塗る「1.5コート吹き」といった手法もありますが、あれは仕上りを良くしたり、作業スピードを上げる為と言う訳では無く、塗料メーカーがVOC(揮発性有機化合物)を減らした数値を打ち出したいと言う(安直な)方法です。製品自体は「1.5コート吹きに対応」と言う物でも、殆どの(車の)塗装屋さんは2コートで塗っていると思います。

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。結局気になったので2回目のクリアー塗装直後に出来る限りマスキングテープは剥がしました(笑)。

 実は側面のパーティングライン(接着した部分)が結構ひどくて、ベースコートの白を塗装した後に再びサンディング作業をしていたりしました。

たんなる出っ張りなら触れば気付くのですが、傷状に凹んでいた個所は透明だと判り難く、サフェを塗らなかった今回は色を塗って初めてそれらが判ったと言う訳です。現状は綺麗に仕上がっていますのでご安心下さいませ。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!