BMW K1200GT ロアカウル ラバーコート剥離

現在色替え全塗装でご依頼作業中のBMW K1200GTのロアカウルです。

表面には飛び石傷防止の為にゴム状の被膜が塗られています。

 一度は専門の業者さん(プラスチックパーツでも対応可能なサンドブラスト屋さん)にお願いしようかとも思ったのですが、素材がPA(ポリアミド)と言う事で、まずは自分で試してみる事にしました。

PA(ポリアミド=ナイロン)は耐溶剤の高い樹脂なのでシンナーなどが着いても大丈夫ですが、さすがに溶剤槽に浸けるのは危ないかも知れない(変形するかも知れない)と言う事で、全体にウェスを被せてシンナーを染み込ませ、画像のようにポリエチレン製のビニールで包んで一日放置する事にしました。

尚、PA樹脂を使った物で当店で施工した事のある製品としては、先日完成したランエボ10のヘッドカバーや、以下のようなBMW GSパリダカ仕様のビックフューエルタンクなどがあります。こういった事から、PAはかなり丈夫な樹脂だと言う事が判るかと思います。

BMW R80GS Gas Tank Paris Dakar

塗膜が柔らかくなったところでスクレーパーやワイヤーブラシを使い、ゴムのような被膜を削り落とします。どの道サフェーサーの塗装は覚悟しているので、ある程度傷が付くのは問題無いとしています。

 実際に作業してみて判りましたが、どうやら樹脂素地にそのままラバーコートが施されている訳では無く、その下には溶剤にも強い「艶消し黒」の塗装がされているようです(もしくは黒いプライマーサフェーサー)。

厚みのあったラバーコートは殆ど取れてくれたので、後はサンディングで行います。

 全体を#120→#180のダブルアクションサンダーで残った塗膜を削り落とし、細部は#240の手掛け、最後はスポンジパッドと#240ダブルアクションサンダーでペーパー目を均します。

 さらに最後の仕上げにウォッシュコンパウンドとスコッチを使って清掃&足付け処理を行います。

ラバーコートの取りこぼしが無いようチェックしつつ、フチまでしっかり足付け処理を行います。

この後よく乾燥させ、先日切り継ぎが終わっている右サイドカウルと一緒にサフェーサーを塗ります。

当初はどうなる事かと思いましたが、先日行ったBRZのインパネのカーボンフィルムを剥がす作業が良い経験となり、今回自分でやってみようと思った次第です(お陰様でBRZの内装部品の仕上りも喜んで頂けました)。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!