アルファロメオヘッドカバー 素地調整

 先日「AlfaRomeo」の凸文字制作までを完了しているアルファロメオGT 2.0 JTS のヘッドカバーです。

 遠目から見ると比較的綺麗に見えるのですが、表面にはバリやシワなどがある為、上塗りの前に「研磨→リン酸処理→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理を行います。

 フチのパーティングラインの段差なども普段は余り気にしませんが、

 これが艶々になると目立つようになってしまう為、サフェーサーを塗る前に削り落としておきます。

 こういったバリは後からついた物では無く、鋳造時にこのままの形で出来上がった物なので、

簡単には取れませんから、シングルアクション系のエアーツールを使って削り落とします。

一見綺麗に見えても、リューター等で削っただけでは凸凹の状態なので、この後ダブルアクション系のサンダーを使って平滑に均していきます。

 ただし今回のようなヘッドカバーは形がイビツで、エアーツールが使える場面もかなり限られてきます。通常使っている125mmが殆ど使えません・・・。

 と言う訳で活躍するのがこちらの極小径のサンダーで、通常は塗装後の磨き作業に、#1500~#3000といった細かい番手を使う物なのですが、現在の小物塗装では殆ど使う事が無くなったので、粗めのペーパーをカットして塗装前の下地作業に使えるようにしました。詳しくは以下の記事で紹介していますので宜しければご参照下さいませ。エアーツールとしては比較的高価な物なので、通常こんな使い方はしません。

3Mブツ取りサンダー 改

 プラグホール周りの突起した天面も、通常であればサンダーを使って削れる場所では無いのですが、ブツ取りサンダーの30mm径のパッドならこれが可能となります。

ただし角や狭い個所はどうしようも無いので、最終的にはヘラや当て板を使ってネチネチと研ぎ付けます。

 と言う訳で、大体3日掛かりでようやく素地調整の完了です。

 一見平らに見える個所も、表層はこういった地割れのようになっていたりするので、これらはこの後のサフェーサーで平滑に仕上げます(尚、熱に弱いポリパテは厳禁です)。

シングルアクション系のサンダーで研磨した個所は一方向の傷だけなので、そのままではこれから塗るプライマーの密着性が悪い為、被塗面はダブルアクションサンダーを使った時のように縦横無尽な方向に傷が付くようにしておきます。

この後は一旦全体をシンナーで洗い流すようにして脱脂清掃し、リン酸処理→プライマー→サフェーサーと言った工程になります。凸文字の貼り付けはラインを出してからの貼り付けなので、もう少し先になるかと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!