SPECIALIZED S-WORKS ②本塗り

sworks14一旦下塗りとして塗られたゴールドキャンディーカラーのフレームが完全硬化したら再度足付け処理を行い、各部をマスキングしていよいよ本塗りです。

sworks15 各ロゴの仕上がりを良くする方法の一つとして、先にベースクリアー(ベースコートクリアー)を塗っておくとマスキング際の仕上がりがガタガタ成り難い傾向にあります。これから塗るロゴの塗装が下地に良く馴染むからですね。

sworks16 ベースクリアーが十分に乾いたら指定の位置にマスキングシートを貼っていきます。ここで役に立つのが最初に作っておいた各ロゴの配置図で、これを使って一旦2次元に変換したデータを再び3次元に戻します。

sworks17 「S-WORKS」のロゴは左右が非対称ですが、「GP」のロゴはほぼ対象となるので、左右のロゴをフレーム上部から見た時に前後の位置が同じ様になるよう調整しています。上から見て★の位置がズレていたら格好悪いですからね。

sworks18 ロゴ入れなどの塗装を綺麗に仕上げるコツとしては「極力膜厚をつけない」と言う事で、塗装した箇所をライトで照らしながら完全隠蔽した事を確認して極力無駄な膜厚を付け無いように注意します。

sworks19 ただそれでもこんな感じでガタガタになってしまう箇所はあるので(Sの左上部分です)、こういった箇所は一つずつ修正していきます。車のボディのように大きい物だと気にならないかも知れませんが、小物だとこういった箇所が結構目立つんですよね。

sworks20 新たに用意したマスキングシートをカットして同じ位置に貼り、修整したい箇所をスポットで塗装します。

sworks21 こんな感じで綺麗なラインになりました。地味な作業ですが、こういう小さな事の積み重ねで完成度は少しずつ上がって行きます。この辺は技術云々と言うよりどこまで付き合うか、みたいな感じですかね。

sworks22 こんな感じで大体10箇所くらいを修正しました。

sworks23 2色目を塗装して失敗した場合、一度塗ったロゴを再度塗り潰してやり直すなんて事もあるのですが、キャンディーカラーのような塗装はそうはいきませんので、その場合は保険として一旦クリアーを塗っておくと安心です。これならロゴ入れを失敗しても全部シンナーで拭き取れば大丈夫ですからね。

sworks24 とにかく一度始まると後戻りが難しいのが塗装で、とにかくその為の情報をこれでもか!と言うくらい用意するようにしています。

sworks25 全てのロゴ入れ塗装が完了したらよくエアーブローをして、タッククロス(粘着物質が着いたホコリを取る為の専用の不織布)を掛けながら細部を点検し、問題なければ全体にクリアーを塗装します。

sworks26 キャンディーカラーは通常の塗色に比べると褪色し易いので、クリアーは耐侯性の高いタイプのクリアー(現在はクリスタルクリアー)を使っています。

sworks27この後熱を掛けて完全硬化させ、数日経ったら磨き作業をして完成となります。

SPECIALIZED S-WORKS③ 完成へ続く

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SPECIALIZED S-WORKS ①

sworks-75582015年の9月頃からお預かりしていた案件で、年末に行われる東京オーヴァル京王閣KEIRINグランプリ関連の懸賞品となったーボンフレームとフォークです。

SPECIALIZED TOKYO様から直々にご依頼頂いて塗装を進めていました。レースが終わって年が明けたら紹介しても構わない旨のご承諾を頂いていましたので作業内容を纏めて紹介させて頂きますね。

尚S-WORKSなる製品についてはこちらのページが判り易いかと存じます。まあ自転車好きの方なら良くご存知かと・・・。

sworks9デザインについてはこちらでイメージイラスを作成し、先方のご担当者様と打ち合わせをして決めていきました。

sworks既存のデータが無い物は一から作っていくような感じで、今回は打ち合わせも含めて実作業以外に相当の時間を割きました。コストは殆ど度外視で、とにかく仕上がりと納期を優先といった内容でしたから、プレッシャーはありましたが作業自体はかなり楽しかったです。

sworks5 イラスト上で各ロゴのサイズや配置が決まったら実際にプリントアウトしてフレームに合わせていき、さらにそれを再びデータ化して確認して貰うと言った作業を繰り返します。中々面倒な作業なのですが、依頼主と作業者との間で見えない物を作ろうというのですから、この辺の擦り合わせがとても重要になって来ます。多分皆ここを嫌がるんでしょうね。

sworks6 デザインが決まるまでに大よそ一ヶ月を要し、11月からようやく実作業を開始しました。ロゴを削り落としてしまうと見本となる物が無くなってしまいますから、事前にロゴのサイズや配置などはきっちりデータ化してあります。

sworks7画像はサフェーサーを塗布したところですね。

sworks8ダウンチューブを透かして見ると表面に結構な歪みがあるのが判って、こういったものは梨地や艶消しの状態だと全く判らないのですが、これがそのまま艶有りの仕上げになると非常に目立ちます。今回は艶々のゴールド仕上げでご指定頂いていますので、こういった不具合も処理していきます。

sworks9 塗装したサフェーサーは熱を入れて完全硬化させ、全体を研いだらまずは下塗りを行います。

sworks10 ちょっと途中工程を撮り忘れたのですが、今回の塗色は派手なゴールドカラーに見える「キャンディーイエロー」で御指定頂いていますので、最初に粗めのシルバーメタリック(MIX598)を塗装し、その上に透明なイエロー(キャンディーカラー)を塗布しています。

cb35尚、今回のキャンディーカラーは「レモンイエロー」を5、「オレンジ」を1の比率で配合しました。

sworks11 一旦ここで熱を入れて下塗りとしてのゴールド(キャンディーイエロー)を完了し、後日クリアーが完全硬化したら各ロゴを塗装で入れます。勿論途中工程の足付け処理等の下地処理は必要で、新車時だとこれをやらないので経年してクリアーだけがポロポロと剥がれるんですよね。私のTREKも酷いです。

sworks12 実際にボディに合わせてサイズを調整したデータから、カッティングプロッターを使ってマスキングシートを作製しました。「S」の周りのリアス式海岸みたいなギザギザも綺麗にカット出来ています。

sworks13 塗装やホコリっぽい作業は主に工場の一階で行いますが、マスキングシートの作製など細かい作業は二階で行っています。マスキング作業が長くなりそうな場合は被塗物本体を二階に運んで作業したりもします。以前行ったLOOKのフレームなんかがそうですかね。

>SPECIALIZED S-WORKS ②本塗りに続く

CB1300キャップシリンダーヘッドサイド塗装 完成

cb13007大変お待たせしまいた!ホンダCB1300のヘッドカバーの横に着いているスチール製のキャップ、ゴールドキャンディーで完成となります。元々はメッキが施されていました部品で、下地処理を行った後にゴールドキャンディーカラーに塗装しました。

最初の状態も紹介しますね。

cb29本当はこのメッキの上に密着剤を塗ってそのまま透過性のイエロー(キャンディーカラー)を塗れば綺麗な金メッキとなるのですが、色を抜けた紫外線が密着剤に当たると劣化していずれペリペリと剥がれてしまうので、一旦プライマー&サフェーサーを塗って下地からやり直しています。内容を知るとまあなんて面倒な事を・・・と思うかも知れません。

cb13008 上塗りは「シルバー→キャンディーイエロー→クリアー」といった感じの3コート仕様になっています。これくらいならクリアーに直接イエローを入れて2コートで終わらす事も出来ますが、色褪せの事を考えるとやはり最後はクリアーでコートした方が宜しいかと思います。ただしその辺は作業する立場やコストの事もあるのでケースバイケースだとも思います(雇われている立場で良い仕事をしようとすると単なる自己満足と言う事で会社の不利益になる可能性がありますので・・・)。

cb13009キャンディーカラーは下に塗る色によっても色味が変わり、今回は粗目のシルバーを単体で使いましたが、例えばシルバーに少し黒を混ぜて塗るともっと深みのある色になったりします(逆に発色は落ちるので今回はそうはしていません)。

cb130010今回は面積が小さいのでメタリックは粗目でも目立ちませんが、これが大きい面積になるとまさにアメリカンなカスタムカラーになったりしますので、今度塗る予定のW124系のパーツはもう少し目の細かいメタリックを使う予定です。その辺もちょっと検証してみたいですね。

一緒にご依頼頂いている結晶塗装のヘッドカバーも近日中に完成する予定ですので、そちらも出来上がりましたら併せて完成のご案内致します。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

CB1300キャップシリンダーヘッドサイド 本塗り

cb30 先にお預かりしたヘッドカバーの結晶塗装はまだなのですが、某案件でゴールド(キャンディーイエロー)に塗る作業があったので、それに併せてこちらも一緒に本塗り完了しております。

上の画像はサフェーサーを水研ぎしている所で、先日紹介したBMW MINIメッキエンブレムと一緒に作業していました。

cb31 こんな感じでセット完了です。今回これと一緒に自転車のフレーム&フォークを塗っていまして、それの詳細については年が明けたら紹介したいと思います。

cb32先ずは下色となるシルバーを塗ります。今回は自転車フレームのカラーで各々ご指定がありまして、「とにかく派手に」と言う事ですので、使用したシルバーはSTANDOX原色でも一番粒子が粗いMIX598を採用しています。

cb33 その上に透過性のイエローを塗布し、クリアーを塗って本塗り完了です。この辺はいつものテールランプの塗装と同じで色が赤や黒が黄色になっただけで、特段特殊な事をやっていると言う訳ではありません。ただ今回の為に新しく色を取り寄せましたけどね。

cb34 構造としては折り紙に入っている金色のアレと同じで、下にあるのがシルバーメタリックでは無く「メッキ」であればさらに金メッキっぽくなります。ただ当店ではメッキの上に直接上塗り塗装はお受付していませんので、わざわざ手間を掛けて元々メッキだった物を無くして(剥がした訳ではありません)新たに塗り直していると言う訳です。

cb35今回用意したのはイエローとオレンジ系のキャンディーカラーで(そして紫も!)、ただどちらもそのまま使うにはくど過ぎるので、それぞれを混ぜて金色っぽく見えるように調整しています。塗れば塗る程色が変わっていくのでこの辺の調整が結構手間が掛かりましたかね。ただこれも今やっている立体色見本(何故か笑)の作製に採用されますので、また次回同じ色を作りたい時もデータが残っているので安心、と言う訳です。

ちなみに以前はご依頼毎にこういう事をやっていたのですが、流石に病気になりそうだったので今はやっていません(笑)。以前は塗装対象が「車体」だったので台辺り単価が高かったですからそういう事も出来ましたが、今はとにかく案件数が多いのでこれ以上やる事を増やせないのです。本当は全部データとして残しておきたいんですが、ただその代わりにこの日記が凄く役に立っていたりもするのです。

色見本についても撮影しておきましたので後日社外記の方でも紹介しますね。

ヘッドカバーの方はもう少ししたら剥離作業が終わると思いますのでどうぞもう少々お待ちくださいませ!