マセラティリモコンキー 本塗り

 先日素地調整~サフェーサーの塗布までを行っていたマセラティの社外品リモコンキーカバーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、サフェーサーを研磨します。サフェーサー表面にある黒い点々は研ぎ具合を確認する為のガイドコートです。

 サフェーサーを研磨後マスキングを貼り直して台にセットし、本塗り開始です。まずはプラスチック素地が露出している個所にプラスチックプライマーを塗布します。

色は「元の色のような紺のメタリック・パールで」とお任せ頂いておりましたので、深みのある紺に細目のブルーパールが使われているスバルの「ダークブルーマイカⅡ」(カラーコード:52D)を選びました。ちなみにSTANDOXのブルーパール原色は4種類あって、今回使われているPE839は一番粒子が細かいタイプです。

 ベースコート塗布後、クリアーを塗って本塗り完了です。

ボタンとエンブレムが入る部分は内側側面に膜厚が付かないよう外側から塗るようにしています。

この状態で一日(一晩)以上常温(自然乾燥)で寝かせ、その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を強制乾燥~完全硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

マセラティリモコンキー 素地調整

 先日お預かりしておりましたマセラティの社外品リモコンキーカバーです。熱で溶けてしまったように見えますが、これが標準仕様です。純正も酷いですが社外品も負けてはいません。

 まずある程度のラインを修正するので固い当て板に#120のペーパーで研磨します。リモコンキーカバー自体は多少湾曲した形状ですが、ここで柔らかい当て板を使うといつまで経ってもラインは出ませんから、多少カクカクになってもここでは固い当て板を使います。イメージ的には3Dポリゴンみたいにする感じでしょうか。

 その後は柔らかい当て板を使って滑らかなラインにしつつ、番手を高くして(#180→#240)ペーパー目を均します。

 ボタンやエンブレムが入る場所はペーパーが入り難いのでウォッシュコンパウンドとナイロンブラシを使って足付け処理を行います。

 部品に樹脂素材の記載が無いのではっきりとは分かりませんが、この粘りがある感じは恐らくPA(ポリアミド=ナイロン)と思われます。

 良く脱脂したらマスキングをして台にセットし、まずはプラスチックプライマーを塗布します。

その後続けてサフェーサーを塗布します。

画像には写っていませんが、お急ぎ(納期指定の有料オプション)でご依頼頂いている建築内装製品も一緒にサフェーサーを塗布しています。そちらはPC+G20(ポリカーボネートにグラスファイバー20%添加)で、このリモコンキーよりも丈夫な反面、耐溶剤性は弱いと言う特徴があります(ポリアミドは耐溶剤性が高く、ガソリンタンクなどに使われたりします)。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

マセラティリモコンー塗装承ってます

 先日到着しておりましたマセラティの社外品リモコンキーカバーとその付属品です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

 状態としては純正品と同様に成型時の歪がひどく、このまま塗っても美しくはなりませんので、いつものように「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で平滑な下地を作ってからの上塗りとします。

 エンブレムは既に取り外してあり、付いている傷からしてこれを外すのが相当大変dさった事が見受けられます。いやはやお疲れ様でした。

 社外品リモコンキーの構造としては、純正品では激しく厄介だった3か所の爪が無いのが特徴です。作業する側としては「組み付けたら最後」と言う事にはならないので気分的にはかなり楽になります(爪を破壊しないと外せませんし、エンブレムは一旦貼ると本体かそれどちらかが無傷では取り外せません)。

今回は分解を自身で行っていない為、一応仮組みをしておきました。

色については「現状の濃紺と同じような感じで良さそうな色をお任せで」とご指定頂いておりましたので、

 比較的濃紺で且パールの入ったスバルのダークブルーマイカⅡ(カラーコード:52D)を採用しようかと思います。一応配合データも確認したところ良さそうな感じです。

暗いところだとソリッドカラーの濃紺に見えますが、光が当たると若干赤味を帯びた細目のブルーパールが効いて上品な感じになります。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

スバルフォレスター内装パーツ一式塗装 完成

先日本塗りを終えていたスバルフォレスターの内装部品です。画像はシフトパネル前方のスイッチパネルで、ここに着いていたスイッチやアルミプレートを元に戻します。

一応仮組もしてみました。

モニター枠パネルは剥がした両面テープが残っていたので、こちらも元のように貼っておきました。直ぐに取り付けられます。

 そして大変お待たせしました!スバルフォレスターの内装パーツ12点の塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々は未塗装の樹脂部品で、表面はザラザラとした梨地やレコード盤のようなヘアーラインが施してありました。

これら全てを「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理を行い、平滑な下地に整えています。

 コース自体は【お任せ仕上げコース】ですので、磨き処理はせず塗ったそのままでこのような艶にしています(ただしシフトパネルの一か所のみ磨いています)。

 自動車補修塗装では「肌は磨きで出す物では無く塗りで」といった考えで行っていましたが、現在は「艶は磨きで出す物では無く塗りで」といった考え方になっています(同じようですが実はちょっと違います)。

 自動車のボディは鏡面では無く「新車肌」といった凹凸があるので、事故などで損傷したパネルを修理する塗装でもそれを再現する事で「直した事が判らない」といった仕上りにします。ツルツルにすれば良いという事ではありません(ただしベントレーなど一部はツルツルにするハイリフレックスコート仕様(所謂鏡面仕上げ)もありますが)。

 なので実際の車体の塗装はラウンド=肌の凸凹があって、またさらにその凸凹した肌の中には小さなシワのような凸凹があって艶が引けたような状態になっているのですが、今の小物塗装ではそう言った事は気にせず、如何に艶のあるまま仕上がるかを目標にしています。

 と言っても技術的にはそんなに難しい事では無く、要はスプレーガンのノズルから被塗面までの距離を極力近くしてその間でのエアー噛み(塗膜中に空気を呼び込む事)を減らし、且スプレーガンから噴出されたクリアー中の溶剤分を極力揮発させないまま被塗面に到達させ、クリアーのレベリング(伸び)をさらに良くする、みたいな事を考えています(あくまでもイメージで、あと塗装屋にしか判らないですいません)。なのでガンの動きもかなり早いです(気を付けないと上カップの穴からクリアーが飛び出します)。

 ガン距離が近いと少ない塗料(膜厚)で肌の無い平滑な仕上りが可能となる為、一見厚塗りしたような感じでもクリアー表面の発泡=ワキは殆ど起きません。これはむしろガン距離が遠く「じっくり塗り込む」みたいな塗り方をすると起き易いと思います。ちなみに昔はこれで相当悩みました。

 ただしそれらもしっかりとした下地が出来ている事が前提で、例えば下に塗るサフェーサーが上塗り(ベースコート)よりも弱い物だと、その溶剤に侵されてチヂレは起きないまでも艶が引けたような仕上りになります。ラッカーサフェーサーなどが良い例ですね。あと昔にFRP関係の部品には関ペのサフェーサーを使っていた事がありましたが(材料が安いのと柔らかいので研ぎが楽と言う事で)、やはりスタンドックスのサフェーサー(当時はイージーフィラーとシステムフィラー)に比べると同じ条件でも仕上がった時の艶が違いました。サフェ―サー際(塗膜の切れ目)ではエッジマッピング(チヂレの一種)も生じるので、丸塗りが前提のFRP製エアロパーツに限っての使い方でしたが、それでも余りに酷いのでその後は使用を辞めました。

 ただSTANDOXも昔は下塗り塗料が余り良く無かったらしく(確か2Kフィラーなる製品以前の話だと思います)、その後イージーフィラー(今は廃盤で、ただし同じような物が出ているようです)とシステムフィラー(現在はこれの後継でVOCシステムフィラー)が出てから評価は良くなったようです。「上塗りは良いけど下地は駄目だ」と言うのが当時の業界の常識だったみたいですね。ちなみに私はその頃はDUPONTで、ただしサフェはPPGを使っていました。

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

 ヌメっとした質感が特徴ですかね。

 助手席のウィンドウスイッチパネルには小物入れ(?)があって、底部分にはこの凸凹した模様があったのでそこにはサフェーサーは塗らず、模様をそのまま活かすように仕上げています。側面への映り込みから判るようにここも艶々に仕上げています。

艶有り黒の内装は指紋などが目立つ筈ですが、それの防止として「コーティング」が有効です。ツルツルするのでも良いですし、それが嫌ならガラス系の物なら大丈夫だと思います。指紋自体は付きますが、拭き取りは断然楽になると思います。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

スバルフォレスター内装パーツ 本塗り

先日サフェ研ぎ作業を終えていたスバルフォレスターの内装パーツ12点です。

 各部品はフチまでしっかり塗れるよう、台から離して手で持って塗れるようにしています。

 本塗り前の準備としては、まずブースのファンを回して室内全体をエアーブロー→自分の体のエアーブロー→被塗物のエアーブロー→被塗物脱脂清掃→被塗物のエアーブロー→スプレーガンのエアーブロー→被塗物裏側のプラスチック素地が露出した個所にプラスチックプライマー塗布、といった流れとなります。

 フチまで塗るには被塗物の裏側からスプレーしなければならないので、こんな感じで隙間を多くした状態で固定するようにしています。これも置いた状態で塗るのではなく左手で持って右手でスプレーします。

 まずはベースコートの黒を塗布します。意外かも知れませんが、艶のある仕上りにするにはクリアーよりもベースコートの塗り方が重要で、ここで肌を荒らしてしまうとそれが最後まで影響してしまい、幾ら綺麗にクリアーを塗っても熱を掛けた後に艶が引けたような状態になってしまいます。

ベースコートの塗り方としてはとにかくウェットで、被塗物が大きかったり気温が高い場合には揮発の遅いシンナーにして対応します。ただしその分乾燥も遅くなる為にゴミは付き易く、またベースコートなのに垂れる(垂らす!)と言う事態にもなります。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

 クリアーは高品位なタイプの「クリスタルクリアー」の仕様となります。

 ちなみに現行の同社「イージークリアー」はもう廃盤になるみたいですね。同レベルの製品として販売される新製品は一斗缶(ペール缶?)での供給となるようで、気分が重いです。かといって今のイージークリアーは買い溜めする程良い物でも無いですし(旧イージークリアーは値段の割にとても良くて、実はまだ在庫があるので当面は大丈夫なのですが)。

 助手席のウィンドスイッチパネルは穴の中の奥まった部分が塗り難いのですが、こういう物も片手で持ちながらであれば何とかなります。

 塗り始めは表からでは無く裏からで、その後側面(フチの断面)、表面といった順番で塗っています。

この後一日(一晩)は常温で自然乾燥させ、翌日以降に熱を掛けて塗膜を硬化させます。最初に余熱を掛ける二段階の強制乾燥の方法は勿論知っていますが(と言うか本ブースはそれが基本です)、さらにゆっくりと塗膜中の溶剤分を抜いてあげるようにした方が強制乾燥後の艶は綺麗に保たれていると思います。

ただし以前使っていたDUPONTのS696では、速乾・即硬化型のHC(ハイパーキュアテクノロジー)のせいか、湿度の高い状況下に置いたままにするとクリアーがカブる(ブラッシング=表面が白くなる)事があったので、そういった点には注意は必要だと思います(と言ってもSTANDOXにしてからはそんな事は一度も無く、私的な見解としてはHCの促進剤が駄目だと思っています。今の製品はどうなったか分かりませんが、当時の物では高温多湿な日本での使用を想定していなかったのでは、と思いまいた)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!