アルファロメオ内装パーツ塗装 完成

大変お待たせしました!アルファロメオ147の内装パーツ一式の塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介させて頂きますね。

元々状態も悪く無かったのですが、一部パーツの色が違っていた事と、色がグレーメタリックだった為、今回はこちらを「白っぽい、きめの細かい、明るいつや消しのシルバーに」とのご要望で承っておりました。

使用したシルバーはメタリック粒子の細かいSTANDOX JLM-906 SPFシルバーを原色のまま、それに艶消しクリアーで仕上げています。

 

これが艶あり仕上げだともっと金属感が強い仕上りになりますが、艶消しクリアーを塗る事で透かしの黒さを抑えてしっとりと落ち着いた仕上りになっています。


通常目の細かい(粒子の小さい)シルバーは正面が暗くなりますが(MIX595、DUPONTだとAM10ですね)、近年多用されるようになった高輝度メタリックは「正面を明るく透かしを暗く」する特徴がある為、金属感のあるシルバーの塗装が可能となりました。

ただし高輝度メタリックを使う上でネックとなるのが素地の状態で、ちょっとした小傷も拾ってしまうので扱いは非常にデリケートでしたが、近年は顔料や樹脂の性能が良くなり使い勝手も非常に良くなりました(と言ってもやはり普通のシルバーより相当注意は必要ですが)。

ぱっと見のイメージとしては、削り出したアルミ素材に細かい目のサンドブラストを掛けたような感じでしょうか。
参考までに、色見本ミニカーの左側が通常のクリアー仕上げ、右側が今回の艶消しクリアー仕上げとなります。クリアーを塗らないベースコートのみの状態はさらに金属感が高いのですが、そのままだと耐久性がありませんので通常お受付は出来ません。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

Alfa Romeo V6 engine

alfa7 アルファロメオGTA V6エンジンのエンジンカバーとサージタンクです。

alfa9こちらのエンジンカバーは通常のヘッドカバーと違って「飾り」的な物なので、外した状態でも走行は問題ありません。

alfa8  サージタンクについてはこれが無いと車が走れませんので、予め代替品を入手してそちらを塗装、完成後に整備工場さんなどに持ち込んで交換される方法が宜しいかと存じます。また余った部品はネットオークションなどに出品すれば買った金額と同額程度で売れると思います。

alfa10 まずはアルカリ洗浄槽に数日間浸け置きし、内部のオイル汚れなどを取り除きます。

alfa11 通常凸部は塗装後に研磨するのでそのまま塗ってしまうのですが、この部品はフィン部分砂型鋳造されたそのままの仕上げなので、塗装する前にある程度研磨しておきます。alfa12 通常は#800で仕上げますが、塗装前なので#80で削っておきます。

alfa13 その後リン酸を使って化成処理を行い、さらに洗浄した後に十分乾燥させてマスキングを行います。

alfa14 リン酸処理を行う事でこの後に塗装するプライマーの密着性を高めます。

alfa15 そしてプライマーを塗布します。

alfa18 続けて結晶塗装を行い、140℃~170℃程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

alfa19 結晶塗装用の塗料は通常の塗装(当店の場合は2液ウレタン系塗料)と違い、1液型の熱硬化性メラミン樹脂塗料となります。

時々「後はエンジンの熱で固まる」といった事項を見かけたりもしますが、それだけの熱では規定の温度までは達せず「生乾き」の状態になってしまいますのでご注意下さいませ。

alfa21 熱を掛けて塗膜が硬化したら周りを養生し、凸部を研磨します。

最初は#120から始めて180#→#240→#320→#400と均し、最後は#800で光らせます。

alfa23 さらにその後、アルミ素地が露出したところに2液のウレタンクリアーを筆で塗り、この後の腐食の進行を遅らせます。

alfa24 さらに数日寝かし、クリアーが硬化したら完成となります。

alfa25 色は赤と黒が人気ですが、青や黄色、また今回のようにパールを効かせたりする事も可能です。

alfa26 ただし結晶塗装は原色の種類が限られていて、さらに熱の加わり方次第でムラが生じますので、色の再現性については「大体似た感じ」といった程度でご了承下さいませ。

alfa28 alfa29凸部の研磨には多少エアーツール(サンダー)も使いますが、仕上げは全て手研ぎです。

そうしないと角が丸まってしまい、シャープなエッジに仕上がらないのです。

alfa30 車体に装着されると見えない裏側なども表同様にしっかりと仕上げています。

alfa31結晶目を近くで見るとこんな感じになっています。

塗りが弱いとこの目が細かくなり、また塗り方が悪いと全体がムラになってしまいます。安定して美しい結晶目に仕上げるのは実は結構難しい塗装となります。

アルファロメオエンジンカバー&サージタンク結晶塗装 完成

alfa24こちらもお待たせしました!アルファロメオのエンジンカバー&サージタンクも本日完成となります。

alfa26 こちらは面研してアルミ素地を露出した個所にクリアーを塗っていますので、発送は明日の夕方以降となります。

最初の状態も紹介しますね。

alfa9アルファロメオのエンジンカバーは元々未塗装で、凸文字の部分のみ赤で塗られています。

alfa8フィンの部分は鋳型から外したそのままの梨地なので、塗装前に面研して平らに仕上げ、最後に番手を細かくして光らせます。

alfa25 色は明るいブルーで、色の表現にパウダーパールを使っています。

alfa27 アルファロメオのエンジンパーツは業者さんからのご依頼が多く(サージタンクを外すのが面倒だからだと思います)、ただ殆どの場合で黒の結晶塗装になっています。個人の方だと赤が多いですかね。

alfa28 ですので今回のような塗色は初めてかも知れません。ロードスターは数が多いだけにバリエーションも多いんですけどね。

alfa29 フィンや凸文字は極力手研ぎで行ってエッジがシャープになるように仕上げています。サンダーなどのエアーツールに頼るとこうは仕上がりません。

alfa30 裏側も綺麗に結晶目が並んでくれたと思います。

尚、元々着いていた付属品は元の通りに戻しておきました。

alfa31結晶目を近くで見るとこんな感じです。中々凄いですよね。

それでは後程完成のお知らせメール差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

アルファロメオエンジンカバー&サージタンク 凸部研磨

alfa21 先日結晶塗装の本塗りを終えていたアルファロメオV6エンジンのエンジンカバーとサージタンクです。

最後に凸部を研磨してアルミ素地を露出させて光らせます。

alfa22 このヘッドカバーは元々凸部をフライス加工されていない物だからか、結構邪魔な場所に容赦無く出っ張りがあったりします。

研磨の際には最初にサンダーを使いますから、ガムテープやアルミテープなどを貼っても余り意味が無く、この場合は薄いブリキ板(スチール板)を小さく切ってガムテープで貼っておくと意外にしっかり塗膜を守る事が出来ます。

alfa23最終は#800まで仕上げ、最後にウレタンクリアーを筆で塗ってアルミ素地の腐食の進行を遅らせます。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

アルファロメオエンジンカバー&サージタンク結晶塗装 本塗り

alfa10 先日より洗浄槽に浸け置きしておいたアルファロメオのエンジンカバーとサージタンクです。

alfa11 このフィンはフライス加工が施されておらず、砂型鋳造したそのままの仕上りとなっている為、リン酸処理の前にこちらを削っておきます。

alfa12 #80のペーパーを使ってシングルアクション→ダブルアクションサンダーで削ります。シングルは切削スピードは速いのですが局所的に削り過ぎて面が歪んでしまうので多用は避けます。

alfa13 その後リン酸処理→洗浄を行い、よく乾燥させたらマスキングをして台にセットします。

サージタンクは下部の接合面となる個所は塗装せず、ただパイプが刺さる部分は下側まで塗れるよう少し浮かした状態で固定しています。

alfa14 エンジンカバーのフィンと文字の部分は予め面研してあります。

alfa15 まずはプライマーを塗布します。

alfa16 床は大分汚れていましたが、塗り直して綺麗になりました。

alfa17塗装後、140℃程の熱を掛けて結晶目を出したら本塗り完了です。

alfa18 色は以前施工したロードスターのヘッドカバーと同様で、パウダータイプのブルーパールを入れています。

alfa19 ちなみにこの段階ではまだ半生の状態で、この後さらに恒温機に入れて焼き付けを行います。

alfa20「G」の部分に巣穴があったらしく、大きなブリスターが出来て破裂しています。

結晶塗装は本塗り後に熱を掛ける段階でこういった気泡がよく発生するのですが、その間横について見張っているので、気泡が膨れる前に針で刺して中の気体を抜いてあげればこうはなりません。今回はどの道後で面研する個所なので放置しています。

塗って直ぐに窯に入れるとこういった気泡が判らなくなってしまうので、最初は赤外線ヒーターで塗った物を見ながら経過を観察し、上手く結晶目が出なければ溶剤槽に浸けて全部剥がしてやり直し、綺麗に結晶目が出たとしても気泡の発生で仕上がりが悪くなってしまうので未然に防ぐようにしています。

この後二度目の強制乾燥を終え、凸部を面研したら露出した素地にクリアーを筆で塗ってさらに硬化させたら完成となります。どうぞもう少々お待ち下さいませ!