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SUZUKI GSX-R1100キャブトップカバー結晶塗装 完成
大変お待たせしました!SUZUKI GSX-R1100のキャブレタートップカバーとステーの結晶塗装、本日完成となります。
最初の状態も紹介しますね。
素材はスチール製で、最初の状態では腐食も発生していましたが、それらはサンドブラストで削り落とし、新たにプライマーを塗って結晶塗装を施しています。
結晶塗装の色は明るいブルーで、粉末のパールも使用しています。
結晶塗装が普通の塗装と違って難しいのは「結晶目の並べ方」で、これは塗っている時には判らず、塗装後に熱を加えてようやく結果が判るので、塗装中はまるでロボットのようにガン距離・角度・運行速度を揃えて塗っています。
形は円柱形ですが、塗装する場合は8角形と考え、土台部分・側面・天面とそれぞれを3面に別けて「8×3=24面」を塗るような感じで作業しています。
焼き物などであればそれぞれ違う仕上りを「味」として考えたり出来ますが、当店の作業はそれと真逆で、どれも人の手で行ったような跡を残さないようにしなければなりませんので、これが少々(と言うかかなり)大変です。
ちなみに結晶目は塗料の膜厚や熱を入れるタイミング(伝導率も)が関係しています。
こういったちょっとした出っ張りもスプレー塗装時には結構厄介なので、やはり塗装時は8方向から均一にスプレーをしています。たかが5cmの部品でも意外と奥が深いのです。
結晶目を近くから見るとこんな感じです。コンパクトカメラでマクロ撮影しています。
裏側もサンドブラスト処理を行っていて、そのままだと錆びるのでやはりプライマーを塗布し、こちらはつや消しの黒(っぽいガンメタ)を塗っています。見えない部分なのでどうでも良いとは思いますが、やはり部品単体で受け取った時の印象は違いますよね。
それでは後程完成のお知らせメール差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!
キャブレタートップカバー結晶塗装 本塗り
こちらもお待たせしました!偶然にも先ほど紹介したアルファロメオのエンジンカバーと同色で承っておりますので一緒に本塗り完了しております。ご安心下さいませ。
元々何かしらのメッキが施されていたのですが全体的に腐食が酷いのでサンドブラストで処理しています。
裏側は比較的綺麗だったのですがフチには腐食が回り込んでいたのでこちらもブラストを掛ける事にしました。
裏側はそのままだと少し格好悪かったのでベースコートの黒を塗っておきました。こちらは普通のSATNDOXの塗料です。
ベースコートが乾燥したらマスキングをし、段ボールに固定します。被塗物は塗装中・塗装後に移動させる事が結構多いので、ストレス(リスク)無く動かせるようにしておいています。
アルミ製のヘッドカバーなどに比べると薄いスチール製品は熱の上がり方が極端なのでそれに注意して焼き付けています。
こちらももう一度恒温機で熱を掛け、数日寝かしたら完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!
キャブレタートップカバー 結晶塗装承ってます
先日到着しておりましたSUZUKI GSX-R1100のキャブレタートップカバーと関連部品2点、合計6点です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!
車体は現在レストア中との事で、今回はこちらを結晶塗装のブルーでご指定頂きました。腐食も酷いので素地調整としてサンドブラストも行います。
色に関しては以前当店で施工したロードスターのヘッドカバーの塗装を参考としてご指定頂いておりますのでそちらの画像も紹介致しますね。
普通の青では無くパールも入れたブルーです。偶然ですが現在別件でご依頼頂いているアルファロメオのエンジンカバーとサージタンクと同じ色となります。
こちらのヘッドカバーの施工内容についてはこちらのページで紹介しておりますので宜しければご参照下さいませ。
キャブカバーについては以前施工した物もありますのでそちらも紹介させて頂きますね。
こちらはホンダCB1300のキャブカバーで、結構形は似ていますね。
付属部品2点についてはこちらの出っ張った方が表側になると認識しておりますのでこちら側に結晶塗装を行います。同じく素地調整としてサンドブラストを行い、プライマーを塗布します。
裏側(内側)については綺麗なのですが、フチ周りはやはり錆が発生しているのでその辺にはサンドブラスト処理を行い、こちら側は結晶塗装では無く艶消しの黒を塗っておく予定です。
それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!
キャブカバー結晶塗装 完成
結晶塗装は1液性の焼付硬化型なので(メラミン樹脂です)、硬化剤を入れなくても150℃程度の熱を掛ければそれで完全硬化となります。常温なら固まらないので、極端に言うとスプレーガンを洗わずとも一日中塗っていられるのです(まあノズル周りが汚れるのでそうもいかないと思いますが)。
ちなみに主剤と硬化剤を混ぜて硬化する2液型の塗料は可使時間が決まっているので、今の季節ならスプレーガンにクリアーを二時間も入れっぱなしにしていればもう塗料は出て来てくれません。ガンの中で固まってしまうのです(怖)。
ただしウレタン系の塗料であれば常温でも硬化しますので(私はそんな事はしませんが)、プラスチックのパーツなどが付いた状態でも塗装~完全硬化する事が出来る、といったメリットはあります。完成した車両を後から補修する場合にウレタン系の塗料が使われるのはそういうことでして、まさか全てのプラスチック部品を取り外すなんて事はとても現実的ではありませんので・・・。
結晶塗装の特徴としては「熱を入れてみないとチヂレ目がわからない」と言うことで、塗っている時には単なる艶有りにしか見えませんからその辺りが慣れないとちょっと難しいかも知れません。「とにかく乗せればチヂれるから」といった塗り方であればその辺は余り深く考えなくても良いのですが(私も最初はそうでした・・・)、仕上がった時のチヂレ目の事まで考えるとこれが結構難しくなってきます。私の場合も未だ毎回戦々恐々な思いで結晶目の出現を見守っている程でして(笑)。
尚、この「チヂレ目」は塗り方に大きく依存していて、塗膜が厚ければチヂレ目が大きく、少なければ細かくなるのが特徴です。ただし塗り足り無いとチヂレ目すら出てくれない場合があるので、それを懸念して余計にタップリ塗りがちになる所もあります。今回のような小さい部品でそこまでタップリ塗ってしまうとそれはもう異様な光景になってしまいますから、今回のような小さな部品だとその辺の調整が難しくなるのです。
ちなみに現在別件で現在お預かり中のロードスターのヘッドカバーは、最初に依頼した塗装ではその結晶目のムラが強かったらしく、今回改めて当店に御依頼頂く事となりましたが、出来上がって戻ってくるまでは仕上がりが判らないので判断は難しいですよね。施工例としての画像だけを見れば当然一番良い仕上がりのものを載せる訳ですし、またはRAW撮影をすれば後からソフトを使って加工も出来たりする訳でして・・・。
私もちょっと前からRAW現像を楽しむようになりましたが、これをすると余りにも元画像から逸脱するような素晴らしい画像(笑)にも出来てしまうので、仕事でこれを使うのはちょっと反則な気もしますからここで紹介しているのは余程何かの間違いが無ければ全てJPEG画像になります(時々カメラの設定をRAWにしたままで撮ってしまう事がありまして・・・)。代わりに「社外記」の方で紹介している画像のその殆がRAWで撮影したもので、それらはかなり弄っていますから元画像はとてもじゃありませんが見せられ無い程になっていたりします(笑)。
それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!