トヨタスマートキーカバー塗装 完成

 先日最終クリアーの塗装を終えていたトヨタランドクルーザー用の純正スマートキー一式です。

 念の為2度~3度焼きを行って透明レジンの痩せ具合を様子見ていましたが、問題無いので最終磨き処理を行う事にしました。

しかしこんな小さいのにホコリが乗ると言う…(問題無く取れましたのでご安心下さいませ)。

 その他先に本塗りを終えていた部品も最後の磨き処理を行っておきます。

 そして完成です。大変長らくお待たせ致しました!

最初の状態も紹介させて頂きますね。

元々はこんな感じで、改めて今見直すと余りにも貧相なのにビックリしました。すっかり忘れていましたが、最初はこんなのだったんですか…。

 と言う訳ですが余韻に浸っている暇は無く、組み付けも行います。

バネとサイドボタンを取り付け、中に防水用のシリコンマットと基板本体を入れて蓋を閉じます。

 そして改めて完成です。

 ボタンは元々少し奥まって入っていたのですが、オーナー様のご要望により周りとツライチにしています。

途中作業の画像も紹介しますね。

ABS板をボタンの形に削り出し、

エポキシ接着剤で貼り付けています。制作過程はこちらの社外記でどうぞ。

 その後パテ&サフェーサーでラインを整え、各ロゴはマスキングシートを作成して塗装で行いました。

 ちなみにさすがにこのサイズを塗装で行うのは大変だと思い、当初は印刷~デカールの貼り付けを予定していたのですが、途中色々ありまして結局最終的に塗装で行う事にしました。ボタンを操作している内にロゴがズレたり剥がれて来たりしたら嫌ですからね(自転車フレームのデカールロゴのように…)。

丸い小さな穴からLEDの灯火が見えるようになっていて、動作チェックの確認もOKでした。 このままお使いになれると思います。

 そして裏面(表面)です。

見た目はなんて事は無いのですが、トヨタエンブレムは元々着いていた物では無くピンバッジを応用して複製~塗装した物で、凹んだ部分は透明エポキシ樹脂で埋めています。

途中の画像も紹介しますね。

シリコーンで型を取って樹脂で複製した物に塗装を行い、

位置を合わせて透明なエポキシ樹脂で固めています。詳しい作業内容はこちらの社外記でどうぞ。また今回の為に真空脱泡が出来る環境も用しました。

 その後何度か「クリアー塗装→完全硬化→研磨」を繰り返して完全なフラットに仕上げました。映り込みの歪みも全く感じられません。

 横にあるボタンは下に挿し込んである非常用鍵を止めるストッパーで、塗装の厚みでちょっと動きが鈍いのですが、使う機会は極限られていると思いますので問題無いと思います。押せばちゃんと抜けますし、また押さない限り鍵は外れません。少し強く押す事と、抜いた後に軽く押して戻してあげる感じです。

すっかり忘れていたのですがお揃いのキーホルダーもご用命頂いておりました。尚、こちらは塗装のご依頼を頂いた方のみ有料で作成しています。詳しくはウェブショップでどうぞ。

それでは後日内容を精査して改めて完成のお知らせメールを差し上げます。この度も当店をご利用頂き誠に有難う御座いました!(そして大変お待たせしました…!)。

トヨタスマートキーカバー 本塗り

 トヨタの極小エンブレムを透明エポキシレジンで固めてから4回(4工程)のクリアー塗装でようやく平滑な下地が出来ました、トヨタのスマートキーカバーです。

ちなみに裏側のスイッチパネルや小物部品は既に本塗り工程は完了しています。

 今回はフチまでクリアーを入れるので、マスキングは無し、フチまでしっかりクリアーを塗り込みました。

途中で行った下塗りクリアーは当て板を使って全体を研ぎ出しているので、フチのクリアー溜まりなども無く、シャープに美しい仕上げになっていると思います。

熱を入れて完全硬化後、必要に応じて磨き処理を行い、いよいよ完成間近となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スマートキーカバー クリアー下塗り

 先日透明エポキシレジンの注型を終え、その後クリアーを塗っていたトヨタ純正スマートキーのカバーパネルです。

その後何回か熱を入れておいたので、表面を研ぎ付けます。

が、思ったよりもクリアーの厚みが足りなく、「研磨→足付け処理→クリアー筆指し」をさらに2回繰り返していました。合計3回&6ベイクといった感じです。下地を露出させる訳にはいかないのでどうしても無理が出来ないんですよね。

まだ完全に平らにはなっていませんが、あと1コートで下地は出来そうなので、再度クリアーをスプレーで塗る事にします。

少しでも汚れが残ると大変な事になる為、その都度ウォッシュコンパウンドも掛けています。

今回もクリアーはフチまでは塗らず、プレスラインで暈すようにして塗布します。

プレスラインで暈すようにマスキングする方法としては、判り易い画像があったので紹介しますね。

こちらは以前スーパーセブンのカーボンパーツを塗装した時の画像で、ちょっと判り難いのですが「山」のプレスラインの所でベースコートを暈そうとしているところです。

マスキングテープのフチを1/3くらい折り込むようにして、見切りの部分がヒラヒラとなるようにしています。この時は12ミリ幅のマスキングテープを使っていますが、今回のキーカーバーではこれを6ミリ幅のテープで、端を1ミリ折り畳むようにしています。

そしてクリアーの塗布が完了です。マスキングのフチは少し浮き上がった状態になっている為、そこにクリアーの段差は出来なく、ラインを乱さないでの塗装が可能です。

良く見ると判ると思いますが、トヨタエンブレムの左上辺りにまだ凹みが見られます。

今回の下塗りクリアーは2コートで、その間に一回筆指しもしていますが、その上にクリアーを塗ると折角盛り上げたクリアーは流れていってしまう為(パネルが曲面の為)、この後表面が指触乾燥してから再度局所的に筆指しを行う事にしています。

また筆指した箇所は膜厚がついている為、研ぐ際には通常よりも長めに熱を掛けたいですので、本塗りクリアーまでにはもう少々時間が必要です。長くお待たせしておりますがどうぞもう少々お待ちくださいませ!

トヨタスマートキーカバー 下地クリアー

 先日透明エポキシレジンでトヨタの極小エンブレムを注封しておいたトヨタスマートキーカバーです。

 他の塗装品と一緒に二回程熱を掛けて完全硬化させておきました。

 カバーの形状が山なりになっている為、注いだエポキシレジンは「中央が低く、両端が高い」という状態になっています。考えてみれば平らじゃなかったんですね。

と言う事なので高い部分をある程度だけ#800で研磨しておきます。無理をしてホワイトパールの部分を削ってしまった場合、恐らくもう立ち直れ無い気がしますので…。

 低い部分にはペーパーが当たらない為、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンドで足付け処理をしておきます。汚れが残っていたりしたらそれも問題なので、カバー全体を一皮剥いて丁度良い感じですかね。

 親水状態になって表面に水の膜を貼った状態です。完成のイメージが徐々に見えて来たのでは無いでしょうか。

 カバー全体にクリアーを塗ると反対側のパネルと色違いが発生したり嚙み合わせが悪くなる可能性がある為、クリアーは平面のみ、プレスラインでボカす事にしました。最後の最後には全体にクリアーを塗らなければいけなく、またライン出しはこの一回で終わるとは考えられませんしね。

ちなみにクリアーは透明ですが白い物に塗ると色味(黒さ)が出ます。車の塗装では常識ですが、ドア一枚クリアーだけを塗るとそのパネルだけ黒くなるのでとても気分が悪いのです(普通の方は気づかないかも知れませんが)。

対処方法としては、隣接パネル付近のクリアーは薄目にする(1コートもしくは1.5コート)か、またはクリアーに直接ベースコートの白やフラットナーを入れたりして対応しますが、余り気分の良い物ではありません。ちなみにこれは私的な見解ですが、10:1などの国産アクリルウレタンであればそんなに黒味は出ないので気にしなくてよく、対して外資系のポリウレタンは強く表れると思います(どちらもアクリルポリウレタンではありますが、アクリル寄りか、ポリエステル寄りかと言う事です)。

 クリアーを1コート塗った状態です(実際は既に筆指しも行っています)。

 スプレーだけではクリアーは埋まらないので、筆を使って直接クリアーを垂らしていきます。

ちなみに「筆指し」といっても今時本当の筆を使う事は無く(多分)、画像のような物を使うのが一般的です。ハジキの場合など、極々少量のクリアーをピンポイントで筆指す事が可能です。厚く盛ると熱を入れて磨いた後でも凹みますからね(結果二度焼きと言うとても面倒な事に)。

 スプレーガンでクリアーを塗っては筆指しをするという事を4回程繰り返しました。

ただやはりと言うかカバーの形状が湾曲してしまう為、盛りたい部分からクリアーが流れ出てしまっていきます。

うーん、この状況、どこかで経験したような気が…。

ああ!そう言えばBMWの古いボンネットバッジをレストアした時にもそんな事が!と思い出しました。

後に工程をまとめた施工例にはそんな事は全く書いてありませんが、同じように塗っても塗っても周りにクリアーが落ちてしまっていたので反対にして吊るして中央のクリアーを戻していたのです。

と言う訳で、しっかりクリアーを塗り込んだら最後には天地逆になるように吊るして放置します。

後日クリアーが固まったら再度熱を掛けて完全硬化させ、再びエンブレム周りを研いで平滑化、上手く行けば本塗りに、駄目だった場合はまた同じことを繰り返します。引き続きどうぞもう少々お待ち頂ければと思います。

そして本塗りが完了しているレンズ関係の塗装ですが、本日ある程度撮影も終わっていて、明日には全て紹介~完成のご案内が出来る予定です。発送は週明けになってしまうかも知れませんが、こちらももう少々お待ちくださいませ!

スマートキーカバー 仮組み

 先日本塗りを終えていたトヨタのスマートキーカバーとボタン×3個です。

ボタンと本体のクリアランスがかなり絶妙な所に来ている為にそのままではスムースに嵌らず、無理に入れると固着してしまう為、スイッチと本体が接触する個所をペーパーで削って調整しています。

 当たりが良くなった所で、それぞれの部品を仮組みしてみました。

画像ではロゴの色がシルバーっぽく見えますが、実際はむしろ黒に見える程で(にわかにには信じがたいですが隣にあるミニカー色見本と同じ色です)、明らかに普通の塗色とは違う3コートSPFシルバーの仕様なのが判ると思います(ただし画像だと全く判らないのですが…)。

 実際に中には基板とシリコンシートも入れて各ボタンの稼働も確認しています。当たりも良好で、使っていて塗装が浮いてくるという事も無いように出来ていると思います(クリアランスには多少余裕を持たせてあります)。

 そして残る作業がこちらの反対側のパネルで、窪んだ箇所にレジンで作成した極小トヨタエンブレムを貼付け、さらにそこに透明レジンを注いで硬化→面研、そして最後にもう一度全体にクリアーを塗ってツライチにする予定です。

レジンを注ぐ際に気泡が入ると全てが台無しで、一応その為に真空脱泡機を用意しましたが、それでも万が一を考えてシンナーで洗い流すという作業も想定していますので、その際にクリアーがチヂレ無いようあと二回くらい熱を掛けて締まりきりを狙おうと思います。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!