スーパーセブンカーボンフェンダー塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたロータススーパーセブンのプリプレグカーボン(ドライカーボン)製リヤフェンダーの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

最初に塗られていたクリアー塗装がカーボン地から剥がれてしまっていて、なのでこれらを一旦全て剥離し、5回のクリアー下塗りを行って下地を作りました。

ぱっと見は通常のグリーンメタリックに見えますが、

素地のカーボンが透けて見えるように仕上げています。

この為パテやサーフェーサーは使えず、なのでクリアーだけでカーボンの凸凹を埋めて下地を整えています。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

色はメルセデスのカラーコード6836を使用し、それをバインダー(樹脂)で5倍に薄めて塗り重ねています。

薄めて塗っているのはムラにならないようにする事と、透け具合の微調整を行う為です。

見本にしたノーズコーンと並べてみました。

ちなみにノーズコーンも一部の塗装が剥がれ掛かっていたりしたので、

透明エポキシ接着剤でそれ以上広がらないようにし、グリーンメタリックをタッチアップしておきました。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

スーパーセブンカーボンフェンダー 本塗り

先日5回目のクリアー下塗りを終えていたロータススーパーセブンのプリプレグカーボン(ドライカーボン)製リヤフェンダーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

もう一度下塗りを行おうと思っていましたが、比較的良い状態だったので今回で本塗りに移行する事にしました。なので今までのようにダブルアクションサンダー空研ぎでは無く、当て板を使った水研ぎとしています。

フチまでしっかり足付け処理を行い、台にセットしたら本塗り準備完了です。

よく脱脂清掃し、エアーブローを行って埃を飛ばします。

色見本として一緒にお預かりしたノーズコーンも準備します。

今回の塗装は「カーボン素地を透かした仕上がり」にする為、こちらを見ながら塗り方を調整していきます。

色はメルセデスのグリーンメタリック(カラーコード:6836)で、これを樹脂で5倍に薄めています。小物塗装になってからは塗装カルテの作成はしていませんが、以前施工した時の記事に情報を残しているのでそれが後でとても助かります。

それをムラにならないよう塗り重ねていきます。

色板にも塗りながら透け具合を確認します。

ベースコートはトータルで5コート塗りました。

普通の塗装と違って面倒なのはメタリックカラーなのに下地が透ける事で、なのでベースコート中に中研ぎは出来ませんから(ペーパー目が残って見えてしまいます)、最初から最後まで一切触らずに仕上げています。

スプレー方向は縦横斜めに塗って塗りムラが起きないようにしています。カーボン目がガイドラインになるので丁度良いですね。

見本のノーズコーンと透け具合が同じ様になったら、

最後にクリアーを塗って本塗り完了です。大変お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

クリアーを塗り終わって再びノーズコーンと並べて見てみました。透けた感じは良い具合になっているかと思います。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スーパーセブンカーボンフェンダー クリアー下塗り(5回目)

先日4回目のクリアー下塗りを行っていたロータススーパーセブンのプリプレグカーボン(ドライカーボン)製リヤフェンダーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

前回までと同じ様、#320のダブルアクションサンダーで全体を研磨し、その後手研ぎ#400で曲面やフチを研磨足付け処理します。変わり映えしない作業ですが実際のところ塗装業務の9割以上はこのような地味な作業で、自動車車体修理業(板金塗装)で離職率が高いのは、恐らくディスカバリーチャンネルとかを見て華やかな職種だと勘違いしてしまって入って来る方が結構多いのかも知れません(ただ私的には地味な作業こそが面白いと思うのですが・・・)。

以前一時期勤めていた町工場で某自動車評論家の方の車をレストアする作業に携わった事があるのですが、その時も「本塗り自体は全体の数パーセント」みたいな事を記事に書かれていました。実際のところは0.001%にも満たないと思うのですが・・・。

塗装は納めた直ぐは綺麗なのは当たり前で、その後数年~数十年経ってからどうなるのかでその時やった事が判って来たりします。今回は下地から当店で施工しているので、このフェンダーがまた10年後にどうなるのかが楽しみです。

よく脱脂清掃し、今回もひっくり返した状態から始めます。

まずはフチにクリアーを塗布します。

2コート目のクリアーが塗り終わったらひっくり返し、

表面にも2コート(実際は余ったクリアーが勿体ないので2.7コートくらい)クリアーを塗って下塗り完了です。

画像は塗ってから一日経った状態です(塗装直後に撮影をし忘れていました・・・)。

これ単体で熱を入れるのはコストと環境にも良く無いので、後日何かしら熱を入れる物と一緒に恒温機に入れて硬化させます。恒温機を使うと赤外線ヒーターに比べて熱効率が良くかなり省電力で済むのでとても気に入ってます。

あともう一回下塗りを行い、その次で本塗りを行おうと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スーパーセブン カーボンフェンダー 下塗り(4回目)

先日に引き続き、クリアーの下塗りを行っているロータススーパーセブンのプリプレグカーボン(ドライカーボン)製リヤフェンダーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

かなり綺麗に仕上がっているように見えますが、前回紹介したようにまだ激しい歪が残っていますので、完全にとは言わないまでももう少し下塗りを行って良くしていきたいと思います。

今までと同じ様に#320のダブルアクションサンダーで全体を研磨し、その後手研ぎ#400で曲面やフチを研磨足付け処理をします。

パテやサフェは使えないので、高い箇所を研磨し、低い箇所のクリアーを残すといった地道な作業の繰り返しとなります。

なので通常はウレタン系のクリアーでは無く、乾燥硬化の早いポリエステル系が使われるのが一般的かと思います。パン工場のようにベルトコンベアーの途中に紫外線が照射されるトンネルがあって、塗った物がそこを通過して出てくるともう塗装は固まっていて、それにクリアーを塗ってまたコンベアーで流せばすぐに固まるというような感じだと思います(しかしその結果が今回のような剥離に繋がっているのかも知れませんが…)。

よく脱脂清掃し、前回と同じくひっくり返して裏のフチからスタートします。

まずここでクリアーを2コート行い、

表にひっくり返して3コートクリアーを塗ります。

手前側面部分はラインが整っているのでそんなにクリアーを塗る必要が無く、

なのでそこは塗り足りないくらいの肌になっています。下塗りはまだ続くので問題ありません。

また歪(凹み)が酷い箇所にはピンポイントでクリアーを塗ったのですが、やはりと言うか局所的に塗り込むとそこでクリアーの流れが止まってしまう為、激しいタレが生じています。ただしこれも後で削るので問題はありません。

この後はいつものようにまずは自然乾燥させておき、他のご依頼品の物と一緒に恒温機に入れて60℃40分程の熱を掛けて硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

スーパーセブン カーボンフェンダー 下塗り(3回目)

先日二回目のクリアー下塗りを行っていたロータススーパーセブンのプリプレグカーボン(ドライカーボン)製リヤフェンダーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

塗り易い(乗り易い)上面は比較的綺麗になっているのですが、フチ等にはまだ巣穴の跡と、また全体的に歪がかなり残っています。まだまだ先は長そうですね。

前回と同様#320~#400で全体を研ぎます。

エクボ状に凹んでいる箇所はダブルアクションサンダーが当たらず艶が残るのですが、そのままだと密着性が悪いので最後に#400で当てて足付けを行っています。

よく脱脂清掃します。

ちなみにこれ単体では塗装しておらず、他のご依頼品のクリアーを塗る時に途中から合流して一緒に塗らせて頂いています。ですので下地処理からクリアー塗装まで続けて行っているのではなく数日空いていたりします。テールランプ等も同様で、まず下地処理を行っていつでも塗れる状態にし、タイミングを見計らって本塗りに行けるようにしています。大抵は前日までに全てのセッティングを行い、ただし当日体の調子が悪かったりしたら延期したりもします。

今回は塗り難いフチを上側にして塗り始める事にしました。

どうしても塗り難い所で、またカーボンの仕上げもおざなりにされ易い箇所なので巣穴が多いです。ここはあと二回は必要そうですね。

反対側は比較的良い感じです。

ひっくり返し、一回目のクリアーを塗ったところです。歪が激しいのが判ると思います。パテとサーフェサーが使えないので完全にこれをフラットにする事は出来ませんが(5mm程の厚さをクリアーで充填するとかはあり得ません)、もう少しまともになるようにしたいと考えています。

その後2コート+余ったクリアーを追いかけて塗って3回目の下塗りが完了です。

クリアーを余らせるくらいなら全部塗り切る!という感じで、今回も塗り過ぎてデロデロとした肌になっていますが、この後も余分は削り落してしまうので問題ありません。

それではまた作業が進行しましたら紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!