ハーレーカウルパネル塗装 完成

 大変お待たせしました!ハーレーのネックカバー,ビキニカウル,ラジエターカバーの塗装、本日完成となります。

 車体の純正色はカラーコード「DH」との事ですが、前回のご依頼時に作成した色を確認したところ、余計な色味は無い方が良さそうという事でSTANDOX原色MIX854単色での仕様となっています。

 クリアーも前回のご依頼時と同様、高品位なタイプの「クリスタルクリアー」の仕様となっています。

最初の状態も紹介しますね。

元々傷などは全く無く、色も今回と同じく黒だったのですが(そもそも前回色の見本にしたのが今回ご依頼頂いたパーツです)、一部の部品でコーティングに問題が起きていた事と、前回ご依頼頂いた時の仕上りが気にって頂けたようで今回残りの部品をご依頼頂いたといった感じです。

 外した網とゴム×4個は元に戻しておきました。一応取り付け時にご確認下さいませ。

 画像はどれも未加工(撮影したまま)ですが、塗装のヌメリ感があるのが判ると思います。実物はさらに凄いです。

 ちなみに触ると指紋が着くので梱包時は手袋を嵌めてます。また今の時期は静電気が凄いので、除電ガンでエアーブローしながらホコリが無くなった隙をついて梱包しています。

 一応室内の照明下でも撮影してみました。

 照明にはA2の大型トレース台を使っているのですが、ちょっとそれの明かりが強過ぎて、今度中の蛍光灯(4本!)をLEDに変えて減光調整が出来るようにしようと考えています。ただ光の波長(色)が極端変わるのが心配なんですけどね。

 既存のコーティングは下地処理の際にしっかり落としていますので元々あった細かいクラックは全く見られませんのでご安心下さいませ。と言うか某メーカーの方曰く、かなり強固とされているコーティングもスコッチ&ウォッシュコンパウンドを使えば簡単に取れちゃいますよ~と言う見解みたいです。確かに塗膜を削るのですからその上のコーティングが残る訳もないのですが(笑)。

 今回は掲載していない画像も何個かありますので、そちらはフェイスブックページの方で紹介しますね。

裏側も艶々にしておきました。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。今日便での発送は厳しいかも知れませんが、既に梱包も終えましたので間に合えば対応させて頂きます。

この度も当店をご利用頂き有難う御座いました!

 

ハーレーカウルパネル 本塗り

 大変お待たせしました!ハーレーの外装カウルパネル5点本塗り完了しておりますのでご安心下さいませ。順を追って作業内容を紹介していきますね。

まずはシリコンオフを使って全体を脱脂します。

 続けて#800の耐水ペーパーで既存の塗り肌をある程度削るような感じで研磨し、足付け処理用の布製の研磨副資材(画面左の黄色い物=アシレックスレモン)で全体を足付け処理します。

 さらに不織繊維状の研磨剤スコッチブライトと、脱脂洗浄&研磨粒子を含むウォッシュコンパウンド(ハジキシラズ)で全体を研磨します。

ペーパーが入り難い個所はナイロンブラシとウォッシュコンパウンドを併用し、ビキニカウルは裏側も塗るので全体を、その他はフチの断面までしっかり足付け処理を行います。

 よく洗い流して水気を切り、それぞれを塗り易いように台にセットします。

ちなみに作業は一度に行っている訳では無く数日に別けています。

 ビキニカウルは裏側も塗るので、スプレーガンが取り廻せるよう隙間を開けるようにして固定しています。

 ラジエターカバーはフチまで塗れるようにしつつ一番目立つ面が綺麗に塗れるよう地面と水平にしてセットします。

 ネックカバーもフチが塗れるよう一回り小さいサイズにカットした段ボールを内側に貼り付け、バランスが取れる中心位置にボール紙の棒を固定します。

塗る時はこの棒を左手で持って右手でスプレーします。

 色は本来であればボディカラーの カラーコード「DH」の配合データから塗料を作りますが、前回色を確認した時に黒の原色の一つであるMIX854を単体で使うのが見本に一番近かった為、今回もそちらを採用しています。前回ご依頼頂いて塗った物はオーナー様も確認済みで良い結果も得られています。

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

 基本的にブースの天井フィルターを通ってくるエアーにはホコリは混じっていないので、出来るだけ高い位置に置けて塗れるようにすればそれだけゴミの付着は減らせます。本ブースで床を深く掘るのはその為ですね(当店は手作りのブースで床は掘っておらず奥の壁に埋め込んだ浄化装置から排出されます)。

 念入りに下地処理をしたお陰でハジキは一つもありません(そもそもうちの設備でハジキが出る事はほぼありません)。

裏側も表面同様艶々に仕上げていますが、基本的には表側がメインなのでこちらは程々となります。

この後60℃40分の熱を掛けて塗膜を硬化させ、必要に応じて磨き処理をして数日寝かしたら完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ハーレービキニカウル等塗装承ってます

harley 先日到着しておりましたハーレーのビキニカウル、ラジエターカバー左右、ネックカバー左右、合計5点となります。

尚、こちらのオーナー様は以前同ハーレーのアルミフェンダーとラジエターカバーをご依頼頂いた方で、前回の仕上りでは「綺麗に仕上げてあるので、車体に取り付けるのが勿体無く飾っておきたいくらいです。」とのお言葉も頂戴しました。この度も当店をご贔屓頂き誠に有難う御座います!

harley1 状態としては全体的に綺麗で、傷などもありませんから「足付け処理→本塗り」のみの作業と想定しています。

harley2 ただ塗膜の上に塗られたコーティング剤が良く無かったようで、パーツの一部では表面が少し白っぽくなっている物があります。

harley3 近くで見るとこんな感じで、恐らくはガラス系のコーティング剤の厚塗りが原因では、と思われます。

harley4 こちらのラジエターカバーは前回のご依頼で色見本としてお預かりした物で、色については前回採用したSTANDOX原色MIX854そのままでご指定頂いております。また前回採用した「クリスタルクリアー」も気に入って頂けたようで今回もそちらをご指定頂きました。尚、ビキニカウルについては裏側も多少なり艶が出るように表と一緒に塗装します。

harley5 こちらもコーティング被膜にクラックが生じていますが、これらは足付け処理の際にスコッチとウォッシュコンパウンドで除去しておきますのでご安心下さいませ。

それでは作業が進行しましたらまた紹介させて頂きます。改めましてこの度も当店をご贔屓頂き有難う御座います!

ハーレーアルミフロントフェンダー&FRP製ラジエターカバー塗装 完成

harley66 大変お待たせしました!ハーレー純正のアルミ製フロントフェンダーと、社外品FRP製ラジエターカバーの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

harley14フロントフェンダーは元々他店にてパウダーコート塗装が施されていた物を下地を整えて再塗装を行いました。

harley67 元々は肌の凹凸が大きいゆず肌でしたが、それらを研磨して平滑に均し、純正塗装のような肌の無い艶々になるよう仕上げています。

harley68 色に関しても現車とはちょっと違っていたようですので、今回は当店にてハーレー純正色の配合データを作成しお預かりした見本部品と色を比べて確認、さらにそれに使われている原色(MIX854)単体での使用としました。並べてみても全く色の違いは感じられないと思います。

harley69 難易度が高かったのは画像手前のラジエターカバーのラインで、山と谷のラインがうねるように組み合わさってこれを自然なラインに繋げるのに時間を費やしました。

harley70平らなラインでは無いのですが、研ぎに使う当て板は平らでなくてはなりません。昔はアール形状の当て板など色々工夫しましたが、結局それだと被塗面に当たる面積は「点」でしかないのでいつまで経ってもラインは出ないのです。

harley71 なので最初は長めの当て板で大まかなラインを作っていき、その後サイズを小さくしていって多角形を徐々に曲線に仕上げるみたいなイメージで研いでいます。最初はカクカクしたポリゴンを、データ量を増やして徐々に滑らかにし、最後にスムースシェービングするような感じですかね。

harley72 自動車やバイクはこういった逆アールのラインが多く使われていて、小僧(見習い)の頃はこういったラインをどうしても綺麗に出せず、泣きながら何度もサフェーサーを塗っては研いだ記憶があります(悔しくてです)。

harley73 フェンダーはライン自体はそのままで、元の凸凹した塗装を研いで平滑にして塗り直しています。

最初の状態も紹介しますね。

harley45 艶はあるのですが、肌が大きく凸凹しているので写り込みが良くありません。ただこういうのを気にしない(気づかない)と言う方も結構いると思いますので、一概に「再塗装が必要」と言うのはこちらでは決められないところもあります。

harley74 今回は細部までの仕上がり要求の高いご依頼でしたので撮影も多めにしました。

harley75 今回の費用は普通の方からするとちょっと詐欺みたいな金額と思われそうですが、基本的には工数(指数×作業時間)から算出となりますので、言い値で勝手に決めている訳ではありません。今回もかなり時間を掛けてはいますが、指数=レーバーレート自体は以前行っていた自動車塗装の時よりもかなり低く設定していますので結果的にはお得だと思います(以前は1時間当たり¥8,000でしたが、今はそれの半分くらいといった感じです)。

harley76 「レーバーレート」は工場の設備や立地条件などで変わり、東京・横浜だと国産車で¥7,000くらい、外国車で¥8,000くらいが相場になります。ちなみに私が最初に勤めていた会社は¥12,000で(世界一高いとアジャスター=保険調査員が言ってましてよく揉めていました)、その後のPRO_Fitはやはり相場と同じく国産車¥7,000、外国車¥8,000でした。

harley77以前の自動車塗装を行っている時にも小物の塗装はしていましたが、それは宣伝・営業的な事も含めて出来ていた事であって(その後の保険修理での入庫を見込んでと言う事です)、あのままのスタイルで小物の塗装だけと言うのは難しかったと思います。

今の工場では車を入れる事は出来ませんが、塗装の対象を小物として特化した事で固定経費を下げ、今のようなスタイルでも仕事が成り立つように出来ています。保険作業無しでSTANDOXのような塗料材料を使えるのは相当恵まれていて、これもご依頼頂ける方々がいらっしゃるお陰だと思います。

それでは後程完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

ハーレーフェンダー&ラジエターカバー 本塗り

harley53 先日二度目のサフェーサーを塗布しておいたハーレー用の社外品FRP製ラジエターカバーです。

全体に黒をパラパラとスプレーしてそれを研ぎの目安とし(ガイドコート)、まずは#320の空研ぎでラインを出します。

harley54 一回目のサフェは#180→#240での空研ぎでしたが、今回はこのまま本塗りとなるので#320からのスタートで、その後当て板を小さくしたり柔らかい物に変えながら#400の空研ぎで仕上げます。

harley55 その後は#600→#800の水研ぎで、被塗面に映り込む背景を見ながらラインを整えていきます。

harley52 最後は研磨粒子が均一な足付け用副資材(アシレックス)を使ってペーパー目を均し、綺麗に清掃して本塗り準備完了です。ここまでの作業は先日までに終わらせておき、一旦保管しておきました。

harley50先に下地処理を終えていたフロントフェンダーをセットします。

harley51 吊って塗る場合はどうしてもスプレーのエアーで被塗物が揺れてしまうので、今回は天井から5方向、下側にウェイトを吊るして極力振れないよう安定させています。

harley56 ラジエターカバーは白い部分(ゲルコート)が残ると格好悪いので(装着されれば見えない筈ですが)、先にベースコートの黒を塗っておきます。

harley57 裏側に塗った黒のベースコートが乾いたら台に固定します。

harley58 フェンダーは吊るした状態で裏表全体にベースコートの黒を塗布し、さらにクリアーを塗って本塗り完了です。

harley59 色はハーレー純正色の「VIVID BLACK」(カラーコード:DH)ですが、一緒にお預かりした部品の色から確認したところ、スタンドックスの原色MIX854単体の方が近かったのでそれで対応しています。

harley60 オーナー様が気にされていた肌も良い具合に出来ていると思います。ただ今回はご希望される仕上がり具合もシビアなようですので、この後完全硬化したらフルポリッシュも行います。

harley61 少々クドイですが全方向から塗装しておきました。今回のご依頼は既に塗られた物を(恐らく一度も装着せずに)再塗装ですからね。

harley63 裏側については表とは別工程で塗る方法もあったのですが(当然その方が仕上がりは良いです)、さすがに裏側はある程度塗られていればと言う事で今回は表面と一緒に塗っています。

harley62 そして問題のFRP製ラジエターカバーです。

harley64 さすがにサフェーサーを二度打ち(2工程分)していますので、粗が出易い複合逆アールのラインも美しく表現出来ていると思います。

harley65手前の方は富士山型の末広がりですが、途中から端が山なりになってきて、最後はさらに谷ラインが消えると言う複雑な形をしています。

単に山・谷の二次元的なラインであればそんなに難しくは無いのですが、狭い範囲でこれらが融合していると普通の当て板ではどうしても角が当たってしまうので、使う当て板とペーパーを徐々に小さくしたり、エッジの当て方を工夫して表面を削ぐような感じで削っています。

この後熱を掛けて硬化させ、こちらも磨き処理を行ってからの完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!