フェラーリ３４８のサージタンクとインテークマニホールドで、一部の塗装剥がれと変色が酷いのでご依頼を頂きました。昔からお世話になっていた業者様の方で、その後独立して自身の工場をお持ちになってのご依頼となります。
手前にあるのは色見本としてお預かりしたスロットルで、最初はどちらも同じ色だった筈なのですが、経年で色が黄ばみ黒ずんでしまっています。尚スロットルは裏側で比較的綺麗な方を向けています。今回はこれに色を合わせます。
フェラーリのエンジンパーツに採用されているグレーシルバーの結晶塗装は今まで何度も施工していて、一応それのデータも取ってあるのでそれを参考にします。
既存の塗膜は殆ど密着していないので全て剥がします。
尚インマ二の方は溶剤浸け置きで塗装を剥離していて、こちらは一部オイルシール（パッキン）が残っているので溶剤は使えず、代わりにサンドブラストを使います。
旧塗膜を除去しました。
その後金属パーツはリン酸を使って化成処理を施し、よく洗浄した後にマスキングを行います。
インマ二は裏表を塗れるように台に固定しています。
そしてプライマーを塗布します。新車時の塗装では殆どの場合このプライマーが省かれているので、１０年を超えたくらいでペリペリと剥がれて来てしまいます。
インマ二は塗り易いよう、途中で裏返したりもします。しっかり固定しているので問題ありません。
結晶塗料を塗布し、140℃～170℃の熱を３０分程度掛けて硬化させます。
塗膜が硬化する過程で結晶目が出て来ます。
インマ二も同じように結晶塗装完了です。
シルバーのようでグレー色をした結晶塗装です。
その後マスキング際の処理などを行い、完成です。
元々はフィンの部分が赤く塗られていましたが、今回はこのままでOKとの事で塗りっぱなしの状態です。
インマ二は裏も表も同じように仕上がっています。
サージタンクもピカピカになりました。
一緒にお預かりした、塗装していないスロットルと合わせてみました。概ね色も結晶目も同じように出来たと思います。
結晶目を近くで見るとこんな感じです。
今回の色は元々あった色見本とは若干違ったので、こちらも色見本としてデータを残しておきました。今後「これと同じ色で！」と言うご依頼にも対応出来ますのでどうぞご利用下さいませ。
