190ベンツエンジンヘッドカバー結晶塗装 完成

 こちらもお待たせしました!メルセデスベンツ190エンジンヘッドカバーも結晶塗装の赤で完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々は結晶塗装では無く、半艶黒のような塗装が施されていました。

この型のヘッドカバーはマグネシウム寄りの為か、経年で素地に激しい腐食が発生し、塗装がボロボロになると言うのが定番となっています。

長期保管していると腐食してしまう為か、裏側にも塗装が施されています。これもボロボロと剥がれてくるので、表だけ処理をしてそのままエンジンに着けようとは思わないですよね。

なのでこちらのパーツはいつもお世話になっているブラスト屋さんにて、強力な直圧タイプのサンドブラストで表裏共処理して頂いています。

尚、バッフルプレートも塗装が着いていましたが、そちらは錆は出ていなく、折角の亜鉛メッキが取れるのは忍びなかったので溶剤浸け置きで剥がしておきました。ネジと一緒に同梱しておきましたので、ヘッドカバーの取り付けをお願いする整備屋さんなどにそちらも一緒に組み付けをお願いすると宜しいかと存じます。

 凸部は面研して光らせ、最後にクリアーを筆で塗っています。

 オイルキャップが着く当たり面はクリアーは塗らずそのままとなっています。

 今回はフィンと文字とがツライチでは無かったので、面研作業は結構大変でした(最初に気づかなかった私もどうかしていたのですが)。

最初に文字の方をある程度の所まで仕上げ、プレートをガムテープでマスキングしてフィンの部分を仕上げています。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

190ベンツヘッドカバー結晶塗装 本塗り

 こちらは先ほど紹介したロードスターとコスワースのヘッドカバーと一緒にご依頼頂いた190ベンツのヘッドカバーです。

ただしこの部品は他のアルミ製と違ってマグネシウム分が多く(?)非常に腐食し易い&再発し易い為、他の部品とは下地処理作業が大きく異なります。

 コスワースのヘッドカバーは軽めのサンドブラストなので当店で作業しましたが、こちらはいつもお世話になっているブラスト屋さんにて強力な直圧ブラストにて作業して頂きました。旧塗膜は勿論、酸化した腐食も根こそぎ削り落として貰っています。

 素地がささくれたリして凸凹している箇所はダブルアクションサンダー#80で均し、全体をシンナーで洗い流すようにして脱脂洗浄をしてあります。

 ちなみにウッカリしていたのですが、今回のヘッドカバーはどうやら文字の部分がプレート貼付けになっていたようです。通常の凸文字は本体と一体で、しかも「2.5-16」ですよね。

 プライマーは耐蝕性がすこぶる高い浸透型エポキシプライマーを使用し、先ほどのプレートの隙間や腐食してささくれた巣穴などに筆を使って奥まで流し込みます。

この後一旦100℃くらいの熱を掛け、続けて結晶塗装を行います。

 素地がガタガタなので艶が出ると非常に汚く見えますが、結晶塗装ではこういった粗を目立たなくしてくれる効果がある為、鋳造製品などのヘッドカバーに採用されるようになりました(多分)。

 マグネシウムは肉が薄いので熱の周りも早く、うっかりしていると180℃を超えてしまったりもするので少し遠めに焼くようにしています。

熱を入れている際、プレートの隙間に残った空気が膨張して大きな膨れが発生したりしますので(塗装屋さんなら判りますよね)、これの対応策としては傍に立って針を使って(実際はスピナール)虱潰しに潰していきます。膨れて破裂すると跡が残りますが、出来始めの時に潰してあげれば塗装屋さんが見ても判らない程に抑えられます。難点としては赤外線で目をやられます(苦)。

いつもはこの後恒温機でまとめて熱を入れますが、今回は上手くローテーションを行ってどれも140℃30分以上の熱を掛けられたので一度焼きのみでOKです。この後凸部を研磨して素地を光らせ、クリアーを筆で塗ってさらにそれが硬化したら完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ヘッドカバー関係 下準備

 少し前にお預かりしておりましたTOYOTA2000GTのヘッドカバーです。剥離には剥離剤では無く、使わなくなった溶剤(廃棄シンナー)をタンクに貯めてそこに被塗物を浸け置きしていて、ただこの場合は剥離剤程威力が無いので時間が掛かる事(二週間くらい)、またそれだけでは綺麗に剥がれてくれないのでワイヤーブラシなどを使って擦ってあげる必要があります。

新品だったコスワースのヘッドカバーも綺麗に剥がしました。

この方法だと少々手間は掛かりますが、剥離剤を使った時のように嫌な廃棄物が出ないので私的に気に入っています。

こちらは190Eベンツのヘッドカバーです。マグネシウム分が多い素材で非常に腐食し易いので、こちらはブラスト屋さんにて直圧ブラストを掛けて貰い、先日到着していました。乾燥材も一緒に入れてくれているので準備が出来るまでは開けないでこのまま保管しておきます。

コスワースのヘッドカバーは輝きが異常だったので、一応全体に軽くサンドブラストを掛けておく事にしました。

この後さらにリン酸処理を行ってからの塗装となります。

結晶塗装関連の部品は現在20個を超えておりまして(結晶塗装は業者様からのが多くこちらでは紹介しておりません)、新たなご依頼に関しては3ヶ月程とかなり長い納期が予想されます。ご迷惑をお掛けして申し訳御座いませんが何卒ご了承頂ければと思います。

それではまた作業進行しましたら紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

ロードスター・COSWORTH・ベンツヘッドカバー結晶塗装承ってます

road245 先日到着しておりましたメルセデスベンツ190エンジンヘッドカバー、コスワース(ロータスでしょうか)のヘッドカバー、そしてロードスターのヘッドカバーです。3点共に同じオーナー様となります。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

road246結晶塗装は3点とも全て鮮やかな赤(イタリアンレッド)でご指定頂いておりまして、こちらのロードスターは状態が良いので下地作業はリン酸処理とプライマー塗装、凸文字は塗装後に面研して光らせます。

cosworth コスワースのヘッドカバーも状態が良く、現状はつや消し(または半艶)の黒が塗られていますが、一旦剥離してからロードスターと同じように作業を行います。

以前同じ部品を施工していますのでそちらも紹介しますね。

cosworth1調べてみたら7年前に塗装した物で、こちらは元々ゴールドだった模様です。オイルキャップ部分が溶接して埋められているので、ドライサンプ化しているのでは?といったコメントがありました。

benz282 そしてこちらはメルセデス190のヘッドカバーです。

benz283 こちらもW124のヘッドカバーと同様、素材がマグネシウム(寄り)なので経年で腐食が激しく発生するのが特徴です。塗料が垂れているように見えますがそうでは無く、浮いて中が空洞になっています。

こちらは剥離して塗る直すだけでは早い段階で腐食が再発しますので(半年くらいで出るかもといったレベルです)、いつもお世話になっているブラスト専門ショップさんに強力な直圧ブラストをお願いして腐食を根こそぎ削り落として貰い、その後浸透型エポキシプライマーを使っての重防錆仕様とします。

benz284尚オーナー様が裏側の処理を気にされていましたが、こちらのヘッドカバーについては表面と同様に裏側もブラスト処理を行います(ブラスト屋さんに行って頂きます)。既に何かしら作業した跡があるのでオーナー様はお察しだと思いますが、このヘッドカバーは裏側も塗装がしてあって、それもペリペリと剥がれて来るのでとても厄介なんですよね。

尚、裏側にはプライマーは塗りませんが(装着していればオイル漬けになるので大丈夫だと思います)、ご希望される方には裏側へのエポキシプライマー塗装も対応しています。装着しないで飾るもしくは長期保存したい場合は新品時と同様にプライマーの塗装をお勧め致します。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

ベンツヘッドカバ-×2 結晶塗装 完成

benz111大変お待たせしました!ベンツのヘッドカバー二個、結晶塗装のオレンジ&ブルーで完成となります。

benz112 元々一個は飾っておいたとの事ですから今回のもどちらか一個は以前と同じく飾っておくのかも知れませんね。ちなみに素地が露出している部分にはクリアーを筆で塗っていますが、本来塗るべきプライマーとは違いますので出来れば時々ワックスなどを塗ってあげると宜しいかと存じます。要は「酸化」を止めれば輝きは持続しますんどえ。

benz113 青い方は元々赤の結晶塗装に塗られていた物です。こちらの方が程度は良く腐食(侵食)も少なくはありました。

benz114オイルキャップの部分は以前はマスキングしてから塗っていましたが、途中からキャップと当たる部分は凸部分だけだと判ったのでここはマスキングせずに一旦一緒に塗ってしまい、最後にキャップとの当たり面だけを面研する事にしました。この方が綺麗だし格好良いですよね(キャップ付けたら見えませんが・・・)。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!