Titan Eyeglasses

 グレー色に塗装されたチタン製のメガネフレームのフロント部分です。

 こちらのフレームをタミヤの「オリーブドラブ2」の色にとご依頼を承りました。

パッと見はそんなにイメージが違うと言う訳では無く、それでも敢えて塗装をご依頼頂くと言う事は、今回の色にかなり拘りを持っていると言う事が見受けられます。

 まずは実際にタミヤの缶スプレーを使い、色板に色を塗ってみます。

 最終的にはメガネフレームをこの色にします。

まずは手持ちの色見本帳にそれらしい色が無いかを探してみます。

 この辺りの色が近そうだと言う事で、

少し内容を変更し、実際に色を作製してみます。

 ただやはりと言うか微妙に色味は違うので、

その後微調整を行いながら、タミヤのオリーブドラブ2に近い色を作製します。

 色が出来たら、メガネフレームにサンドブラストを掛けて旧塗膜を剥離します。

サンドブラストにより金属素地が荒らされ、この後のプライマーの密着性も高まります(アンカー効果)。

よく脱脂清掃をし、

プライマーを塗布します。

作成した色(ベースコート)を塗布し、艶消しクリアーを塗ります。

また今後の為、色見本も作製しておきます。

時間が経つとクリアーの艶が消えていきます。

この後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、さらに数日寝かしたら完成となります。

下に敷いているのは最初に作製した、タミヤの缶スプレーを塗った色板です。

艶消しクリアーは2液ウレタン製の物で、強度は自動車ボディの塗膜と同様の物とお考え頂ければと思います。

その後メガネ屋さんにてレンズの取り付けも完了したようで、オーナー様からは画像とコメントも頂きました。わざわざ有難う御座いました!

チタンメガネフレーム塗装 完成

 大変お待たせしました!チタン製のメガネフレームフロント部の塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々はグレーの艶消しに塗装がしてあって、

見本として一緒にお預かりしたこちらのタミヤカラーの「オリーブドラブ」(Ⅱ)を参考にとご依頼を頂きました。

下に敷いているのがタミヤのオリーブドラブ(Ⅱ)で、こうやって見比べると色の違いが判ると思います。

 そして再び完成後の画像です。

 下が白だとコントラストが効いて黒っぽく見えますが、後程判り易いように撮影していますので色味についてはそちらをご参考下さいませ。

 レンズの取り付けはナイロール(ナイロン糸)なので、穴や溝などを塗料で埋めない様その辺りの膜厚は控えめにしています。また旧塗膜はサンドブラストで除去しています。

 最初に作ったタミヤカラーの色板は、途中の色確認の時に汚してしまったので、新たにもう一枚作成しました。

改めて説明しますと、下に敷いているのがタミヤカラーで、奥にある半分になった色見本(のミニカー)が同じタミヤカラーです。仕様は1コートで、いわゆるラッカー塗装です。

そして手前にある色見本のミニカーとメガネが同じ色で、それぞれ同じ仕様の2コートの艶消しウレタンクリアー仕様です。

こうやって見比べてみるとメガネの色と奥にある色見本(タミヤカラー)が同じ色に見えますが、これは見る角度や環境・条件によって色が違って見えるフリップフロップ性による物です。実際は手前の色見本とメガネが同じ色となります。

先日「比色」について社外記に記事を書いたのですが、その後同じスタンドックスユーザーの方から貴重な情報を頂いたり、またその後スタンドックスのデモマンの方とも色々話をしました。

デモマンの方が言うにはやはり艶消しの色合わせは相当難しく、一時期AMGなどでも出たのでその時は対応に追われたらしいのですが、今は殆ど車体で使われる事が無くなったからか本腰は入れていないようでした(そういった話題や要望も無いようです)。また先日紹介したアクワイヤー(多角型分光測色機)では艶消しには対応していないとの回答も頂きまして、期待していただけにちょっと残念です(わざわざメーカーにも確認して頂けたようで、ただ実際に使っている方からのアドバイスもいただいていますので引き続き検討はしています)。

尚、今回は同じ色(ベースコート)で艶ありクリアーを塗った仕様も作っていますので、後日そちらも出来上がり次第検証して紹介したいと思います。

それでは日程完成のお知らせメールを差し上げますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座いました!

メガネチタンフレームフロント 本塗り

 先日色の確認を行っていたチタン製のメガネフレームフロント用の塗料です。取り敢えずある程度見当をつけた配合データから色を作成してみました。

 そこからさらに3色追加して、原色8種類を使って色を修正しました。

 今回は厳密な調色では無く「簡易的な色の作成」となる為、スプレーガンは使用せず、予め色見本のタミヤ缶スプレーで塗った色板に作った塗料を垂らして色を確認~修正しています。ちなみに艶の無いままだと色は見えないので、シリコンオフを垂らして艶を出しています。

実はここまでやるつもりも無かったのですが、色がオリーブドラブ(国防色)であれば今後も使う機会がありそうだった為、当方としても配合データが欲しかったという事で少し手間をかけています。

一応出来上がった配合データとしては、

ブリリアントイエロー MIX575   16.8
ブラック       MIX563     6.6
オーカー       MIX574     8.7
ホワイト       MIX570     4.0
バイオレット     MIX569     5.4
カッパートナー    MIX582     3.9
エメラルド      MIX573     1.2
ゴールドイエロートナーMIX581     1.2

といった内容となります。

ただし使った分元の色が減っている筈なので、足す分の数値は少し多めにしてあって、その辺である程度誤差は出来ている筈です。

本来はこうやって出来上がったデータで一から色を作り直し、またそこから修正、そしてまた捨てて新たに作るといった繰り返しで精度を高めていきます。ただしコストが掛かるので現実的ではありません。

 先日塗っておいたプライマーは表面を軽く研いでおき、十分に脱脂清掃を行います。

 また今回は今後の為に、同じベースコートで艶消し・艶ありの二種類を作って比べられるようにします。

(いずれSTANDOX原色全てを使ってこの仕様を作る予定です)。

 先ほど作ったベースコートを塗り、艶消しクリアーを塗ったら本塗り完了です。

 こちらも一方はメガネフレームと同じように、もう一個は後日艶有りクリアーを塗る時に一緒に塗らせて貰います。

 その後一時間程自然乾燥をさせた状態です。 艶が消えているのが判ると思います。

ただし今回は日常的に使用するメガネフレームなので、クリアー層(艶消し)が擦り切れたりしないよう、しっかりとウェットに2コート塗っておきました。場所によっては少し半艶っぽく見えるかも知れません。

 同じように塗った色見本も艶が消えています。

さらに今回はもう一個色見本を用意し、タミヤの缶スプレーでも塗ってみました。手前のがそうです。

見比べてみると、もう少しイエローを入れて明るくしたい所でしたが、この辺はやはり実際にスプレーしてみないと(またクリアーも塗って見ないと)判らないところですかね。

それでは完成後に改めて紹介したいと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

サンドブラスト作業

 先日お預かりしておりましたトヨタ86の樹脂製インテークマニホールドです。本日より作業着手しておりますのでご安心下さいませ。

 まずは各部を養生(マスキング)します。ちなみにこれはサンドブラスト用で、本塗りの時にはもっとキッチリと貼り直します。

 ブラストキャビネット(箱)に入れ、

専用のガンで 箱の底にある砂(アルミナなどの研磨粒子)を吸い上げ、対象物に当てていきます。イメージとしてはペーパー(研磨紙)に塗着される前の研磨粒子を、凄い勢いで当てていくような感じです。

当店にあるのは吸い上げ式で、直圧ブラストに比べると比較的威力は弱いですが(主に足付け処理用です)、それでも露出した肌に当てると怪我をするレベルです。時々自家塗装なので野っぱらでやっているような光景を見ますが、ちょっと信じられないです(恐)。

 続けてロードスターのヘッドカバーです。ポリッシュされていてパッと見は綺麗なのですが、凹み文字部など磨き難い部分には腐食が出ています。

 と言う訳でブラスト作業完了です。ちなみにホースパイプ部にも腐食が出ていたのでそこにもブラストを当て、本塗り前にプライマーと艶消し黒を塗っておきます。

 そして先日色の確認を終えていたチタン製のメガネフレームフロント部です。こちらは塗装の剥離と同時に足付け処理も行います。

ちなみにですが、金属(に限らず塗膜も)艶々したまま塗ると以下のような事になります。

メガネチタンフレーム塗装 完成

 サンドブラスト処理後、シンナーで洗い流すようにして脱脂清掃を行いました。続けてプライマー塗装の準備も行います。

鼻当ての部分は予備用のネジを挿し込み、ネジ山が埋まらないようにしておきます。

 早速台にセットして、

プライマーも塗っておきました。

それではそれぞれまた作業進行しましたら紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

チタンメガネフレーム 色確認

先日お預かりしておりましたチタン製のメガネフレームのフロント部になります。

大変長らくお待たせしておりましたが、本日より作業着手しておりますのでどうぞご安心下さいませ。

 ご依頼内容はこちらのタミヤ缶スプレーのオリーブドラブの色で承っておりまして、まずは色の確認の為に色板に塗装します。

ちなみにこちらの色板は単なる厚紙で、以前当店にご依頼頂いたお客様がご近所に住んでいて、仕事で遣わなくなった物を頂いてハサミで小さくカットして使っています。それ専用の物も各メーカーから販売されていますが、小物塗装ではリッチ過ぎるアイテムなので使えません(苦)。

 と言う訳で、メガネフレームの色と今回のタミヤとの色を比べてみました。

メガネ単体で見ると「十分それっぽい」と思いましたが、こうやって見比べてみるとその違いが良く判ります。そもそも色のニュートラルと言うのは何を基準にするのか難しく(少なくとも私には判りません)、なので塗装の仕事をする上ではこういった「比色」が重要になります。

 と言う訳で、今回も艶消しの色見本が多い、北米仕様のSTANDOX色見本帳を使ってみる事にしました。

 こちらの色見本帳には特殊車両や内装部品などに使われている色が多くある為、今回のような特殊な色を探すのには丁度良いのです(と気軽に考えていました・・・)。

 色々見ていって、私的にかなり惹かれる色がとても多いのですが、実はグリーン系が少ない事に気が付きました・・・。

 やっと見つけたと思ったら、全然違う色とか・・・(苦)。見本の方が緑味(青味)が強くて、タミヤの色が黄色にしか見えません(まさに比色とはこういう物です)。

 他にやっと見つけたと思ったらこんな感じで、もう一から作った方が断然早いです。

 という事ですが、まあまあ使えそうな色を発見しました。

ちなみに色見本に空いている穴は、それぞれの色を重ねて見る為の物です。

実際にやってみると・・・

 こんな感じでさらにショックを受けます(と言うくらい色が違います)。

と言う事ですが、出来ればデータを残したいとも考えていますので、取り敢えず先ほどの色(GENERAL MOTORS CEDAR GREEN(カラーコード:722H )の配合データを基に、青黒味を抑えてて黄色味を増やした配合に修正しておきました。

後日これで実際に作ってみて、大丈夫そうならそのまま、修正が必要そうだったら配合データは諦めて「5分以内の簡易的な色の作成」の方法で色を作ろうと思います。

次はサンドブラストで既存の塗膜を剥がす作業で、その他トヨタ86の樹脂製インマニやロードスターのヘッドカバー、その他は某大学機関からのご依頼品なども平行して作業を行います。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!