液晶モニター&リモコンスイッチ 本塗り

 先日下準備を行っていた車載用液晶モニターのカバーパネル類とリモコンスイッチです。

 最終脱脂を行い、プラスチックプライマーを塗ったら本塗り開始です。

 ちなみに殆どの部品はサラっとしたABS樹脂製ですが、こちらのみヌメリ感を感じますので、恐らくはPP(ポリプロピレン)かと思います。

 元々はグレーだったようですが、外面は色褪せてベージュのようになっています。

 まずはベースコートを塗布します。色はGeneral Motorsの「Dark Beige」(カラーコード:64DN)の配合データから作成し、それを基に調整しています。色の作成についてはこちらの記事で紹介しておりますので宜しければご参照下さいませ。

尚、画像手前の部品は色見本として一緒にお預りした物で、一応クリアーを塗る前に確認をしておきました。

 こちらはリモコンスイッチです。表面はペーパーを掛けましたがプリントされた文字は簡単には取れなかった為、無理に削るのは避けて足付け処理のみに留めています。

 プラスチックプライマー塗装後、黒のベースコートを塗布しました。

ベースコートが十分に乾いたら、工場の二階に移動してデカールの貼り付けを行います。

 予め作成しておいた型を使ってデカールを元の位置に貼り付けました。

 同じくリモコンスイッチも、

 こんな感じでデカールの貼り付けが完了です。

大抵はここまでを午前中に行うようにして、デカール(またはベースコート)を乾燥させている間に昼食休憩を取るというような感じとなります(なので昼食が17時になるという事もあります)。

 そして最後に艶消しクリアーを塗って本塗り完了です。大変長らくお待たせ致しました!

元々あるシボ模様を埋めないよう、クリアーはいつもより控えめに塗っています。

どの部品に関しても「指定個所以外はそのまま塗って構わない」との事でしたが、どうにも気持ちが悪いので一応各部マスキングをしています。

 シボ模様も良い具体に残せたと思います。

 割れていた個所や端の抉った跡なども目立たなくなっているかと思います。

 デカールはシボ模様も綺麗に残し、オリジナルな感じに出来たと思います。

 リモコンボタンも同じく艶消しクリアーを塗って仕上げます。

この後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、さらに数日寝かしたら完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

液晶モニター&リモコンスイッチ 下準備

 先日ロゴデータとデカールを作製しておいた、車載モニターのカバーパネルとリモコンスイッチ2個です。

 表面のシボ模様はそのまま活かすので、ナイロンブラシとシリコンオフで細部を清掃、#1300相当の布状研磨副資材(アシレックスオレンジ)を使って足付け処理を行います。

 格子の裏側には布が貼ってあったりするので、今回は下地処理を余り派手には行わず、脱脂に重点を置いて細部は密着剤を併用するようにします。

 また一部に亀裂があったので、

 構造用エポキシ接着剤(3Mオフホワイト)を使って固定しておきました。

 固まった後に軽くペーパーで研磨しておきます。

またその他ピックツールで抉ったような個所もあったので、そちらはパテを詰めて目立たないようにしておきます。

 脱脂清掃後、工場の二階に移動してマスキング作業を行います(画像の順番が違いますがイメージし易いようにしていますので気にされなくて大丈夫です)。

 こういったシールも残すよう承っておりますので、

 サイズを計測してIllustratorでデータを作製し、カッティングプロッターを使ってマスキングシートを切り出します。

 先にマスキングテープを貼ってから余分をカッターでカットと言う方法もありますが、溝がしっかりしていないと難しいのと、フリーハンドだと角のアールが綺麗に切れないので、時間があれば今回のような方法の方が綺麗に出来ます。何より被塗物に傷を付ける危険が無いので安心です。

 多少長さが違っても二枚を重ねたりすれば良いのでそんなに手間ではありません。

 この辺りの金属部分もマスキングで承っています。金具部分のカバーにも一部欠けなどが見受けられますので、外そうとは試みたようですが割れる危険があるのでマスキングで、と言う流れになったのだと思います。貼れる隙間が狭いので1ミリ幅のマスキングテープなどを使っています。

 フリーハンドで綺麗な円を切り取るのは難しいですが、これも径を測ってデータを作り、機械に切って貰えれば簡単です。いずれAIが進化すれば J.A.R.V.I.S.みたいに声を掛けるだけで切り取ってくれる時代が来るのではと(まあ今でも十分過ぎる程助かっていますが)。

 と言う感じでマスキング作業が完了です。

また今回はこちらの「PUSH」のロゴの再現も承っておりますので(画像は作業前の物です)、

先日作成したデカールを使い(こちらも画像は先日の物です)、

透明なフィルムを貼って位置が判るよう目印をつけ、元々あったPUSHの文字の上にデカールを貼り付けます。さらに剥がれないよう、その上からも透明なフィルムを貼り付けます。

さらに裏側にも透明なフィルムを貼り、元位置が簡単に判る転写シートの完成です。

本塗り時にはPUSHのロゴが消えてしまいますが、これがあれば簡単に元の位置にデカールを貼り付けられると言う寸法です。先日作成したインプレッサ内装パネルの照度マークと同じ方法で、ノギスで測るよりも簡単&正確に出来ます。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!