NBロードスターヘッドカバー 結晶塗装 完成

 大変お待たせしました!NBロードスターのヘッドカバーと可変バルブ機構のパーツ塗装&凹み文字部のマスキング&塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々新品だったパーツを洗浄→リン酸処理→プライマー塗装を行い、

今回はパテで作ったマスク型を詰めて「凹み文字部をシルバーに塗装」と言う新たな工法に挑みました。

結果としては半々で、結局最後には凹み文字部をもう一度塗り直すと言う事になりましたが、今までに無い仕様のヘッドカバーは出来ました。

 凹み文字部に塗ったシルバーと、ヘッドカバー上に着く可変バルブ機構のパーツは同じシルバーを使っています。

 今回シルバーに使ったMIX818はメタリック粒子が細かく輝きは強いので、パッと見はアルミ素地にしか見えないと思います(ただしアルミ素地のように経年で腐食は出ません)。

 ネジは着けていないので上に置いただけです。

 ちなみにこちら側はアルミでは無く鉄でした。

 いつもは凹み文字の中も一緒に結晶塗装を行って、後でそこだけ着色すると言う方法でしたが、今回は凹み文字の中に結晶目が無いので不思議な感じです。

 一見すると簡単そうに見えるのですが、厚塗りしないとはっきりとした結晶目が出ない結晶塗装だとこれはかなり難儀と言うかハイリスクな仕様となります。

 本当ならシルバーには塗らず「アルミ素地のまま」ならもっと簡単なのですが(全然簡単では無いのですが今回に比べれば3倍くらい楽です)、鋳造アルミ製品の特性上、経年でアルミ素地が黒ずんで新車の頃のような輝きが無くなってしまうと言う事もあり、素地調整(今回はリン酸処理)とプライマーの塗装を行って色を塗っています。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

NBロードスターヘッドカバー 凹み文字部塗装 修正

 先日文字部のシルバー塗装&赤の結晶塗装を行っていたNBロードスターのヘッドカバーです。その後2度焼きを行い、凹み文字部に詰めていたパテ製マスク型を取り外しました。

 本塗り時はそれなりにエアー圧も掛けて塗っている為、ちょっとした隙間から色は入り込んでしまいます。まあこの辺りはある程度予想をしていたので特に問題はありません。

 凹み文字部を残し、ヘッドカバー全体を養生します。

 上下左右のラインに合わせてマスキングし、

 さらに文字を部分的にマスキングをしてシルバー(STANDOX MIX818)を塗ります。

画像は一番右の「E」の部分で、一度に全部を塗らず、マスキングし易いように分割して塗っています。

先程の「E」の、真ん中を塗っている所です。

 その後下段を塗り、このようにして一文字ずつ修正していきます。

 「V」も二回に分ければそんなに手間ではありません。

 これを全ての文字に繰り返していきます。上の画像は一番左の「D」まで塗り終わったところですね。

 上段のMAZDAのロゴも同じように

 こんな感じでネチネチと繰り返し、

完成です。

ベースコート(シルバー)については直接硬化剤を入れてあるので、もう一度熱を掛けて数日寝かしたら完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

NBロードスターヘッドカバー 本塗り

 先日凹み文字のマスク型を作製しておいたNBロードスターのヘッドカバーと、その上に装着される可変バルブ機構のパーツ3点、全4部品です。

マスキングを行い、いよいよ本塗りです。

 まずはプラグホールも含め全体にプライマーを塗布します。

 同じく可変バルブ機構のパーツも。

 続けてプラグホール部にベースコートの黒を塗布し、

乾いたらマスキングをします。

そして凹み文字部にベースコートのシルバーを塗布します。今回はMIX818を使いました。比較的隠ぺい力が高く金属感もあるSTANDOXの高輝度メタリックな原色です。

 同じく可変バルブ機構のパーツにもMIX818のシルバーを塗布します。クリアーは塗らないのでベースコートに直接硬化剤を数%添加しています。

 これでアルミ素地が経年で黒ずむのも防げたと思います。

 そしてシルバーが乾いたらパテで作成したマスク型を嵌め込みます。結晶塗装はタップリ塗るので隙間が塗料で埋まらないよう少し浮かせた状態にしています。

 そして本塗り完了です。ウェットに8コート程を一気に塗り重ねています。

 文字部を浮かせる事で出来た壁にスプレーのエアーはそこで吹き返され、結果谷の部分に塗料が溜まり難くなります。ちなみにハイフンの部分は浮かせが甘くて継ぎ目が埋まり気味です。

 その後140℃程の熱を20分程掛け、結晶目が出た状態です。本焼き(強制乾燥)はこの後もう一度140℃20分程掛けます。

 やはりと言うか「-」(ハイフン)の部分は埋まってしまいました(結果から言うと大丈夫でしたのでご安心下さいませ)。

本当はマスク型をピッタリと嵌め込み、塗装直後にこれらを取り外し~回収出来れば良いのですが、意外とピッタリ嵌ってしまうので簡単に取り外す事が出来ません。間違えて塗膜に触れてしまったり落としてしまうとそれこそ最初からやり直し(固まる前に溶剤槽に浸けて全部洗い流します)になってしまうので、今回はこのようにマスク型を少し浮かした状態で挑んでみました。

ある程度の修正は必要ですが良い具合に出来ていそうですので、作業進行しましたらまた改めて紹介したいと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

NBロードスターヘッドカバー 凹み文字部マスク型作成

 先日よりお預かりしておりますNBロードスターのヘッドカバーとカローラフィールダーのヘッドカバーです。どちら新品で、全体的に油分が凄かったので一旦シンナーで洗い流して脱脂洗浄をしてあります。

ヘッドカバー本体はどちらも「結晶塗装」なのですが、こちらのロードスターの凹み文字部には結晶塗装は塗らず、ヘッドカバー上部に着く可変バルブ機構と共に艶消しのシルバーで承っています。

今までは凹み文字も含めて全体に結晶塗装を施していましたが、今回はこの凹み文字部には結晶塗装をしないという事で一気に難易度が上がります。

 と言う事で考えたのが以前フェラーリのリモコンキーの跳ね馬部分のマスキングで使った熱可塑性の樹脂で、熱湯に浸けて柔らかくした物を、

 こんな風に凹み文字部に埋めます。予想通り上手くは行きました。

が!

 結晶塗装は塗装直後に140℃程の熱を掛ける為、それを想定してドライヤーで熱を掛けてみると、やはりと言うか100℃くらいでフチが丸まって来てしまいます。これだと結晶塗装が隙間に入り込んで取り返しのつかない事態に成り兼ねません(まあ大体予想はしていましたが)。

 と言う訳でB案です。

凹み文字部の周りをマスキングし、

 文字の窪みに離型剤を塗ります。

そしてポリパテを押し込むようにして窪みに充填し、

 固まったら表面を削ります。

ただこのパテが予想以上に食いついてしまった為(そう言う特徴のパテな為)、一つ一つを取り出すのに一苦労でした。

 なのでこちらは削る前に一旦外して取れ易いようにし、再び元の位置に戻して削る事にしました。

 その後削って隙間にエアーを入れるとパカっと外れます。

と言う訳でこんな感じでマスク型が出来ました。

ただ取り外す時にエアーブローの勢い余って「-」(ハイフン)が飛んで行ってしまい、探しても見つからなそうなので

こちらだけ再度作り直す事にしました。

同じようなミスはしないよう、先に一旦外して元に戻してから削ろうと思います。

また出来上がったマスク型はそのままだとピッタリ過ぎてまた抜けなくなってしまう為、少し周りを削って入り易く&取り易いようにしておく予定です。

ロードスターのヘッドカバーは凹み文字部に離型剤を塗ってしまったので、もう一度シンナーで洗い流すようにして脱脂清掃をしておく予定です。

どうぞもう少々お待ちくださいませ!

NBロードスターヘッドカバー結晶塗装承ってます

先日到着しておりましたNBロードスターのヘッドカバーとそれに着く可変バルブ機構のパーツです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容は、本体を以下ページにあるような鮮やかな赤の結晶塗装に、

ロードスターヘッドカバー 結晶塗装 完成

そして可変バルブ機構のパーツはパイプ以外の部位を艶消しのシルバー(クリアーを塗らない【激安コース】仕様)で承っております。

以下ページに同型部品の施工例がありますので宜しければご参照くださいませ。

NB2 Roadster Engine cover

 さらに今回は凹み文字部分の塗装もご依頼頂いておりまして、通常こちらは結晶塗装後に上から色を重ねますが、今回は先ほどの可変バルブ機構のパーツと同じくアルミ素地にシルバー(同じくクリアーを塗らない艶消し)を塗装します。勿論その間にはリン酸処理とプライマーの塗装を行います。

凹み文字のマスキングについては一応検討をつけていて、以前フェラーリのキーカバーで行った熱可塑性樹脂を埋め込む方法で挑んでみようと思います。

以下ページに作業詳細を紹介しておりますので宜しければご参照くださいませ。

http://pro-fit.ne.jp/wordpress2013/wordpress/2017/07/13/%E5%87%B9%E3%81%BF%E9%83%A8%E3%81%AE%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0/

ただし結晶塗装の場合は塗装直後に140℃程の熱を掛ける為、80℃程で変形する樹脂粘土が果たして耐えられるか、と言う点が少し心配でもあります。

もしくは凹み文字部に離型剤を塗って液状の樹脂をそのまま流し込む→固まったら取り外してそれをマスク型に使うと言う方法も出来るのでは?、と考えています。固まると数パーセントの収縮率があるリゴラックなら多分丁度良いと思うのですよね。何にしてもまずは先にそれらのテストを行いたいと思います。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!