NCロードスター樹脂製ヘッドカバー塗装 完成

先日本塗りを終えていたマツダNCロードスターの樹脂製エンジンカバーです。その後恒温機で120℃30分程の2度焼きを行っておきました。

通常のアルミ素材であれば結晶塗装後に凸文字部を削って光らせる事が出来ますが、今回のようにプラスチック素材で色が黒だとそうは出来ないので、先にシルバーを塗ってから凸文字の天面部をマスキングして結晶塗装を行う方法にしています。

それ故に多少なり仕上りが悪くなってしまう場合があるので、最後に細部を修正します。例えば上の画像だと「C」の左上の部分ですね。

結晶塗装された部分はマスキングテープがくっ付かないので、この場合はガムテープで貼り付けます。

その後凸文字の周り(山のライン)でマスキングをします。

一度に全部を塗ろうとすると大変なので、一文字ずつ虱潰しに塗り直していきます。面倒臭そうに見えますが、塗る箇所が一個ずつ分割されているので一度に塗る範囲も少量で済みますから対応のしようはあるので助かります。

普通のエアーブラシだと塗料が出過ぎるので、口径0.3mmのエアーブラシを使用します。

ただ小さいからといってドライコートで塗ると表面が荒れて傷が付き易い塗膜になってしまうので、揮発速度の遅いシンナーを使って塗料が馴染むよう=ザラつかないようにスプレーします。

そして完成です。大変お待たせしました!

最初の状態も紹介します。

元々は何も塗られていない未塗装の黒樹脂素地の状態で、

ただしそのまま塗ると経年で塗装が剥がれてしまうので、

素地調整(足付け処理)として全体にサンドブラストを行ってからの上塗り=結晶塗装としています。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

ぱっと見は黒の結晶塗装に見えますが、ブルーパールを入れているので光に当たるとフワっとした青味を感じられます(ただ言われても判らないレベルかも知れませんが・・・)。

画像では付属品(ボルト類)が着いていない状態ですが、梱包前に装着して元の状態にしてありますのでご安心くださいませ。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

NCロードスター樹脂製ヘッドカバー 本塗り

 先日サンドブラストを行っておいたマツダNCロードスターの樹脂製ヘッドカバーです。

よくエアーブローをして、まずはプラスチックプライマーを塗布します。

入り組んだ箇所は塗料が入り難いので、エアー圧を下げてスプレー方向を変えながらしっかり塗り込みます(しかしながら塗り過ぎは逆に密着不良の原因になるのでその点に注意します)。

まずは凸文字の周りに、

高輝度シルバー=STANDOX JLM-906を塗布します。粒子が細かく輝度感の高いメタリック原色ですね。マツダのマシーングレーに使う為に日本向けに販売されている製品との事です(先日行ったオートサービスショーでスタンドックス社の方にそう聞きました)。

シルバーが乾いたら凸文字部のマスキングを行います。

元の文字ピッタリでは無く、0.5mm程食み出る感じにオフセットしています。ピッタリのサイズで貼るとフチに塗料が溜まってガタガタになってしまうからですね。

またマスキングシートは一枚だけだと溶剤に侵されてシナシナになってしまうので2重に貼っています(今回に限らず大体いつもそうしています)。

色はこの時と同様、結晶塗装用の黒原色(リンター)にパウダータイプのブルーパールを入れています。入れ過ぎると黒がグレーになってしまうのでその辺にも注意してですね。

そして全体の膜厚が均一になるよう塗布します。

ウェットで一気に6コートくらい重ねたら直ぐに熱を入れます。今回は赤外線ヒーターではなく、最初から恒温機(乾燥炉)に入れて熱を入れました。

120℃30分程の熱を掛けるとチヂレ目が発生し、塗膜が硬化(熱重合)します。

凸文字のマスキングは熱が冷める前に剥がしておきました(糊の跡が付きそうだったので)。

スプレーの仕方は「被塗面に垂直」が基本ですが、こういった歪な形状の物でそれをやるのは物理的に難しいので、手首の角度を変えつつガン距離は一定にコート毎に角度を変えながら全体の膜厚が均一になるよう意識して塗っています。

ぱっと見は黒にしか見えませんが、光に当たると青味が感じられます。

ちなみに凸文字の塗り分けは多少気になる箇所があるので、二度焼き後に細部を調整(シルバーを再塗装)しておこうと思います。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

NCロードスター樹脂製ヘッドカバー 下準備

先日お預かりしておりましたマツダNCロードスターの樹脂製ヘッドカバーです。その後アルカリ洗浄槽に浸け置きして油分を除去しておきました(こちらの製品は新品でも油分が付着しているので作業前の洗浄は必須です)。

まずは塗装前の下地作業=足付け処理として、サンドブラストを行う準備をします。各部のマスキングですね。

 

足付け処理はペーパー等で研磨して被塗面に傷をつければそれで良いのですが、今回のような歪な形状、特に「谷」のライン部はどうしても当たりが甘くなってしまうので、

複雑な形状でも被塗面を荒らしてくれるサンドブラストが有効です。

ただし通常の塗装でこれを行うと素地が荒れすぎてこの後の処理が大変になり過ぎる為、これは結晶塗装前に限ります。通常の塗装では当たりが柔らかく被塗面の摩擦熱を抑えられるウェットブラストが有効です。

その後マスキングを剥がし、よく洗浄します。

「DOHC 16-VALVE」の凸文字はシルバーで塗装する為、#600→#800→#1500の水研ぎで表面を平滑にしておきます。この後再びよく洗浄し、シリコンオフで洗い流すようにして脱脂処理を行っておきます。

凸文字部の塗り分け方法としては、先にその周辺をシルバーで塗装し、凸文字天面をマスキングして結晶塗装を行います。こちらは以前作成したデータがあるのでそちらを利用します。

一部、テープでマスキングするのは難しい箇所は、

 

その形状に合わせたデータを作成し、

レーザー加工機でアクリル板をカットし、

マスク用の蓋を作成します。PMMA=アクリル樹脂は熱に弱いですが、今回の為の使い捨てなので変形しても問題ありません。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

NCロードスター樹脂製ヘッドカバー塗装承ってます

先日到着しておりましたマツダNCロードスター用の樹脂製ヘッドカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容は結晶塗装の黒にブルーパールを入れた仕様で、

凸文字部は高輝度シルバーへの塗装で承っています。

以前施工した同じヘッドカバーの事例がありますのでそちらを紹介させて頂きます。

ロードスターヘッドカバー結晶塗装この時は赤の結晶塗装でしたが、

今回はこの時と同じ様に、黒の結晶塗装にパウダータイプのブルーパールを入れた仕様で承ってます。

アルミと違ってリン酸による化成処理が出来ない(効かない)ので、足付け処理にはサンドブラストを行う予定です。

凸文字部は通常のシルバーでは無く、より金属感の高いSPFシルバー(JLM-906)を使用予定です。

ロードスターヘッドカバー結晶塗装いつものように結晶塗装後に凸文字を削ってアルミ素地を露出させて光らせる方法は出来ないので、先にシルバーを塗り、凸文字天面部をマスキングしてから結晶塗装をするようにします。

こちらを施工したのは今から6年程前で、つい先日Twitterで現在の状態を紹介して頂きました。

今回は凸文字ですが、ロードスターのヘッドカバーでは「凹み文字」をシルバーにする仕様も事例がありますので、参考までにそちらも紹介します。

 

この時も同じく先に文字部をシルバーに塗り、予め作成したマスク型(パテ)を凹みに嵌めて結晶塗装の赤を塗っています。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

NCロードスター樹脂製ヘッドカバー結晶塗装 完成

 大変お待たせしました!NCロードスター純正の樹脂製エンジンカバーの結晶塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々未塗装だった樹脂製のヘッドカバーに、

サンドブラスト処理で足付け処理を行い、

凸文字の部分にシルバーを塗ってからマスキングをした上で結晶塗装の赤を施しました。

 塗装前に外しておいた周りのボルトは元の通りに挿し込んでおきました。

 またオイルキャップなどの付属品は洗浄した後同梱してあります。

 ヘッドカバー裏側についていたオイルシール(ゴムパッキン)は一応元に戻しておきましたが、オイル漏れ等を懸念される場合は新品に交換した方が良いかも知れません。その他付属品も特に劣化は見られなかったのでそのまま使っても大丈夫だと思いますが、一応取り付けをされるディーラ―さん等にご相談下さいませ。

 凸文字の部分には通常のシルバーよりも金属感のあるSTANDOX原色のSPFシルバー(JLM-0-6)を使っています。

 JLM-906なる原色は、メタリック粒子が非常に細かく、ヘッド(正面)が明るくてサイド(透かし)が黒いと言う特徴があります。デメリットとしては下地のペーパー目が非常に出易く、現在施工中のロータスエキシージのヘッドカバーにもこれを採用予定ですが、サフェーサーを研いでそのまま本塗りをしてもまともに仕上がる気がしなかった為、一旦クリアーを塗って下塗りとしています。

↓現在二度焼き中で、本塗りはもう少々お待ちくださいませ。

ロータスエキシージヘッドカバー 下塗り

 プラグホールなど塗装しなかった個所にはサンドブラストも当てないようにしてツルツルとした素地をそのまま残すようにしています。

今回は凸文字のシルバーを先に塗っていますが、以前施工したロータスエリーゼの樹脂製エンジンカバーのように「マスク型」を作って後からシルバーを塗る方法もあります。

↓参考までにどうぞ。

LOTUS樹脂製エンジンカバー 結晶塗装 完成

↓マスク型は社外記で紹介しました。

http://pro-fit.ne.jp/wordpress2013/wordpress/2016/09/10/lotus%E6%A8%B9%E8%84%82%E8%A3%BD%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%BC-%E5%87%B8%E6%96%87%E5%AD%97%E7%94%A8%E5%A1%97%E8%A3%85%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%AF%E4%BD%9C%E8%A3%BD/

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!