Fairlady Z S30 Engine Cover

オーナー様自らデータを作製し、ニュージーランドで作って貰ったというフェアレディZ L28エンジン用ヘッドカバーです。

凸文字は後から接着した物ではなく、ヘッドカバー一体となっています(貼り付けた物が売られているようで、当店でも剥離の際にシンナー浸け置きをしたら文字が剥がれてしまった!と言う事が何度かあります)。

状態としては新品で、ただ油っぽかったのでアルカリ洗浄槽に数日浸け置きをしておきました。

その後リン酸を使って化成処理を行いました。

巣穴が多いので、予めエポキシプライマーサーフェサーを埋め込んでおきました。

その後60℃40分程の熱を掛けて硬化させます。

その後全体にプライマーを塗布します。

ご指定を頂いたゴールドの結晶塗装を施しました。

画像は赤外線ヒーターを使って140℃~170℃程の熱を入れた状態です。

この後は恒温器に入れ、140℃の熱を掛けて二度焼きを行います。

塗膜がしっかり締まりきったら凸部を研磨してアルミ素地を光らせ、腐食の進行を遅らせられるようクリアーを塗っておきます。

その後さらに60℃40分程の熱を掛けて完成です。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

その後オーナー様より組み付け後の画像を送って頂きました。またこちらのインスタグラムでは他の画像もご覧いただけます。

この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

DATSUN 3100 Valve Cover

 お預かりした時は既にサンドブラストで処理されていて、腐食防止の為に全体に油が塗られていました。

 その後アルカリ洗浄槽に浸け置きして油を除去し、リン酸処理を行っています。

 まずはプライマーを塗布し、

 全体に結晶塗装を行い、140℃程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

結晶塗装は熱硬化型のメラミン樹脂塗料の為、規定の熱に達しないと塗膜が完全には硬化せず、十分な強度が得られません。

 その後凸部を研磨します。最初はダブルアクションダンサーを使って塗膜を除去し、

その後は当て板を使って一方向に砥ぎ付けます。

最初にダブルアクションサンダーの#80→#120を使って研磨し、その後は手研ぎで#120→#180→#240→#320→#400の順に行います。

最後にアルミ素地にクリアーを筆で塗っておきます。

 クリアーが硬化したら完成です。

 色はグレーシルバーとなります。

オーナー様からは「仕上がりに大変満足しております。」とのお言葉も頂戴致しました。

日産L型ヘッドカバー結晶塗装 完成

 大変お待たせしました!日産L型六気筒エンジン用ヘッドカバーの結晶塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々はサンドブラスト処理された未塗装品で、全体に腐食防止の油が塗ってあったのでそれらをアルカリ洗浄液の浸け置きで除去し、リン酸処理→プライマー塗装を行った上で結晶塗装を行っています。

 上面の凸部は研磨してアルミ地を光らせ、腐食の進行を遅らせる為にクリアーを筆で塗ってあります。

 色はグレーシルバーとなります。

 逆光だと黒さが強く見えますが、光にあたるとシルバーの明るさが出ているのが判ると思います。

 念の為ですが、黒と白を混ぜただけでこういった色にはなりません。

 時々明らかに塗装の業者さんと思われる方から問い合わせがあるのですが、当店は塗料の製造などはしておらず、普通に売っている物を使って塗装しているだけです。詳しくはオートサプライヤー等の塗料販売店さんにご相談下さい。

凸部の研磨は、極力角が丸まらないようエアーツールの多用は控えるようにしています(サンダー系を使うとではどうしても角が低くなって丸味が強くなってしまいます)。

 凸部を研磨する際、行き止まりの個所は非常にやり難いのですが、ヘラ等を使ってネチネチとした研ぎ作業を繰り返す事で違和感の無い仕上りに出来ていると思います。

 それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

ヘッドカバー凸部研磨

 先日結晶塗装を終えていた日産L型エンジン用ヘッドカバーです。

最後に凸部を研磨して光らせます。

 最初はダブルアクションサンダーを使って#80→#120の研磨を行い、その後は手研ぎで#120→#180→#240→#320→#400の順に行います。ペーパーは全て新品で(切れが悪いと艶が出るだけで深い傷が取れないのです)、またそれぞれの番手では「固い当て板→柔らかい当て板」で2回行っています。

最後は研磨粒子が均一なタイプの研磨副資材(アシレックス系)を使ってさらにアルミ素地を光らせます。

 また今回のように段差が違う個所にあると一度には作業が出来ないので二回に分けて行います。

 最後に露出したアルミ素地にウレタンクリアーを筆で塗ります。クリアー自体に防錆効果はありませんが、腐食の進行を遅らせる効果は期待出来ます。

 こちらはクロスカブのヘッドカバーです。文字が小さいのでサンダーを使うと削り過ぎてしまいますから、こちらは最初から手研ぎで行います。

同じ工程でHONDAのロゴを光らせ、

最後にクリアーを塗って作業完了です。

さらにもう一度熱を入れてクリアーを硬化させたら完成となります。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

日産L型ヘッドカバー結晶塗装 本塗り

 アルカリ洗浄液に浸け置きをしておいた日産L型エンジン用ヘッドカバーです。その後リン酸処理を行っておきました。

 まずは全体にプライマーを塗布し、

 続けてシルバーの結晶塗装を行い、140℃程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。先程のレヴォーグのインマニは樹脂部品だったので全体から赤外線ヒーターを当てていますが、金属製品であれば熱が伝導するのでヒーターは上側からのみで大丈夫です。

ただしこちらも時間は20分程で、後日もう一度恒温器で熱を掛けます。多分なのですが、140℃で40分熱を掛けるよりも140℃20分を二日に掛けて2回行った方がカリっと焼き上がるんですよね。今回のように凸部の研磨をする場合には塗膜がしっかり固まっていた方がやり易いのです。

二度焼き後に凸部を研磨して光らせ、露出したアルミ素地部分にはクリアーを筆で塗っておきます。尚、今回のパーツはOHCの部分が一段高くなっているので研磨は2回に分けて行います(一緒に研ごうとすると塗膜傷が付いてしまいますので)。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!