BMW M Power intake manifold ///M color③

bmw214サージタンクの方は旧塗膜の状態が良かったので総剥離は行わず、ただ小傷や肌が悪かったので結局サフェーサーは全面に塗装しています。

bmw215全体にガイドコートを行い、ヘラや当て板を使って平滑に研ぎ出します。

bmw216凸文字もある程度まで面研しておきます。

bmw268 各部をマスキングし直し、よく脱脂清掃をしたらまずはベースコートのALPIN WHITEⅢを塗布します。凸文字部もここでは一旦塗り潰してしまいます。

bmw274 そしていよいよカラーリングの塗装です。

bmw163最初に作製しておいたイラストと数値を見ながらマスキング位置を決めていきます。

bmw269 途中でカーブがある為にメジャーなどは使えず、今回は型紙を使って平行線を描く事にしました。

bmw270bmw271 bmw272 bmw273 まず左右の色を塗り、型紙をカットして塗り分けラインを決めます。

bmw275 Mカラーの各色はSTANDOXの配合データを基に作成しています。

bmw276 続けて凸文字を研磨して光らせます。

bmw277 これでベースとなるカラーリングの塗装が完了です。

bmw280bmw281 エアーブローとタッククロスで綺麗に清掃し、アルミ素地が露出した箇所に密着剤を塗布します。

bmw291 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

bmw292bmw293 各ラインはPCのソフト上で作製した物を型として使っているので、目視やフリーハンドで描く線よりもかなり正確な平行線が出せていると思います。

bmw294 裏側も艶々に仕上げました。

bmw300 その後熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、必要に応じて磨き処理を行って完成となります。

bmw303 面研してアルミ素地を光らせた凸文字は腐食の発生を遅らせる為にクリアーも一緒に塗ってあります。金属感をより出したい場合はクリアーは塗らずアルミ素地を剥き出しにした方が良くなります。

bmw304 bmw165 元々のラインは結構曲がっていて、クリアーの肌も余り良く無かったのですが、今回の塗装ではそれらも綺麗に修正出来たと思います。

bmw308bmw310 bmw311

下地処理についてはこちらのページで、ヘッドカバーの塗装についてはこちらのページで紹介しております。

BMW M Power engine cover ///M color②

bmw217に続きます。

サフェーサーが完全硬化したら全体にガイドコートを行い、小さいアクリル板にペーパーを貼ってアルミ素地のザラザラとした梨地を平滑に研ぎ出します。

最初は#320で始め、最終は#800で均します。

bmw218 凸部を#120→#180→#240まで面研しておきます。

bmw228 まず下塗りとして適当な白で下塗りとしました。クリアーも塗り、一旦ここで熱を掛けて完全硬化させます。

bmw250 さらに数日寝かしました。

bmw251 そしていよいよ本塗り準備開始です。

bmw252 凸部を再び面研します。

bmw253 下塗りとした白を足付け処理します。この時点では下地のラインは出ているので、特にコシの強いペーパーは使わず、布状の足付け処理用副資材やナイロンブラシ、ウォッシュコンパウンドなどを使います。

bmw254その後さらに数日寝かしました。

bmw267各部をマスキングします。

bmw258まずはベースカラーのALPINE WHITEⅢを塗布します。

bmw259bmw260最初の状態を確認しながらマスキングのラインを決めていきます。

bmw265それぞれ配合データから作製した色を用意します。尚一部の色はブレが強かったので少し修正しています。

bmw261凸凹した箇所に真っすぐのラインを引くのは結構難儀です。

bmw262色を塗る順番としては、隠ぺい力の弱い方から強い方へと塗り重ねていきます。

bmw263しっかりマスキングをしたつもりでも若干浮いてしまう箇所がありますので、そういった箇所を修正していきます。

bmw264こういった塗装はフリーハンドで絵を描くような塗装と違い、極力人間の手で行ったような痕跡を残さないよう、機械的な仕上がりを目指します。

bmw266これでベースコートの塗装が完了です。

bmw295 周りをマスキングし、最後の凸部面研を行います。最終は#800です。

bmw296金属を研いだ場合、酸化した黒い粉がベースコートの白に付着して取れなくなってしまう事もあるので、そういった箇所は再びベースコートを塗り直します。凸部はさらに面研します。

bmw278エアーブローとタッククロスを使って最終チェックを行い、一部のマスキングを貼り直します。

bmw279今回は面研して露出したアルミ素地にもクリアーを塗るので、その箇所には密着剤を塗っておきます。

bmw282クリアーを塗って本塗り完了です。

bmw283ラインが曲がって見えるのは形状自体が平滑では無い部分で、真上から垂直に見ると全てのラインは真っすぐ見えるようになっています。

bmw285bmw284凸部は塗装後にさらに削り出してアルミ素地を露出させる方法もありますが、今回は腐食の発生を遅らせる為に一緒にクリアーを塗っています。

bmw288艶が出ると判り易いのですが、凸文字の周りはフライス加工で一段溝が深く彫られています。

わざとなのかは分かりませんが、これも各工程で少々厄介でした。

bmw300その後熱を掛けて塗膜を完全硬化させ完成となります。

bmw301今回は一度に極端に膜厚を付ける事は避けている為、最初の状態にあったようなクラックが発生することも無いと思います。

bmw302これをまさか人の手で行ったとは判らないような仕上がりを目指しました(基本的にはどのご依頼もそう考えて行っています)。

bmw315出来上がったこちら製品は仲介人の方を経て海外に居るオーナー様に届けられまして、仕上がりに感動して頂けたようで直接電話でお礼のご連絡も頂きました(ただやはり言語の違いがありますので、片言ながら日本語が出来る友人の方を介してと言う形でした)。

bmw313後になって支払い方法をどうすれば!と思ったのですが、そちらも仲介人の方から日本円でお振込み頂きました。

bmw314ちなみに結晶塗装については時々海外の方からお問合せがあるのですが(特にUAEが多いです)、やはりその場合も日本国内に在住の日本語が出来る仲介人の方が要る場合に限らせて頂いております。

サージタンクに続きます。

BMW M Power intake manifold ///M color③

BMW M Power engine cover & intake manifold ///M color①

BMW M Power engine cover & intake manifold ///M color①

bmw131 日本に在住する外国人の方からのご依頼は何度かありましたが、海外からのご依頼は今回の案件が初めてでした。

bmw132 ご依頼内容はこちらのBMW E30 M3 EVO2のヘッドカバーとサージタンクを、現状と同じくMカラーでの塗装となります。

bmw133 パッと見は綺麗なのですが、至る所に下地からのクラックが生じています。

bmw135こうなると上から塗り重ねても意味が無いので、一旦全部剥離して下地からやり直す必要があります。

bmw134 白い塗装は黄変も発生しています。

bmw136サージタンクの方は小傷はありますが塗膜自体は生きているので剥離はせず進行しました。

bmw165ただし既存の塗膜の肌はとても悪いので、下地処理は全体に及びます。

bmw154 塗装を剥がす前に各部を数値としてデータ化しておきます。塗装を剥がしてしまってから見本となる物が無いとなったら後の祭りですからね。

bmw153

bmw176bmw164またネットで色々調べてみるとMカラーにはそれぞれ色名・カラーコードが存在し、当店で使っているSTANDOXのサイトで調べてみたら配合データが存在する事も判りました。これでオフィシャルの色を作製する事が可能となりました。

bmw162 同じくサージタンクの方も各部を計測して数値データとして残しておきます。

bmw163 データにさえ残しておけば、今後何もない所からでも同じような塗装が可能となりますし、また部品が違っても応用は効くと思います。

bmw170 各部のデータ化が終わったらいよいよ本作業開始です。

bmw171サージタンクの凸文字はクリアーの下で菌糸状の腐食が出ていましたが、それらも削り落としておきました。

bmw173bmw172 既存の肌が悪いので、サイズまで砥ぎ付けて平滑にしておきます。

bmw177 ヘッドカバーは旧塗膜を全て剥がすので、廃シンナーを貯めた溶剤槽に数日浸け置きして塗膜を柔らかくしておきます。

bmw187 その後ワイヤーブラシやスクレーパーを使って塗膜を完全に除去します。

bmw188 その後アルミ素地表面の化成処理としてリン酸処理を行っておきます。

bmw189 旧塗膜を剥がして出て来たアルミ素地は表面が凸凹とした梨地で、これを平滑な下地に仕上げなけれなりません。

bmw186 プラグホール周りは何度もマスキングするのが面倒なのでマスク型を作る事にしました。

bmw190 作製したベクトルデータからレーザー加工機を使って6mmのMDF板をカットします。

bmw191 こんな感じでマスク型の完成です。これで何度も貼ったり剥がしたりする必要が無くなりました。

bmw205 サージタンクは旧塗膜は剥がさず、小傷を研磨して平滑にしておきます。bmw206 裏側も塗るので簡易的な台も作製しました。

bmw208 まずはプライマーを塗布します。

bmw209 続けて2液ウレタンサフェーサーをたっぷり塗り込みます。

bmw210 サフェは裏側までしっかり塗り込みます。車体に装着されれば裏側は見えませんが、この状態でお渡しする以上見えない裏側もしっかりと仕上げる必要があります。

bmw202 ヘッドカバーもマスキング完了です。

bmw203 通常周りのボルト穴も一緒に塗りますが、今回は最初の状態でそこが塗られていなかったのでそれに倣います。

bmw204 このザラザラな梨地を下地の段階で平滑に仕上げなければなりませんので、サフェ―サーはかなり充填する必要があります。

bmw207 まずはプライマーを塗布し、

bmw211 続けてサフェーサーを塗布します。

bmw212 一度に厚塗りすると問題を発生するので、コート毎に十分なフラッシュオフタイム(乾燥時間)を設けて幾層にも塗り重ねていきます。

bmw213マスク型のお陰でプラグホール周りのマスキングも楽に行えました。マスク型はこの後の本塗にも使うので、トータルでかなりの時間短縮になったと思います。

本塗り編に続きます。

BMW M Power engine cover ///M color②

BMW E30 M3 EVO2ヘッドカバー&サージタンク塗装 完成

bmw300 大変お待たせしました!BMW E30 M3 EVO2のヘッドカバーとサージタンク、Mカラーの塗装で完成となります。

bmw301 ヘッドカバーは既存の塗膜にクラックが入っていたので一旦全部剥がして下地からやり直しています。

最初の状態も紹介しますね。

bmw133ちょっとした事なのですが、再塗装する上ではかなり致命的で、こうなるともう全部剥がすしかありません。

bmw189塗装を剥がすと素地には砂型鋳造時のザラザラとした梨地が全面にある為、この形でこれを平面に成型するのはとても大変でした。

bmw302 ただ使用環境の上でかなり熱の掛かる箇所なので、下地にはポリエステル系は使わず(これは熱に弱いです)、サフェーサーと1コートソリッドの下塗りのみで仕上げました。

bmw303 サージタンクの方は全面に傷はありましたが旧塗膜の状態は良かったので、剥離はせず全体を「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で下地を作っています。

bmw305アルミ素地の凸文字部分には腐食が出ていたので、それらも研磨して取り除き最後に光らせています。

bmw163Mカラーの塗装については、各色の幅やサイズ、配置など元の通りに出来るようにそれぞれを計測してデータ化し、マニュアルを作成しておきました。

bmw306場所を変えて屋内の照明下でも撮影しました。

最初の状態も紹介しますね。

bmw165元々の塗装は艶はあるのですが肌が余り良くなくて、サージタンクの方は旧塗膜は剥がしていませんが、研ぎ難い文字の周りも肌を削って平滑にしてからサフェーサーを塗布しています。

bmw307 裏側も含め全体的に艶々に仕上げています。

bmw311 元々のMカラーのラインはガタガタとした箇所などもありましたが、今回はデータ上で数値を揃えて修正~型紙を使ってマスキングしていますので、ほぼ並行に近く歪みの無いラインに出来ていると思います。

bmw315こちらも既存のラインを一旦データ化して、それを元に各位置を復元しています。

bmw153 本当は部品をそのままスキャナーに掛けられれば良いのですが、そういう装置は持っていないので、被塗物を壁に立ててカメラで撮影し、それをイラストソフトで輪郭をトレース→実計測→修正を繰り返して再現用データを残しておきます。塗装を剥がしてしまうと手元に見本が無くなる訳ですから、画像だけを頼りにそれを戻すと言うのはとても不安なのです。

bmw313 凹凸のある箇所に直線のラインをマスキングするのは中々大変でしたが、これに似たような作業は今までも何度もあったので比較的スムースに出来たと思います。

bmw314マスキングや塗り方が悪いとラインがぼやけたりガタついたりしますが、ほぼ段差も無く綺麗に仕上がったと思います。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

ちなみに今回は海外の方からのご依頼で、今更なのですが発送はどうしたら・・・と少々心配しています。お支払い自体は日本に滞在している代理人の方が立て替えてくれるとの事で助かったのですが(銀行振り込みって海外には出来ないのを今回初めて知りました・・・)、海外への発送は一度もした事が無いのをすっかり忘れていました・・・。

BMW E30 M3 EVO2サージタンク 本塗り

bmw163大変お待たせしました!BMW E30 M3 EVO2のヘッドカバーとサージタンクはMカラーで本塗り完了しておりますのでご安心下さいませ。ちょっと内容が多いのでサージタンクとヘッドカバーはそれぞれ分けて紹介しますね。

bmw268 サージタンクの方は状態が良かったので既存の塗膜は全部剥がさず、傷のある箇所のみを削って全体にサフェーサーを塗布し、その後研磨して全体を平滑にしてあります。元々の素地も凄く良いと言う訳では無いので修正しました。

bmw274 まずは全体にアルピンホワイトⅢのベースコートを塗布し、十分乾燥させたらMカラーの塗装を行います。

この作業は今回初めてなので予め各部の採寸を取ってデータ化してあります。

bmw269 カラーリングの再現に関しては色々考えた結果、このように型紙を作る事にしました。

サイズは元の通り、位置も元の通りに配置して仮止めします。

bmw270 一応印も付けておきました。

bmw271 ある程度雰囲気だけ合わせて似たような感じに仕上げるならさほど労力は必要無いのですが、事故車の修復と同じく「元の通りに」となると色々大変です。何と言ってももう見本は手元に無い訳ですから・・・。

bmw273 まずは左右の赤と水色を塗り、そこ型紙を当てて位置(幅)を確認し、最後に真ん中の紺を塗ります。塗る順番はこうでなくても構わないと思いますが、私的には見切りのラインの美しさを優先させたいので色の隠蔽性を順番の基準にしています。

bmw275 各色はSTANDOXの配合データから作成しましたが、出来上がった物を見てちょっと気になったので、水色は配合データにさらに白を加え、赤もオレンジ感が強いと感じたので土壇場で原色の赤(MIX561)を追加しておきました。

dino2 そしてマスキングを剥がした状態です。今回はしっかりとした台を作ったお陰で被塗面に一切触れずここまで作業出来ています。塗装屋さんなら判ると思いますが、白でこういった作業は寒気がしますよね。

bmw276その後凸文字を研磨してアルミ素地を露出させています。こちらでは撮影していないのですが、この後さらにベースコートの白で文字の隙間の汚れた部分を補正しています。そちらはヘッドカバーの記事で改めて紹介しますね。

bmw281そしてようやくベースコートが完了です。昨夜は23時くらいでここまで終了とし、ヘッドカバーは本日朝から始めました。10年くらい前は徹夜でマスキングとかも出来たのですが、さすがに今はもう無理のようです。

bmw291 アルミの素地が露出した箇所には密着剤を塗布し、全体にクリアーを塗って本塗り完了です。

bmw292 配置やサイズは極力元の通りに、且つ仕上がりは最初く比べて断然良くなったと思います。

bmw293 斜線のラインに関しては、イラストデータを作成した時に完璧な平行線として補正しておき、それを基にして作った型紙なのでかなり正確な図形が描かれていると思います。

bmw294元々の塗装は凸凹としたゆず肌でしたが、今回は下地から手を掛けているので裏まで艶々に仕上がっていると思います。

続けてヘッドカバーの記事を作成しますのでどうぞもう少々お待ち下さいませ。