BMW:Eibach Springs to BILSTEIN colors

bmw8前回のスカイラインS20のヘッドカバーと同様、以前施工した案件の画像を纏めてみました。昔行った作業で、さらに日記での紹介だと各記事がバラバラになってしまい、後で見ようとしてもかなり不便だと思いますので面白そうな内容は時々こうやって紹介しようと思います。またこちらとしてはサーバー上にある画像を引っ張り出しているだけなのでファイルサイズ等の負担も全く無いですしね。ただ全部の画像を紹介すると大変な事になりますので一応ハイライトだけと言う事で、作業内容も簡略的にさせて頂きますね。bmw10この時のご依頼内容としては、ビルシュタインのショックアブソーバとアイバッハのスプリングを新たに購入したのですが、折角のビルシュタインのショックはシェルケース内に収まるタイプと言う事で実際に装着すると全く見えなくなってしまいますから、それはちょっと残念・・・と言う事で「シェルケースとスプリングをビルシュタインのカラーに!」と言う事となりました。うーん、判ります判ります。

bmw36ただスプリングは単に塗るだけだとインチキっぽくなってしまいますので元々入っていたロゴや数字も同じ様に元に戻すようにします。「元に戻す」といっても実際はこれを元にデータやデカールを新たに作り出すのでかなり手間が掛かるんですけどね。

bmw37シェルケースの方は錆等も出ていたので下地処理からやり直します。ちなみにこれはケースだけで中は空洞です、念の為。

bmw15 色についてはかなり偶然だったのですが、この時間借りをさせて貰っていた工場に私と同じく間借りをしていたブレーキ屋さん(現在もいつもキャリパーの下地を行って貰っている方です)が持っていた私物のビルシュタインがあったのでこれを参考にして色を作製しています。

bmw40いきなり本塗りですが特にシェルケースは手間が掛かっています。

bmw41スプリングは黒皮(メッキのような防錆皮膜)では無くガンメタに塗装された物なので足付け処理だけしてそのまま塗れます。

eibachスプリングにプリントされていた物をデータとして新たに作製します。ちなみにメジャーなロゴは既存のデータがあるので寸法のみの修整で大丈夫です。

printer出来上がったデータをデカール用のシートにプリントします。一般的な家庭用のプリンターで「白」は印刷出来ませんが(出来ないんですよ)、昔売っていたアルプス電気のドライプリンターならそれが可能です。画像の物は最初に購入した物で、私が行っているような極小ロットの塗装業務にはかなり重宝するのが判ったのでその後2台購入しています。もう新品は売っていないのでこれの代わりとなるとUVプリンターになりますが、コスト的にうちのような家内制手工業向けでは無い事と、徒手空拳って訳では無いですが全ての作業を自分の手で出来るって言うのはやはり面白いですからね。

printer1シートが水色っぽく見えるのは台紙の色で実際はこれは透明です。白のインクは「特色ホワイト」と「ベースホワイト」の二種類を重ねて印刷しています。

bmw45出来上がったデカールはプラモデルのデカールと同様水に浸けて台紙から剥がして使います。

bmw44ベースカラーのブルーを塗った上にデカールを貼り付けます。

bmw49そしてクリアーを塗ります。ちなみに純正同様「半艶仕上げ」で、また使っていて塗装が割れないようにクリアーは軟化仕様になっています。

bmw48 ショックアブソーバーのシェルケースはデカールは無くイエローに塗装のみです。

bmw_1半艶仕上げなので完成時はこんな感じに仕上がります。

bmw_5一旦車体に装着されてしまえば誰も見れませんし、ロゴなんて見ようと思っても見える物ではありませんが(表側を向いてくれるとは限りませんし!笑)、オーナー様にとってはそう言うことは余り関係無いんでしょうね。

と言う事で機会があったらまた過去案件を纏めて紹介したいと思います。元々ある画像を使うという事と、既に終わった作業ならば手間が掛からないので週一くらいで出来れば~と思ってます。

BMWショックケース&スプリング塗装 完成

bmw_4大変お待たせしました!BMWのシェルケースとアイバッハのスプリングはビルシュタインカラーで本日完成となります。休み前に塗って強制乾燥もしておいたので2連休の間に丁度寝かしておけました。

bmw_1シェルケースは当初はここまでやるつもりは無くプライマーのみで済ませる予定だったのですが、折角と言うことでサフェーサー塗布~研磨の作業も加える事になりました。クリアーは「半艶」になっています。ちょっとこの画像だとイエローが鮮やか過ぎて見えるので見本も一緒に並べてみますね。

bmw_2中央右寄りにあるのが参考にしたビルシュタインのショックです。丁度ブレーキ屋さんが持っていたのでこれを見て色を作りました。こんな時、自動車工場に間借りしていると助かりますよね。

bmw_5アイバッハのロゴは塗装ではなくデカールで再現しています。ただクォリティ的にはやはり塗装の方が良いですね。ここで紹介しているロゴは比較的綺麗に出来ていますが中には擦れた感じになってしまっているものもあります(まだテスト段階ですのでオーナー様にはご了承済みです)。もっと小さい物の方が使える感じですかね。ただ可能性は大いにあるので今後ハイグレードな機種を手に入れたいと思います。

bmw_3こちらはリヤ側?ですかね。短くてダルマのような形状の方です。アイバッハのロゴはこっちの方が若干大きいんですね。

bmw_6塗装では表現しきれない事も今回のデカールのような技術を使ってカバー出来るのは非常に有り難いです。折角のオリジナル品のロゴが「塗装する事で消えてしまう」、なんてデメリットは出来るだけ無くしたいですからね。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げます。この度もご贔屓頂きありがとう御座いました!

BMWショックケース&スプリング 本塗り

bmw40 大変お待たせしました!BMWのショックケースとアイバッハのスプリングはゴールデンウィーク連休前に無事本塗り完了です。画像多いので重かったら申し訳御座いません。

ショックケースは傷も錆もあったので素地調整した後、全体をプライマー&サフェーサーで下地をやり直しています。普段は見えない部分なのでここまでやらなくても良かったかも知れませんけどね。まあまだまだ現役で走られるようですからこのタイミングでしっかりやっておけば、と思う次第です。

bmw41 短い方はリヤ用でしょうか。簡単そうにみえて実はとてつもなく塗り難い形をしています。ドブ漬けしたくなりますがそんな乱暴な塗り方は普通しませんので・・・。

bmw42 ちなみにスプリングは上下があるのかはよく判らないので最初にプリントしてあったロゴの向き通りにしておきます。と言ってもロゴは足付け処理の際に軽く擦ったら消えてしまいましたので、それが無くても区別が付くようにスプリングの上側の断面に油性マジックで丸く描いておきます。油性マジックは染料なのでこの上に水色を塗っても「ニジミ」でまた浮き上がってきますから、普段はトラブルになるその作用を利用して上下の向きが判るようにしておきます。実はケガいて傷を付けておいてもいいんですけどね。どうも塗装屋をやっていると金属に傷を入れるという行為が背徳的に感じてしまうです(錆が出ますので・・・)。

bmw43 で、先日作成しておいたビルシュタインブルー(?)を塗ってテープフリーな状態に乾いたらデカールを貼り付けます。今回の肝ですかね。このマークが無ければパチ物(偽物)にしか見えませんので・・・。

bmw45bmw44 ロゴの形やサイズは予めデータにしておいたので、それを自宅のマイクロドライプリンターでデカールを作成しておき今回利用しています。ここまでのサイズは初めてだったのでちょっと擦れてしまった箇所もありますかね(まだ実験段階なのはオーナー様にご了承済みです)。

またここまで曲面的な箇所に貼るのも初めてだったので、いつものマークセッター(専用の接着剤)だけでは弛みが取れず、ユザワヤ蒲田店5号館模型コーナー店主のアドヴァイスに従ってマークソフターも使ったら何とか上手くいきました。こういった生の情報はやはりamazonからだけじゃ得られませんからね(笑)。

良く乾燥させたらいよいよクリアーです。

bmw46 スプリングは以前も塗装経験があったのである程度は覚悟いていましたが、やはりと言うかかなり面倒でした。適当に塗れば全体的に塗れそうですが実はそんな簡単な話ではなく、スプレーパターンは細く絞り、バネとバネの間から奥に見えるバネの裏側を狙い打つような塗り方になります。ワンミスで手前のバネを塗り過ぎてしまい垂らしてしまいますよ(実際元々塗られていた塗装も至る所がタレてました・・・)。

bmw47 デカール部分は無事メクレ上がる事も無く比較的綺麗に仕上がったと思います。ユザワヤの店主の教え通り、マークセッターは二度塗りが功を奏したようです。安心しました・・・。

bmw48 ビルシュタインイエローも本塗り完了です。まだクリアー塗りたてなので艶がありますが、塗っているクリアーは「半艶仕様」のクリアーなのでここから徐々に艶は消えていきます。スプリングも同様です。

bmw49ロゴは最初に採寸したサイズ通りにしてあり、実はリヤのバネの方がちょっと大きいです。位置やフォントも元と同じように復元しています。

こういうのをメーカー(ビルシュタイン社)の人間が見て、「あれ?こんなのうちで出してたっけ?」と本気で疑問に思ってくれる事が実は一番嬉しかったりします。偽物では無いければ本物のラインナップには無い、且つ妙に出来が良く「オリジナルと区別が付かない」といった感じですかね。

それでは完成しましたらまた改めて紹介させて頂きます。もう少々お待ち下さいませ!

BMW用ショックケース&スプリング 色作成

bmw14ショックケースとスプリングの下地処理の方は大体終わっているので色を作成しておきます。幸いな事にいつものブレーキ屋さんがビルシュタインの足回りを持っていたのでそこから色を抽出(って塗装屋は言わないですね)する事にしました。

bmw15思っていたよりもビルシュタインのイエローは濁っていて、これでも一応表面は軽く磨いて本来の色を出している筈です。ブルーのスプリングは気合入れて磨いたらちょっと艶が出てしまいましたかね(苦笑)。作成した色は明るめですが、白の原色が多く使われていると実際に塗って乾いた時にかなり黒味が増しますからわざとこれくらいにしています。その変わり様と来たら・・・塗装屋さんならご存知ですよね。

BMWショックケース 下地処理

bmw37 ショックケースの方は傷や錆も色々あったのでそれらの処理をしておきます。平面はダブルアクションサンダーで削っておき、最後にサンドブラストを掛けてイビツな箇所も処理します。

bmw38特に底の部分には錆がビッシリ出ていましたので集中的にブラストを掛けて削り落としておきます。反対側は見た目的にそうでもなかったのですが、やはりと言うか同じように塗膜の下で繁殖していました。

bmw39サンドブラスト処理後、全体を綺麗に清掃~脱脂をしたらプライマーを塗布し、続けて2液ウレタンサフェーサーを塗布します。部品自体は普段は見えない箇所に付くものですからこの場合のサフェーサーは「見た目」よりかは防錆の為の使い方で、シンナーで希釈して肌を荒らさない程度に薄膜で4コートくらい塗っておきます。完全硬化したら軽く研いで済むような塗り方ですかね。塗りこんできついラウンド(肌の凸凹)が出来てしまうと研ぎの作業が大変になってしまいますので。

今回ご要望頂いている色としては、このショックケースはビルシュタインのイエローで、バネは同じくビルシュタインの水色ですから見た目的にも中々面白い色の組み合わせになりそうです。

ちなみに色の見本となるショック&スプリングはブレーキ屋さんが持っていたのでそれを見本にして色を作成します。何だか丁度良かったですね。

それではまた作業進行しましたらまた紹介しますね。もう少々お待ち下さいませ!