大変長らくお待たせ致しました!昨年の7月より1年間程お預りしておりましたBMW K1200GTカウル一式の全塗装、本日完成となります。
最初の状態も紹介しますね。
ちなみにオーナー様は以前ホワイトパールでの塗装もご依頼頂いておりまして、今回は新たにカウルを1セット揃えてのご依頼となっています。
今回塗装した部品点数は全部で17点あるのですが、一度に全てを撮影するのは難しいですので、それぞれ別けて撮影をしています。
こちらの部品は元々新品だったのですが、片側だけ素地(新品時の塗装)が良く無かった為か、塗り上がってみると若干メタリックの肌が変わってしまっていて、恐らくは何が駄目なのかは判らないかと思いますが、気になったので塗り直しておきました。
色はお貸出しした色見本帳よりお好みの物を選んで頂き、ロアカウル以外をこちらの「ホンダ クリスタルターコイズメタリック」(カラーコード:BG-52M)で承りました。
クリアーは全て高品位なタイプのSTANDOXクリスタルクリアーの仕様となります(通常は同社イージークリアーで、オプションにて変更可能です)。
部品は殆どが中古品で、パッと見の状態としては悪くは無かったのですが、色的にデリケートな塗色となりますので、殆どの部品でサフェーサーを使った下地処理にしています。
新品の塗装済み品を塗装する場合は簡単な下地処理(足付け処理)のみで塗装出来るのでコストを抑えられますが、傷などがある場合は必ず「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった作業が必要となる為、「単に塗るだけ」の場合に比べると費用は倍くらいになります。内容によっては塗装費よりも下地処理費の方が高額になるケースも珍しくはありません。
今回はこちらのロアカウルのみ、本体色とは違うSMARTの「SANIDINE BEIGE」(カラーコード:798)で承りました。青い海と砂浜をイメージされているのだと思います(違っていたら申訳御座いません・・・!)。
大変だったのは、こちらの部品には元々ゴム状の被膜がコーティングされていた事で、しかも予想以上に耐溶剤性が強く、剥がす作業はとても難儀でした。
下地をしっかり造った事で、通常のカウルに遜色ない仕上りに出来ているかと思います。
ロアカウルの素材はPA(ポリアミド=ナイロン)で、柔軟性がある為、クリアーには軟化剤を10%入れたフレキシブル仕様としています。
そして巨大なサイドカウルです。こちらは元々紺色だった左側ですね。
撮影しているのはいつもの流し台の上ですが、これ一つで食み出る程の大きさです。2つは並べらせませんでした・・・。
こちらは比較的良い状態でしたが、やはり全体に小傷はあったので全面にサフェーサーを塗っています。
そしてこちらは右側のサイドカウルで、こちらのみ元々のダクトカバーがあったので取り付けておきました。爪は全て飛んでいってしまった為かかろうじて根本が残っていただけなので、元と同じような感じにパネルボンドの点付けで固定してあります。
最初に届いた同右サイドカウルは酷くボロボロだった物を無理やり直したような状態で、その次に届いたカウルも直して使うには状態が悪すぎて、三度目に届いたこちらの部品が、一番まともな物でした。
最初の状態も紹介しますね。
ただ、カウルの一部が欠損していて、しかも単に直せば良いという訳では無く、車体に固定される重要な部分だったので、今回は別のカウルから切り出してそれを移植するという作業を行いました。