cannondaleカーボンフォーク塗装承ってます

 先日到着しておりましたキャノンデールのカーボン製フォークです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

 現状は黒とグリーンパールの2トーンカラーで、ロゴは白の塗装で入っています。

 ご依頼内容としては、黒い部分を無くして既存のグリーンパールでべた塗り、ロゴは新たに「cannondale」を黒を塗装で行います。旧塗膜は剥離し、サフェーサーで下地を整えてからの塗装となります。

イメージイラストを作製していますのでそちらも紹介をさせて頂きます。

 ロゴのサイズ(横幅)は既存の物と同じで、こちらはおよそ195mmとなります。また元の位置と同じところに配置するよう承っております。

 色に関しては調色作業も承っておりますので(有料オプション)、配合データはありませんからこれを一から作製し、またタッチアップ用塗料(40g)も別途承っております。タッチアップ用塗料に関してはこちらのページで紹介しておりますので宜しければご参照下さいませ(単体での制作・販売は行っておりません)。

調色を行って作った塗料は、その時のご依頼が終わると残りませんので、次回傷がついて再補修をする際には新たに調色作業(有料)が必要となりますが、タッチアップ用の塗料があればそれを省ける可能性がありますのでお勧めとなります。

 色はメタリックでは無くパールで、顕微鏡で確認した感じでは

・グリーンパール

・イエローパール

・ブルーパール

・レッドパール

・バイオレットパール

・オレンジパール

等が見受けられます。

画像だと粗く見えますが、実際にはどれも普通の干渉パールのようで、シットリと落ち着いた2コートパールとなります。

ちなみに干渉パールとは、表面にコーティングされた二酸化チタンの厚みによって見える色(色相)が変わって見える物で、元となるパール(雲母)は同じ物から為っています。現在のパールマイカ(雲母)は鉱物ですが、元々は魚のウロコ(!)から作っていたのが起源のようで、ただ流石に魚のウロコでは原料が安定しない為(笑)、その後DUPONT社が開発した今の形の物が主流となって現在に至っています。

ちなみに黒い部分も良く見るとソリッドカラー(パールでもメタリックでも無い色)では無く、若干パールが入っているのが判ると思います。こちらで見るとパール自体の輝きが強いように見えるので、グリーンとオレンジ・レッドは干渉では無く、着色パールかも知れません。この辺は実際に色を作ってみて確認してみたいと思います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

cannondale SUPER V

cannondale3先日イラストレーターをご職業にしている方からのお問い合わせで、「自分でデザインした通りに自転車を塗装出来たりするんですか?!」みたいなご質問を頂きましたので、以前同じくデザイナーの方から御依頼頂いた案件を紹介したいと思います。4年前くらいに御依頼頂いたキャノンデールスーパーVなるアルミフレーム&スイングアームです。

cannondale2 データと作業仕様書はオーナー様自ら作成して頂いた物で、データはIllusratorなるソフトで作製したai型式のベクトルデータなのでそのまま使用が可能です。これならデータ作製費も掛かりません(jpeg画像とは全然違う物ですのでご注意下さい)。

cannondale5 ただ実際にフレームには段差や付属品などがあるので、塗装を剥がす前に各部を計測してロゴの配置位置を確認しておきます。

ちなみにアルミ溶接部のビートもオーナー様自ら削り落としています。きっと自分で色々やる事が好きなのでしょうが塗装だけはどうにもならなかったんでしょうね。まさに私もそうでして、当時は情報など全く無かったので綺麗な塗装はてっきりロボットが塗っているのだと思っていましたが、これを人間の手で塗れる!と言う事でもう塗装屋一直線でした(しかも当時は稼げる言う話でしたので)。

cannondale10旧塗膜の剥離には剥離剤は使わず、スプレーガンなどを洗った際に出る廃棄のシンナーを貯めた槽に浸け置きをし、そのまま剥がれてくれる塗膜のありますが、大抵の場合はスクレーパーやワイヤーブラシを使って削り落とします。少々面倒ですが放置しておいても作業が進行している!と言うのが何か好きなんですよね。

cannondale9ただ取りきれない細部の塗膜などもあるのでそういった箇所には最後にサンドブラストを使って剝がします。

その他ダブルアクションサンダーやリン酸なども使用し、この後に塗装するプライマーがしっかり素材に食いつくようにしておきます。

cannondale11画像では既にサフェーサーを研磨までした状態で、ただその後パテを塗った箇所や素地が露出した箇所もあるので、本塗りの前にもう一度プライマーを塗ります。

cannondale14オーナー様が作製したデータを基にマスキング用のシートを作製します。今回は配色の関係からマスキングシートは雌型では無く雄型を使い、「白→赤→黒」と言う順番で塗装します。逆でも勿論塗れますが、ロゴの輪郭とかがガタガタするのが凄く嫌なんですよね。

cannondale12 全体に再度プライマーを 塗りなおし、続けてロゴが入る部分にスポット的に白を塗っていきます。

cannondale22 画像だと判り難いのですが、ロゴが入る部分にはベースコートの白が塗ってあり、ロゴを入れたい(残したい)箇所にそれぞれマスキングシートを貼っていきます。

この頃はまだiPadを持っていなかったのでiPod touchでロゴ位置を確認していたみたいですね。何にしても便利です。

cannondale20その後「赤」にする部分をスプレーし、白の時と同じように上からマスキングシートを貼り付けます。

オリジナルのロゴはこんな風に色分けはされていないかも知れませんが、それだけにこういう自分だけのカスタマイズが出来るのも塗装の魅力ですよね。

cannondale19ロゴの塗装が終わったら全体にベースコートの黒を塗ります。

さらにベースコートが乾いたら各部のマスキングを剥がし、綺麗に出来ていない箇所があればその都度修正していきます。大抵の場合は一度で綺麗に出来る訳では無く、もう一度マスキングをして部分的に白を塗ったりして細部を整えていきます。以前行ったLOOKのフレームの「赤色の部分を水色に変える」と言うご依頼ではこれを延々一日やっていた記憶があります(結局その日は夜中まで続きクリアーは翌日となりました)。その時の作業も後日作業内容を纏めて紹介しますね。

cannondale17そして完成です。自分がデザインした通りの物が実際に出来上がるというのはかなり面白いと言うか感無量なのではないでしょうか。何ていったって確実に世界にこれ一台ですからね。

ちなみにロゴデータは別として、手書きのイラストだけでもこんな事は全然可能です。以前行ったうさぎドロップのピンクに塗ったSURLYのフレームがそうでしたね(かなり引くような精密な手書きの作業内容所だったような記憶が・・・)。

cannondale16またメジャーなロゴであれば既存のデータがあったりするので、それが見付かればロゴデータの作成費も掛かりません。私も知らなかったのですが当サイトに来てくれていた方からそういった方法(サイト)を教えて頂き本当に助かりました。その節は有難う御座いました!

cannondale15今度は比較的お問い合わせの多いBMWのパニアケースかトップケースを紹介したいと思います。