CORSAIR 900D PCケース フロント&リヤパネル検証

corsair1先日到着しておりましたCORSAIRのパソコンケースです。

基本的には「艶ありの黒」での塗装となりますが、フロントパネルとリヤパネルについてはグリーンとの塗り分けがありますのでそちらを確認・検証致します。

corsair5 こちらはパソコンの裏側のパネルです。

corsair4 枠と内側とは別体構造となっている為、まずはこちらを分解します。

corsair6 こんな感じで外れました。

corsair7 どうも前回行ったCORSAIRのケースよりも重いと思ったら、どうやら枠の部分はプラスチックでは無くアルミ素材のようです。重い訳ですよ・・・。

corsair8 こちらはフロント側で、同じく枠と中央のパネルを分解しました。

corsair9 どうも形が似ていると思ったら、アルミ製の枠に関してはフロントもリヤも同じ物を使っているようです。まあパソコンケースにアルミ鋳造品を使う事自体あり得ませんから、この辺でコストを抑えているんでしょうね。

corsair10今回はこちらの枠の部品を黒とグリーンでの塗り分けを承っています。

尚、形自体は以前別件で施工したCORSAIRのフロントパネルに似ていますので、参考までにそちらも紹介致しますね。

corsair96形は今回の物ととても似ているのですがサイズがこちらの方が大分小さく(それでも一般的なタワーPCより大きいです・・・)、また枠の部分はこちらはプラスチック製です。なので今回もてっきり樹脂製かと思っていました。

corsair11 グリーンの色味に関しては色見本帳をお貸出ししまして、ただ車のボディーカラーではご希望の物が見つからなかったらしく、今回はこちらのPANTONEの色でご指定承りました。

ご要望としては、

第一候補:PANTONE332
第二候補:PANTONE3375
第三候補:PANTONE331

となりまして、ただどれもSTANDOXの配合データが存在しませんので、今回はこれを基に新たに色を作成します。また念の為今後の事を考えて配合データを残しておこうと思います。

corsair12 と言う訳で早速塗り分けのイメージイラストを作成しました。現在少々体の調子が悪いので余り激しい動きは控えてデスクワークに力を注いでみました(どうも帯状疱疹と言う病気らしく、体がとても痛いのです)。

corsair13塗り分けは内側と外側で範囲が少々異なり、外側は正面から20ミリの位置までとなります。

corsair14対して内側は正面から15ミリまでの範囲となります。

素地のザラザラは樹脂成型時の物では無く塗装による物で、このまま色を塗っても艶のある仕上がりにはなりませんが、前回と同じ方法として「最初に艶あり黒を塗って一旦完全硬化させる」→「多少艶の引けたような仕上がりになる」→「全体を足付け処理し、部分的にグリーンを塗って全体にクリアーを塗る」と言った作業で艶々の仕上りにする予定です。ただ色の隠ぺい力からして先にグリーンを塗るかもですね。

他の部品もそれぞれ検証してきますのでどうぞもう少々お待ちくださいませ!

CORSAIR 900D PCケース塗装承ってます

corsair2 先日到着しておりましたCORSAIR OBSIDIAN 900Dなるパソコンケースです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

corsair3それにしても今回のパソコンケースのサイズですが、店頭でも見た事が無いような巨大なケースです。恐らくは実物を見て貰わないと伝わらないと思いますが、一応判り易いようにと手前に一般的なタワーPCケースを並べてみました。これでも今時は大きい方だと思いますが、倍くらい大きいです。奥にあるテレビも一応32インチあるのですが・・・。

corsair1塗り分けの位置についてはまた改めてご案内しますが、基本的には全体を「艶ありの黒」、一部をグリーンの塗り分けで承っています。上の画像は取り敢えず分解しただけで、実際はさらに細かく分解して部品点数は増えます。

corsairまた既存の塗装はザラザラとしたボディーシューツ状の塗装で、これにそのまま色を塗っても若干艶が引けたような仕上りになってしまうので、目立つ部分については「2度塗り」で艶々になるように対応します。

参考までに前回施工した同社のPCケースも紹介させて頂きますね。

corsair96 こちらは以前別件で施工ご依頼頂いたパソコンケースで、形は今回のと似ているのですがサイズは全然違います。面積比にして3倍といったところでしょうか・・・。

corsair95 この時はプレスラインを境に黒とブルーメタリックを塗り分けていますが、今回は内から外に掛けての塗り分けになる予定です。グリーンの色に関しては現在ご検討を頂いているところで、その辺りの詳細が決まりましたら改めて塗り分け位置も紹介する予定です。

この時の作業内容についてはこちらの施工例のページで紹介していますので宜しければご参照下さいませ。

corsair102 この時も総費用はかなりの金額になりましたが、今回はさらに面積が大きい事、塗装箇所も多くなっていますのでさらに輪をかけての内容となっています。常人の理解を超えてしまっているかも知れません(まあ当店にご依頼頂いている案件は殆どがそうなのかも知れませんが)。

それでは作業次第また紹介させて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

“CORSAIR” PC Cases

corsair9  以前塗装をご依頼頂いたCorsairなるメーカーのパソコンケースで、作業内容と画像を纏めて再編集して紹介します。

corsair11 色は黒とブルーメタリックで、「元々塗ってある色に近い色で」と言う事でそれを元に作ります(と言っても簡易的な作製です)。

corsair3ケースの側面にはアクリルパネルを貼るとの事で、 今回は塗装以外に一部のパーツの加工も行いました。

corsair17ご希望は「艶々」と言う事なので、表面がザラザラとした梨地は「研磨→プライマー塗布

→2液ウレタンサフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で平滑にします。

corsair21スチール製のパネルは元々塗装済みでしたが、こちらもザラザラとした塗装だったので全体を研磨します。

corsair25 内部のシャーシはボディーシューツのようなザラザラとした塗装だったので、こちらは溶剤槽に浸けて塗装を柔らかくし、スクレーパーとワイヤーブラシで剝がします。

corsair28 内部のシャーシはこんな感じで既存の塗膜は全て剥離しています。ちなみにこのシャーシは元々は箱型になっていて、固定されていたリベットはオーナー様自ら外して分解済みでした。

corsair30 金属が露出している箇所はそれ用のプライマーを塗布します。

corsair33塗装を行うには良質な下地が出来ている事が必要で、それの為にはかなりの手間と時間が掛かるケースも良くあります。また大量生産のように流れ作業のようには出来ないのでどうしてもコスト高になってしまうのです。ちなみに新品の塗装でプライマーやサフェーサーなどの下塗りがされている事は極稀です。

corsair39既存の塗膜を剥がしてプライマーを塗ったシャーシ部です。これは仮組みをしているところですね。

corsair50ザラザラだった素地をサフェーサーで平滑にしたプラスチックパーツとアルミパーツを本塗り前に組み付けています。組み合わさる部分のクリアランスが殆ど無いので別々に塗ってしまうと嵌らなくなってしまう恐れがあったんですよね。こういうケースは極稀です。

corsair54シャーシは裏も表も見えるので吊るした状態で全体を一度に塗れるようにしています。

corsair55先ほど紹介した2つの部品を組み合わせたパーツですね。電源ボタンやUSB挿し込み口などがあるフロントパネルの一部と思われます。

corsair56フロントパネルの枠部分は黒とブルーメタリックの2トーンカラーで御指定承っておりまして、今回は先に黒だけを仕上げる事にして、クリアーが完全硬化したら再度足付け処理をして「ブルーメタリック→クリアー」で仕上げる事にしました。

corsair58サイドパネルは先に裏側を艶消し黒で塗装し、表面は艶有りブラックで仕上げています。

corsair64先ほど紹介したフロントパネルは全体に足付け処理をした後にプレスラインより内側をブルーメタリックに塗り、この後マスキングを全部剥がしてもう一度全体にクリアーを塗布します。

corsair65こんな感じですね。蓋をした時に溝が青っぽく光るような仕上げをイメージしています。

corsair68大変だったのは内部シャーシの塗り分けで、マスキングを貼る箇所が平面ではありませんし、裏表を同時に塗るのでまるでパズルのような作業でした。

corsair72さらに「リベットの頭はブルーメタリックで」といった事も御指定頂いていましたので、それらも一つ一つマスキングして塗装しています。ちなみに組み付け時に打ち込む新たなリベットはそれ単体で塗装しています。

corsair71こんな感じでようやくベースコートの塗装が完了です。パソコンをご存知の方なら良くお判りかと思いますがこちらはケースの裏側にあたるところですね。

corsair74そしてクリアーを塗って本塗り完了です。確か一日ではどうにもならず本塗りは二日に分けて行ったと思います(STANDOXはベースコートとクリアー塗装との間で時間制限が無いので大丈夫ですが他のメーカーでは制約があると思いますのでご注意下さい)。

corsair85そしてクリアーが完全硬化後、単体で塗っておいたリベットを使ってシャーシを組み付けます。

corsair88シャーシは4部品の内の3つを2トーンカラーで仕上げています。既存の塗膜は全て剥がして下地からやっていますからこれだけでも相当の費用が掛かっています。

corsair90そして完成です。フロントパネルのカバーにはケースメーカのロゴも同じブルーメタリックで入れてあります。

corsair91こちらはドライブの蓋ですね。

corsair93先ほどの3枚の蓋がこのパネルに組み合わさるのだと思います。プラスチックパーツは全てザラザラでしたが下地処理をしたお陰でこのように艶々に仕上がります。

corsair99サイドパネルも艶々です。

corsair96フロントパネルの枠とカバーを組み合わせてみました。内側に塗ったブルーメタリックはこんな感じで隙間から少しだけ見えるようにと考えられています。

corsair101今回の塗装では相当の費用が掛かっていますので、恐らくはケース自体は一生物と考えての御依頼なのかも知れませんね。総額は私の初任給の倍くらいの金額になりましたので・・・。

corsair102単色であればここまで大変では無かったのですが、とにかくこのカラーリングに拘っておられたようで、実作業時間は測っていないので判りませんが、御預かりしてから完成までは3ヶ月掛かりました。

corsair104何より大変なのはオーナー様がイメージしている内容との擦り合わせで、ただ仕上がった物を見て頂いたオーナー様からは理想どおりと喜んで頂けまして本当に何よりでした。いやはや有り難い限りです。

CORSAIRパソコンケース塗装 完成③

corsair102そして多分今回最も時間(とお金)の掛かったシャーシ部分です。上の画像は正面から見た姿ですね。見ての通り表からと裏から同じ様に2トーンカラー配色になっています。これが思った以上に大変て、もしかすると1枚板を裏表2トーンカラーにするのは初めてだったかも知れません。普通は片面のみか、或いは両面でも裏側は単色ってケースが殆どですよね。

corsair105 こちらは背面のパネルを中(裏)から見た状態です。配色を2トーンカラーにしつつ「表も裏もツヤツヤに」と言うのが今回の御要望でした。新品時の塗膜は肌が荒れていたので全部剥がして塗りなおしています。

corsair104 こちらが先ほどの背面を外(表)から見た状態です。増設ボードの入り口やらマザーボードからの端子口のスペースがあるのでパソコンが好きな方なら直ぐ判りますよね。ちなみに普段は見えない(見ない)所なので「そこを塗るのに何の意味が」と思う方も居るかも知れませんが、当店はそういう考えでは無い方々(何故か笑)で成り立っている所がありまして、確かにマイノリティー(少数派)であるかも知れませんがこれが全国規模となると結構な数になるようで意外と仕事はあるのです。ここの所エンジンヘッドカバーの依頼数が凄く多いのですが、多分それもオーナー様以外見ることは殆ど無いですから今回の物もそれとほぼ同じ事です(笑)。

corsair101今回の作業にはかなりの時間も費やしていて、紹介した画像は100枚を超えています(そもそもメールのやりとりも同じくらいやっているのではと・・・)。勿論掛かっている費用も相当で(私の初任給よりも、です)、半金を前払いでお願いしたのは今回が初めてと言うくらいです。多分値段を提示しただけでは御依頼自体が難しかったと思いますが(普通信用出来ませんよね)、イメージイラストの作成や今回のような作業内容の紹介(と言うか公開)で多少は信用して頂けたのでは、と思う次第です。これがまた次回にまた繋がればと思いますが、パソコンケースでここまでの金額は中々難しいかも知れませんね(笑)。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げます。この度のご依頼、誠に有り難う御座いました!

CORSAIRパソコンケース塗装 完成②

corsair97こちらはケース両側に装着されるサイドパネルです。素材はスチール製で、元々はザラザラとした塗装が施されていたのでそれをサフェーサーで平滑な下地にしてから塗ってあります。

corsair99ここはいつも撮影に使っているスペースですが、そこに置いたサイドパネルは奥から手前までかなり目一杯なサイズなのが判ると思います。かなり大きな箱なんですよね。

尚、今回は蛍光灯照明のある撮影スペースでも撮影してみましたのでそちらも紹介致します。corsair98蛍光灯で見ると多少パネルが歪んでいるのが判ると思います。肌の具合もありますが(砥石を当てて磨いたミラーフィニッシュと言う訳ではありませんので)、このサイドパネルは素材がスチールで、端を折り曲げて強度を増した造りにしてありますから多少こういった歪みは出てしまいます。なのでこういった粗を目立たなくする為に元々塗ってあったような表面がザラザラとした塗装を施していたりします。今回は下地にサフェーサーの塗布~研磨の工程を入れていますからまだ良くなっていますが、素材そのまま塗るとなるともっとひどい歪みが目立ってしまいます。ちなみにザラザラ塗装(?)の他にはハンマートン塗装や、当店でもよく行っている結晶塗装なんかもそういった事が理由ですね。

corsair100穴の開いた方のサイドパネルは、恐らく純正ではメッシュ状?の(多分同じくスチール製の)パルが装着されるようですが、今回は裏側にあった耳を削り落としてフラットにしていますから、あとはこの窓よりも一回り大き目のアクリル板を貼れば中が丸見え(!)に出来るようになっています。「見えてどうするの?」と思う方も居るかも知れませんが、中を照明で照らして基盤とかファンとかメカニカルな部分が光っていると凄く格好良いんですよね。わざわざその為に水冷式にして、透明なホースを通る冷却水を綺麗に見えたりしている方も居るくらいですので。

ちなみに本案件とは関係ありませんが、現在導入を検討しているレーザー加工機があれば、例えばここに貼るアクリルパネルをカットしたり彫刻したりする事が出来ます。これがあれば「CORSAIRのロゴを大きく彫刻で」なんて御要望も可能になるかも知れないんですよ!(ただまだ買ってもいないのですが・・・)。

それではシャーシ編に続きます。