先日より準備を始めていたR34スカイラインの日産純正(内部LED改)のテールランプ一式です。大変長らくお待たせいたしました!
それぞれの部品は手で持って塗れるよう、着脱式にして台にセットしてあります。
車を塗っていた頃にはこういった小物は「車体のついで」のような位置づけだった為、(作業時間や専有面積の関係上)大抵は台に置いたまま塗るようなスタイルでしたが、手で持ちながら塗ると照明の写り込み良く見えて明らかに綺麗に塗れるので、小物をメインとした今では持って塗るのが基本となりました。
最終脱脂をしてエアーブロー何週かしたら、プラスチックプライマーを塗って本塗り開始です。
スモークの濃さは「極薄目と薄目の中間」で、先日完成してお納めした「デリカのテールランプ」を参考に微調整をしていきます。
スモーク塗装には大きく別けて2通りの塗装方法があり、トップコートのクリアーに直接スモークを入れる1コートソリッド的な塗り方と、当店で行っている「ベースコート」と「クリアー」を分ける2コートソリッド的な塗り方があります。
前者は主にコストが非常に優れていて、テールランプ一式が(私なら)1時間で終らせる事が出来ます。
が、この方法だとスモーク濃度の微調整が出来ない為(私には出来ません)、当店の場合は濃度の調整と美観をそれぞれ分けて行う2コート塗装にしています。
上の画像はどちらもオレンジ色のウィンカーで、スモークを1コート塗った状態ですが、それぞれ濃さが違うのが判ると思います。このまま同じように塗り進めるとそのまま濃さが違った仕上りになってしまう為、
塗り加減を変えながら濃度が合うように調整していきます。
ちなみに濃度はスプレーガンのテクニック(!)では無く、塗料中の含有量を変える事と、コート数の回数で調整します。薄くしたいからといってドライコートにしたりする事はありません(ムラ・ダマ・艶引けの原因です)。
スモーク塗装に限る事では無いのですが、作業をしていると自分の感覚が麻痺してくる事があるので、そういった場合は新しいマスキングテープを貼ったりして、今どれくらいスモークが黒くなっているのかなどを確認します。
これと同じく、自分が見ている色(色相)は、はたして他の人が見ている色と一緒なのかは絶対に判らない事ですので、色を見る時はそれ単体ではなく、他の色と合わせ見る「比色」が大切です。
参考に使う画像も「絶対にそれに合わせる」と言う訳では無く、全体的に色(濃度)を決める一つの基準として考えるような感じで行っています。今見ているモニターがiPadと同じな訳が無いですからね。
濃度が決まったら最後にクリアーを塗って本塗り完了です。大変お待たせ致しました!
テールランプの置き方の向きを交互にしてしまったので判り難いのですが、先ほどの画像で手前にあった方が右側(運転席側)で、こちらの上の画像が左側(助手席側)となります。
こちらは左側(助手席側)で、
こちらは運転席側ですね。突起の側面をしっかり塗りつつ隣に飛んだミストが馴染むよう往復したりして結構大変でした。
少々おめでたい感じだったフロントウィンカーですが、コントラストが効いて落ち着いた雰囲気のオレンジになったと思います。
高品位なアクリルポリウレタンのクリアー(クリスタルクリアー)で、ガラスのような質感を感じられるかと思います。
バックランプは反射板が強いので正面から見ると明るく見えますが、
装着されるのは目線より下になりますので、暗すぎず、しっとりと落ち着いた色味に見えるかと思います。
ハイマウントランプは周りの溝にピッタリゴムが嵌っていたので、キツクならないよう正面以外は薄目に塗るようにしました。
この後一晩は常温(と言っても現在は30℃以上ですが・・・)で自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、磨き処理を行った後にさらに数日寝かしたら完成となります。どうぞもう少々お待ちくださいませ!