RB26→RB28タイミングベルトカバー加工&塗装承ってます

先日到着しておりました日産スカイラインのRB26エンジン用タイミングベルトカバーです。こちらのオーナー様は以前同型部品を結晶塗装で御依頼頂いたのですが、どうやらその後車両が火災に遭ってしまったようで、今回新たにもう一台制作されるとの事で改めて御依頼を頂きました。この度もご贔屓頂き有難う御座います!

ご依頼内容は「艶あり黒」で、現状塗膜が剥がれ掛かっているので(素地調整不良とプライマーが塗られていない為)、一旦全部剥離後にサンドブラスト処理を行い、「研磨→プライマー塗布→サーフェサー塗布→完全硬化→研磨」といった作業で下地を整えてからの上塗りとします。クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーへの変更で承っています。

凸文字の部分はいつものように「6」を削り落とし、新たにアルミ板から切り出した「8」を取り付けます。

以前御依頼頂いた時の画像も紹介します。

この時は結晶塗装だったのでサーフェサーの塗布~研磨は不要でしたが、今回は艶あり仕上げなので素地の粗さはそのまま見えてしまいますから、別途下地処理が必用という訳です。

艶あり黒の施工例もあるのでそちらも紹介します。

この頃はまだTwitterをやっていなかったのでRB28仕様の加工は2~3年に一回くらいだったのですが、それを始めた2021年くらいからは年に2~3個と数倍の御依頼となっていて、今回のオーナー様もまさにそんな感じです。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

RB26→RB28タイミングベルトカバー 本塗り

先日調色作業を終えていたスカイラインGT-R RB26改28タイミングベルトカバーです。よく脱脂清掃し、エアーブローを行ったら本塗り準備完了です。

サフェ研ぎの際、角などで素地が露出してしまっている箇所があり、

そのまま上塗りを行うとまた腐食やブリスター等(剥離)の原因となる為、

スポット的にプライマーを塗布しておきます。

裏返し、表側と同様にフチなど怪しい箇所にもプライマーを塗っておきます。

続けてベースコートの黒を塗布します。

ベースコートの黒が乾いたら再び表側にひっくり返し、

まずは調色作業で使えなかった(廃棄になる筈だった)色を下塗りとして下地を隠ぺいさせ、

続けて調色済みの色を2コート程塗ってベースコートが完了です。500ml使う予定でも最初は200mlだけ色を作り、そのまま使えれば改めて在庫していた色を混ぜて下色を作り、または最初に作った200mlがダメになったらそれをそのまま下色に使う事で無用な廃棄を減らしています。このお陰でベースカラーに関しては廃棄はほぼゼロになっています。

ベースコートが乾いたら凸文字部分を研磨します。最初は#180から始め、最終#1300まで徐々に番手を細かくしていってアルミ素地を光らせます。

その後はエアーブローとタッククロスを使ってよくクリーニングをし、

露出したRB28のアルミ素地部に密着剤を塗布し、クリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

小物塗装では極力塗り肌が出来ないようレベリング重視(シンナー&硬化剤を遅めの物に選択)としています。

今回のように凸文字を変更するような作業は比較的マニアックで、以前は数年に一度程度だったのですが、Twitterを始めてからは年中これを行っているような状況になりました。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

RB26→RB28タイミングベルトカバー 調色

先日サフェ研ぎまでの作業が完了しているスカイラインGT-R RB26改28タイミングベルトカバーです。被塗物はいよいよ本塗り出来る準備が整いましたので、続けて調色作業を行います。

こちらは色の見本としてお預かりしたタイミングベルトカバーで、

色は日産純正色のシリカブレス(カラーコード:EY0)またはミレニアムジェイド(カラーコード:JW0)と思われますが、

どちらであれ塗られた色がどういった配合内容で塗られたのは不明なので、

今回は測色機を使って配合データを得る事にしました。

測色機=アクワイヤーについてはこちらの記事で紹介していますので宜しければご参照くださいませ。

計測する被塗面を綺麗に磨き、位置を三か所に替えて測色を行います。

それをPCで繋ぎ、既存の配合データの中から近い物が提示されます。

今回は修正後に96.2%合致しているフォードの色を採用する事にします。

ちなみにこちらは先日完成したセリカXXのヘッドカバーに採用した色で、四角いのは元の色を参考にそれに近い色を選んだ色見本、丸い物はそれを測色して作った色で塗った物(オイルキャップの穴のマスク型)です。

見比べてみると意外にも良い感じで、ブロックは厳しいとしてもボカして塗るなら十分なくらいに近い色となっていました。ボンネットやバンパーならボカシ無しでも行ける程で、基となる配合データ無しでここまで似せられるのか!とかなり驚きました。

と言う訳で色を作ってみました。

スプレーガンで色板に塗ってみると、何か違う・・・。

と言う訳で、後日新たに測色し直してみました。ちなみに今までインストールしていたデータは期限が切れていたので使えなく、新しいDVDを購入しました!

 また念のため、今回元々塗られているであろう日産純正色の「シリカブレス」(カラーコード:EY0)縛りで検索してみたところ、適応率は修正後でも66.2%と全然ダメでした。どうやらこの色では無いみたいですね。

なので次はミレニアムジェイド(カラーコード:JW0)で検索しましたが、これこそ全く違う色のようです。一体何色で塗られているんでしょう・・・。

と言う事ですが、前回使ったデータは避けたいので、日産系で良さそうな色=BEIGE(カラーコード:C42)の修正後データを採用してみる事にしました。最初に作った色よりは適合率が下がりますが、それでも95.8%あります。

今度はスティックで見るだけでも良さそうです。

とは言っても正面は白く(明るく)、

透かしは黒い(暗い)です。ただこれは白系の原色(MIX810 570)を予め抜いた状態で作ったからで問題ありません。透かしを白くするのは難しく無く、むしろ入り過ぎているととてつも無く大変になるので、最初は敢えて入れないで作るようにしています。

そこからはいつもの様に色板に塗っては微調整を行い、

見本の色に近づけていきます。塗装の調色は正面を良くすれば透かしが悪くなったりするので、そのバランスを考えながら調整していく感じですね。

メタリックは3種類使っていて、粒子の粗さもそうですが、見る角度によって明度の見え方が変わるので、その辺を考えながらどれを使うかを決めていきます。

透かしはもう少し青味が欲しかったのですが、

正面では逆に赤黄色味が欲しいという逆転現象が起きたので(調色ではこれがよくあります)、それぞれ丁度良さそうな所で止める事にしました。

実際にはもっと多くの原色を使っているのですが(元々配合データに入っている色)、調整に使ったのは主にこれらの原色です。正面の青味はグリーンパールで表現されていて(これは配合データそのまま)、これを減らしつつブラウン系も減らせればもう少し良くなると思うのですが、一度混ぜた物を減らすという事は出来ないので、バランスの取れたところで止めるようにしています。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

RB26→RB28タイミングベルトカバー サフェ研ぎ

先日サーフェサーを塗っておいたスカイラインGT-R RB26エンジン用タイミングベルトカバーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

このパーツは元々全体が凸凹としているので適当な研ぎ作業ではその粗がそのまま残ってしまいますから、当て板を使って全体を研ぎ直す必要があります。

文字周りは通常の当て板(市販品)では使えないので、アクリル片を使って研ぎつけます。

アクリル片は厚みが1mm、1.5mm、2mm、3mmがあるので、それぞれの部位によって使い分けます。最初に#800でラインを出し、#1500でペーパー目を均します。

その他の平面は#600でライン出し、#800でペーパー目を消します。

凸文字部は#120で粗研ぎしておきます。

最後に#1500の水研ぎと布状研磨副資材を使ってペーパー目の均しと細部の足付け処理を行ったら研ぎ作業が完了です。

次はいよいよ調色作業です。今回は測色機(アクワイヤー)を使ってみようと思います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

RB26→RB28タイミングベルトカバー サフェ入れ

先日「8」の凸文字加工を行っておいたスカイラインGT-R RB26エンジン用タイミングベルトカバーです。その後60℃40分程の熱を掛けて8の周りに筆挿ししておいたエポキシプライマー(サーフェサー)を硬化させ、研磨足付け処理を行っておきました。

このパーツはクランク角センサーを取り付ける穴の周りが腐食し易く、それが裏側にまで広がっているので、中古部品の場合は裏側の再塗装も必要となります(と言うより新品の塗装も良く無いので、長く良い状態を保つには裏側の再塗装も必須かと思います)。

まずは裏側にプライマーを塗布します。

続けて表側にも塗布します。プライマーはその名の通り一番最初に塗る塗料で、被塗物と塗膜の密着と、防錆の役割があります。

続けてサーフェサーを塗布します。サフェは一般的に「プライマーサフェーサー」=プラサフと呼ばれていますが、エポキシ系でない限りそれ単体では密着性・防錆力は低いので、先にプライマーを塗る必要があります。もしくは「必要無い」と考えればプライマーの塗布は不用だったりするのですが(実際最初に勤めていたディーラー内製工場では直接サフェを塗っていました)、出来るだけ長く問題の起きない塗膜を作ろうとするとプライマー単体での塗布は必要かと思っています(そもそも塗料メーカーのマニュアルにはちゃんと書いてある筈です)。

サーフェサーの役割は「充填」で、これにより傷や段差を埋めたり、細かいラインの形成を行ったりします。なのでかなり厚めに塗っておきます(ウェットで5コート程)。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!