S800ステアリング割れ補修塗装 完成

s8006 大変お待たせしました!トヨタS800の純正ステアリング補修塗装、遂に完成となります。長らくお待たせ致しました。

今回塗装を御依頼頂いたのはステアリングの中央部で、元々ここに割れが生じていたのを補修し、黒く塗っています。最初の画像を紹介しますね。

s800 製品自体は50年くらい前の物らしく、代替品も残っていないという事で今回の御依頼に至りました。

割れ自体の修理は色々良い材料があるので難しくは無いのですが、割れた箇所に突き刺さっているステンレススポークをそのまま残してと言うのがネックでしたかね。いっそここも塗ってしまえればどれだけ作業が楽だったことか・・・(まあオリジナルを損なうので当然駄目なのは判ってます)。

s8007そしてこんな感じで完成です。ちょっと黒が綺麗過ぎる気がしないでも無いですがその辺は御容赦頂ければと思います。

s8008「直したのが全く判らない」と言う程ではありませんが、少なくとも亀裂があった事は判らなくなっているかと思います。塗装後かなり熱を掛けていますが特に割れの後も出ていません。エポキシの充填が良い感じに出来たのではと思います。

s8009こちらを御依頼頂く前には「ステアリングボス」→「ウィンカーレバーホーンリング」を御依頼頂いていまして今回で3回目となります。同色であれば(全て同色の黒でした)一度に御依頼頂いた方が複数割引が適用されるのでお得ではありますが、レストアの場合はどこまでやるかの判断は難しいですよね。また気になったところがありましたらどうぞお気軽に御相談下さい。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度も御贔屓頂き有難う御座いました!

S800ステアリング 本塗り

s800S800のステアリングも無事本塗り完了しております。お待たせしました!

画像は先日塗布しておいたサフェーサーを研磨した状態で、周りのステンレス製スポーク部は軽く磨いておきました

s8002 そしてマスキングを行い本塗り準備完了です。塗装は裏表共に行いますが、周りのグリップ部分は塗らないので作業は比較的楽に出来ます。ちなみに樹脂部分が歪んで見えますがまさに歪んでいるのです。これはもうどうしようもありませんので・・・(勿論御了承済みです)。

s8003 裏側はこんな感じです。塗り際はかなりシビアになりますのでここのマスキングは通常のマスキングテープでは無く、径に合わせて丸くカットしたマスキングシートを使っています。塗装屋さんなら判ると思いますが逆アールで繊細なマスキングは難しいですよね。これなら非常に楽なのです(楽と言う程ではありませんがまだマシです)。

s8004 そして本塗り完了です。ブツ切りのマスキング部分は塗ったら直ぐに剥がして塗料が馴染むようにします。

s8005表側には前回御依頼頂いたホーンリングが付くので実は殆ど見えなくなりますが、側面やスポークの根元周りは当然バッチリ見えてしまいます。今回はこの周辺にあった亀裂を、スポークを傷つけないようにすると言うのが作業の肝でして、スポーク根元付近はエポキシ接着やらパテやらでかなり修正をしなければならないのに最終的にはそこで塗装を見切らないといけないのが一番のネックだったのです。スポークさえなければこんなに時間も掛からなかったんですけどね(まあそういう考えは無いですか)。

という事で、何とか無事に直した事も判らない程には出来たと思います。ちょっと艶は出すぎているかも知れませんけどね(笑)。

それでは完成までもう少々お待ち下さいませ!

S800ステアリング 下地処理

s8003 お待たせしております。ステアリングの中央樹脂部分に亀裂が入ったS800のステアリングも作業再開です。

s8007前回までは亀裂を接着する為にエポキシ接着剤を充填してきました。パックリ開いていた亀裂部分は良い感じに埋まってくれているかと思います。#180で研磨したらよく脱脂をしてプラスチックプライマーを塗布し、ここからはポリパテでラインを整えていきます。

s8004 スポーク部分にはパテが付いても駄目ですし傷をつけても勿論駄目なのでどうしても作業性が落ちてしまいますが(凄いストレスです・・・)、径に合わせて丸くカットしたマスキングシートがあるお陰でまだマシとなっています。これが無かったらと思うとゾッとしました・・・。

エポキシ2回、ポリパテ二回で何とか素地が出来上がりました。

s8005 表側にもサフェーサーを塗るのでこちらもマスキングをします。ちなみに正面のこちら側にもスポークと樹脂の土台部分に隙間があったのでここもエポキシ樹脂を充填してあります。

s8006再度プラスチックプライマーを塗布しサフェーサーの塗布が完了です。ようやくここまで来ました・・・と言う感じですかね。

この後はサフェ研ぎの前にまたマスキング、本塗りの前にもマスキング、計6回分のマスキングシートが必要となりますがそれでもカットは機械がやってくれるので随分と作業は楽に出来ています。

ではどうぞもう少々お待ち下さいませ!

 

TOYOTA800ステアリング 割れ修理

toyota8004先日充填しておいた第一段階目としてのエポキシ接着剤(3Mオフホワイト)が完全硬化したので第二段階目を行います。今回はいつものパネルボンドですね。同じくエポキシ系ですがこちらの方が粘度が高いので盛り易いのです。

toyota8003 ステンレス製のスポーク部分は塗らないのでマスキングをするのですが、普通にマスキングテープを貼るだけだと綺麗に仕上げられそうも無いので径を測ってマスキングシートを作る事にしました。「わざわざこれの為に」と思いそうですが、データさえ作っておけば本塗りの時に使う物も簡単に作れますので実際はこの方が効率が良いです。また同じ御依頼があるかも知れませんし(無いですね・・・苦笑)。

toyota8005接着剤はマスキングの上にも乗っかるので完全に硬化してしまうと剥がせなくなってしまいますから、多少固まったくらいの時に全部剥がしておきます。

まだこの状態では全然綺麗ではありませんが、ここまでが「強度」の為の修正で、ここからが「美観」の作業になります。ポリパテでは全く強度がありませんので(全くありません)こういった割れに埋め込んでも意味が無いのです。また最初から粘度の高い(固い)接着剤だとヒビ割れの奥まで届いてくれない恐れがあるので最初はシャブい(=粘度の低い)接着剤を使ったのです。実際に意味があるかどうかは判りませんが(本当は真空引きしてからの注入がベストかと)、何も考え無いでやるよりかは良いと思いますので・・・。

この後は同じ様にマスキングシートを貼ってスポークを傷つけないようにしてエポキシをサンディング、そしてポリパテでライン出し→プライマー&サフェーサー塗布、といった感じです。本塗りまではまだもう少し時間が掛かりそうですね。せめてお盆前には何とか・・・(大丈夫だと思います)。

TOYOTA S800ステアリング 亀裂修整

s800 大変お待たせしました!本日より作業着手しましたので御安心下さい。

こちらはトヨタ800なる年代物の車両の純正ステアリングで、部品自体も結構古いものですから当時のこのハンドルはみんなこんな状態になってしまうらしいです。どうやらこれでもマシな方との事でして・・・。

表面が傷だらけなのは#120で足付け処理をしてあるからです。これから強力なエポキシ接着剤で亀裂の内部に充填していきますが、溢れた物はそのまま食いつくように予め足付け処理をしておきます。

s8001 今回はいつもの3Mパネルボンドでは無く、同じく3Mのオフホワイトを使いました。前者は固形顔料分が多く粘度が高いのが特徴ですが、今回使ったこれは樹脂分のみなので亀裂の奥までよく浸透してくれるのでは?と期待したからです。重いと(粘度が高いと)表面だけで止まってしまいますからね。

使い方としては、専用ガンにセットして専用ノズルを取り付け、亀裂に押し付けるようにして内部の奥まで接着剤が届くように意識して充填します。ちなみにこの接着剤は元々2液性の物で、ノズルの内部がらせん状になっていて出て来る時に自動的に混合されるという仕組みです。最近の物は大抵こんな感じになっています。

s8002溢れた分は極力拭き取ってしまいます。この時点でラインを出そうとしても無意味なので(粘度が低いので垂れるだけです)、一旦きっちり完全硬化させてから今度は固形分の多いパネルボンドでさらに固定&盛り付けしようと思います(どちらもエポキシ系接着剤です)。やり方としては、多少溢れるくらいまでエポキシを盛り付けてそれを残しつつラインを整え、これ以上亀裂が広がらないように工夫しながら修整していこうと思います。

ちなみ理想としてはファイバー繊維で周りを一周させてしまう!と言う方法もあるのですが(cannondaleのカーボンフレームで行ったように)、それだと元のディテールでは無くなってしまうので今回のような部品ではナンセンスですかね。

こんな感じで少しずつでも進行させていこうと思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!