アームライトの塗装

 調色ライトと言う訳では無く、普通のアームライトです。KOIZUMI社の物ですが、机に固定する部分が無いので値段が付かず、安く売られていた物を買って保管しておきました。

ただ普通のアームライトとして使うつもりでは無く、塗装完成品の撮影時に使っている照明パネルを、このアーム部分だけを使って自在に動くようにと改造して使うつもりでした。

ただ製品自体がしっかりしていた事と、(これ以上)ゴミを増やすのもどうかと思って、取り敢えずシェードも塗装して再生してみる事にしました。

当初は時間を掛けず、このままべた塗りにしようかと思っていたのですが、

折角なので分解して色も別けて塗る事に。

色は元々工場にある備品に合わせてオレンジが良いと思っていたのですが、実際に塗ってみるとシェード辺りの雰囲気がちょっとレトロっぽく感じてしまい、

急遽ミントグリーンに!

↓あ、ちなみに使った色はこの色です。

比色

また折角なので溝やジョイント周りを黒で塗り分けてみました。

本来はこのままクリアーを塗らずマットな仕様で終わる予定だったのですが、

勢い余ってクリアーも(苦)。

またついでなので2トーンカラーの色見本も作っておきました。

 後日クリアー硬化後、再び黒い部分を塗り直します。全部艶ありだとちょっとクドイと思っていて(だからクリアーを塗りたくなかったのですが)、二度手間ですが黒い部分をもう一度艶消し黒で塗り直す事にしました。

黒のベースコートにメタリックアディティブ(MIX008。本来はメタリックの粒子感を強くして透かしを白くし正面を黒くする顔料。DUPONTだと4530Sです)を少量入れ、艶消しの黒で本塗り完了です。

アーム部分も艶消し黒に塗装しています。

そして完成です。

固定は棚に直付けしますが、取り敢えず撮影の為にその辺の台座に挿しました。

元々は全体をマットにしようかと思っていましたが、2トーンにした事でクドさは軽減され、艶有りでも良い具合になりました。

元々は値段が付かないようなほぼゴミのような扱いをされていた物ですが、オリジナルのカラーリングにしたり、自ら手を掛けてあげた物は自分にとってとても価値のある物になると思っています。実際今で塗った物がそういった感じで、そういうのは常に傍に残っています。

ただし仕事の塗装でここまでやると費用も高額になるので、余り現実的では無いのも否めません。

アームライトは昔は2万円くらいしたと思いますが、今ではIKEAで新品が二千円くらいで売っていたりしますから、それに数万円の塗装代を掛ける事は余り無いでしょう。

が!そういった事を解決出来るのが「自家塗装」で、プロはどうしても時間的な制限がありますが、これを自分でやってしまえば時間的な制限は一切なくなります(ただし多くの場合後悔する事になり、だからこそ私のような仕事が成り立つ訳ですが…)。

塗装以外にも、こういった金具を綺麗にしたいとその道のプロの方に相談すればそれなりの金額が掛かりますが(と言うか嫌がられますが)、

自分で磨けばお金を掛けずとも綺麗に出来ます。

ただ塗装となると技術以外に材料や工具、環境などが必要なのでそう簡単には行かない所もあります。当店のような小物の塗装でも今の環境を維持するには相当のコストが掛かっていますので。

と言う事ですが、実は知り合いが最近流行りのファブスペースなる物の立ち上げに関わっていて、どうやらそこでは塗装も出来るようになるみたいです。

もしもの話ですが、そういった塗装が出来るファブスペースがあって、そこに多少なりともコーチングしてくれる人が居れば、今回のような塗装も数千円の費用で出来るかも知れません。下地処理は自分の家でやっておき、必要な材料だけを持って後は本塗りだけ!となれば、1時間当たり¥2,000として、¥5,000もあれば出来上がるかも知れません。プロに頼むより1桁安くなる訳です。まあそんなに上手い話しは無いかも知れませんが(判ります判ります)。

実は塗装は単に塗るよりも失敗した時が大変で、なので通常本塗りが出来るまでに数年を要します。全てのフォローが自分ひとりで出来るようになってようやく本塗りをやらせて貰えるようになるので、いきなり塗りたい物を持ち込んで「さあ塗らせてくれ!」と言うのはちょっと難しいかも知れません。失敗したら諦めれて捨てられる物や代替が効く物であれば良いのですが、今回のような製品として出来上がっている物を塗るのはやはり難しいんですよね。

また塗装を行う場合は下地(素材)においても重要で、例えばノートパソコンなどを塗りたいと思っている方も居ると思いますが、PC系に使われているABS樹脂は耐溶剤性が弱いので下手をすると塗装で溶けてしまいます。

よくありがちな例としては、キーボードが使っている内に艶が出てくるのは摩擦で磨かれている訳では無く「皮脂」で樹脂が侵されて溶けている為で、そう言うのに色を塗って失敗したからといってシンナーで拭き取ったりする事は出来ません。失敗を何度も繰り返して経験を積み、それらの事を予想して本番では一度で終わらせる、と言う事が必要になります。

良い例としては以下のような案件がありますが、二度目は無いと思っています。問題が起きても補償はしないといった事が前提だとしても、無謀だったとしか言いようがありません。

「Surface3」塗装 完成

と言う事ですが、やはり何事もやってみないと判らない訳で、もしそういった塗装が出来る環境があれば是非紹介したいと思います。ただ知人がやろうとしている所には、当店にいらっしゃるお客様は余りウェルカムでは無いような気がしないでも無いのですが(苦)。

ちなみにそういった事が出来る設備としては既にDMM.make AKIBAがあって、立ち上げ当初に塗装屋を募集していたので、土曜日だけバイトで働かせて貰おうと本気で思っていましたが、今の環境(工場)を維持しながらだと普通の日当では到底賄えないので諦めました。

使用料について一応調べてみたところ、DMM.make AKIBAでは2時間¥1,500で、意外というか随分と安くてビックリしました。→DMM.make AKIBA 塗装ルーム

私も会員になってそこで小物を塗らせて貰った方が安泰なのではと(笑)。

他には車のブースを貸してくれるという所もあるみたいなので、探してみれば色々見つかるかも知れません。そして実際にやってみると、なるほどどうして塗装は高いのかも判って頂けるかも知れません(笑)。

 

ただ塗装は難しい反面、人の手では出来ないような事も表現出来たりするので、一度その楽しみを知ったら抜け出せなくなってしまったりもします。さらに高みを求めると趣味の範囲では難しくなり、それだったらいっそ仕事にしてしまった方が!と言う事で今のPRO_Fitが出来ていたりもしますので(苦笑)。

ポルシェミニカー 外装部品分解

 先日ボディの取り外しが完了していた1/43サイズのポルシェ911turboSのミニカーです。いよいよ外装部品を取り外します。

 ボンネットバッジは幸いにしてクリアーの上にシールが貼ってあった為、

 カッターの刃にシリコンオフを塗り、隙間に挿し込んで綺麗に剥がせました。

 フロントフェンダサイドマーカーは接着剤固定で、それを取り外すよりも外した際にどこかに飛んで行ってしまうのが恐ろしので、各部品は表からマスキングテープを貼った状態で外していきます。

 ミラーは外さないで塗れればと思ったいたのですが、結局外しました。

しかしヘッドライトカバーは頼んでもいないのに勝手に外れてしまうと言う・・・。

 ドアミラーの鏡部分の反射シールも綺麗に剥がせたので再利用可能です。下に敷いているのは糊が着かない紙で、これに挟んで保管しておきます。

テールランプは裏側から押すところは無く、かと言って外側から抉るのは嫌だったので…、

 裏側にあったネジを外してみると、

多少塗料で固着していましたが、強く押したらリヤスポイラーが外れてくれました。

スポイラーが付いていいた溝からテールランプを押せたので無事綺麗に外す事が出来ました。

ちなみにこのテールランプの本物がこちらです。

 と言う訳で何とか付属品は無事取り外せました。

 外装部品は単なる嵌め込みかと思いきや、結局ほぼ全ての部品に接着剤が付いていて、予想していたより時間が掛かってしまいました。しかもやはりと言うかある程度のリスクがあるので、仕事としてやるにはハードルが高いかもですね。部品取り用として一台用意出来れば間違いが無いのですが…。

それにしても1/43サイズと言うのに本当に良く出来ています。このキャリパーはこれですかね。

リヤのエンブレムはシールでは無くクリアー下にデカールが貼ってある為、

ロゴはデータから作成し、同じようにデカールを作って対応します。

既にデカールも出来ていますので、そちらはまた後日紹介しますね。

引き続きどうぞもう少々お待ちくださいませ!

ポルシェ内装色検証

現在塗装の仕事でお預かり中のポルシェ911 991の内装部品です。

ご依頼内容は黒いメーターカバーを内装パネルの色に合わせて塗装する作業なのですが、塗装屋さんなら判る通りこれは至難の業です。ドアパネルを交換したとして、隣接するパネル(リヤフェンダーとフロントフェンダー)は塗らずのブロック塗装、しかもそれを艶消しで塗るなんて無謀でしかありません。通常は調色作業をするだけして、さらに隣接パネルに色を暈すと言うのがセオリーです。

ただ今回は塗装する物がこのメーターカバーだけなので、当然ですがそこまでコストは掛けられず、なのでちょっと仕事以外の時間を使って色々検証してみようと思った次第です。本来ならさっさと原色を混ぜて色を作った方が早いのですが、やはりと言うか実際に出来上がった物の色が違うのは相当ショックですので…。

と言う訳で、今まで何度か登場した普段は使わない虎の子的なSTANDOXの色見本帳です。

以前車の塗装をしていた頃に担当してくれていたオートサプライヤーさんは非常に懇意にして頂いて、普通は手に入らないような色見本を色々とご提供いただいたりしました。

これらはSTANDOX North America、クライスラーやフォード、ジェネラルモータースに特化した色見本です。

これの素晴らしいのは「内装色」の色見本がある事で、

探してみると今回のようなポルシェの内装に似たような色も見つかります。

さらに素晴らしいのは既につや消しクリアーが塗ってある事で、これによって「クリアー塗装後の色変化」を気にしなくて良い事です。ちょっと判り難いかも知れませんので後程改めて紹介しますね。

意外にもエンジ色の内装は結構あるようで、

ただ今回のオーナー様からのご要望としては「 組み合わせる台座よりは、ほんの少し濃い感じで」と承っておりますので、ちょっと(と言うか全然)足りないかなぁ、と。

他にも良さそうな色はあったのですが、こちらは艶あり仕上げなので良く判りません。

そうなんです、下に塗ってある色は同じでも艶ありとつや消しでは全く違って見える為、艶違いの色見本は全く参考になりません。当然ですが調色作業も然りです。

こちらもSTANDOXの色見本で、これらの赤はベースコートはどれも同じ色ですが、その上に塗ってあるトップコートが違います。

こちらの黒もそうです。

最初から同じ色だと言われていればそう見えるのですが、この状態ではどうやっても同じ色には見えないので、多分これらが違う色でもそう言われたら同じ色に見えてしまうと思います。

なので艶消しで色を合わせるにはやはり調色の段階でもつや消しクリアーを塗らなければならなく、ただそうなると塗装費とは別に調色費(と艶調整費)に膨大なコストが掛かってしまう為、ご依頼自体が難しくなってしまうのです。車の事故修理みたいに200万円の工賃になら調色の為に5万円のコストを掛けるのは仕方ない(と言うか当然)と思いますが、今回程のサイズで塗装費とは別にその費用は現実的では無いですよね。

と言う訳でジャジャーンと!

って、まあこれはSTANDOXユーザーであれば普通の色見本なのですが、ただちょっと他の物とは違います。

こちらは主に外装の特別設定色で、日本車では余り見られませんが車体色とは別にバンパー等に塗られた塗色用の色見本となります。

最近は判りませんが、一昔前ではW124辺りのメルセデスベンツだとバンパーとサッコプレートがボディカラーとは別色&艶消し仕上げになっていた仕様が多くあって、そういった時にはとても役に立つ色見本です(ただ実際はそんなに使わなかったのですが…)。

こちらの方が種類が多い為、先ほどの内装用の色見本よりも近い色が見つかりました。

色見本帳自体凄く正確と言う訳でも無いのですが、適当に色を作ってつや消しクリアーを塗らないまま本塗りをしてしまうよりかはこちらの方が近い色に出来ると思います。

ただここまでやってしまうと「結局コストが掛かってるじゃん!」と突っ込まれてしまいそうですが、実は今回理由があって・・・

そうなんです。実は今回の内装色、別件でご依頼作業中のポルシェのミニカーと同じ色なんです!ちょっと興奮していました(笑)。

最初の画像にあった皮が貼られた部品は恐らくここにある肘掛だと思われます。凄い偶然と言うか、ここまで揃うともう何かの啓示としか思えません(いや、なんでもありません…)。

以前も少し書きましたが、いつかは自宅でひっそりミニカーでも塗って余生を過ごしたいという事もあって、ただミニカーを塗れる人は普通に沢山いる訳なので、そこはやはり差別化は必要だと思っています。

その方法の一つとして実車のデータをミニカーにフィードバックすると言う考えがあって、前回エンブレムのデータを作成したような感じで、今回実車の内装色を採取する事が出来たのは有り難かったです。カラーコードさえ記録しておけば30年後に同じ色を作る事が出来ますからね(ってカラーコードをオープンにしている時点でまるで駄目なのですが…)。

ポルシェ1/43ミニカー 下準備

先日塗装の仕事としてお預かりした1/43サイズのポルシェ純正ミニカーです。念の為ですが遊びではありません。

実は届いたその日にはある程度作業をしておりまして、分解の目処はつけていました。

ガラス部分は恐らくポリスチレン樹脂製で、これはカセットケースやCDケースとかに使われている素材と同じく手で触るだけで傷が付いてしまうような弱い樹脂の為、極力最後まで素手で触らないようにします。

取り外し方は隙間にヘラを挿し込んで両面テープをゆっくり剥がしていきます。

ただ両面テープ以外にも瞬間接着剤が点付けされている為、剥がす際にはピキピキと嫌な音が結構します。幸いにして何とか無事に取れました。

ちなみに一旦80℃程の熱を掛けて接着効果を無くしてあげるという手もあるのですが(物にもよりますが瞬間接着剤は大抵そのくらいの温度で効果が落ちます)、プラスチックが変形する恐れもあるので今回はパワープレイで行きました。

サイドガラスはピラー部分に嵌め込み&点付けで接着剤が塗ってあり、内側にマスキングテープを貼ってゆっくり指でテンションを掛けて外しました。

しかしこのサイドガラス、若干スモークが入っている所が素晴らしいと言うかちょっと感動してしまいました。

ヘッドライトなどの外装部品は穴に嵌め込んでの溶かしカシメのようで、まだ外してはいませんが壊さずに外せそうです。いやはや安心しました。

ちなみにボディパネルとシャーシの固定には普通ボディの下にネジやカシメが見えるのですが、今回はアンダーカバーでそれらが隠されていました。しかもやはりアンダーカバーは瞬間接着剤が使われています。ちょっとイヤらしい感じですかね。

そしてリヤのエンブレムです。デカールの作成はまだですが、先にデータだけ作っておこうかと思います。

まずボディの幅を測ります。

一応PORSCHEロゴの幅も。

ちなみにPORSCHEのロゴはいつもブレーキキャリパーを塗装する時に使っているデータがあるので今回はそれを利用します。turboは以前カッティングシートを作った時に使ったデータがありました。

ネットからエンブレムの配置が見易い画像を見つけ、それを下に敷く感じにして各ロゴの幅や字間、位置を調整します。この辺はミニカーを参考にするよりも実車の方がやり易いですかね。

ちなみにPC上で作成したデータのロゴ幅は13.12mmで、ミニカーの方をノギスで測った幅は12.68mmでした。誤差は0.44ミリで、どうせなら大きい方が良い気がしたので実車をトレースした方を使おうと思います。

後は後日一応プリントして実車合わせをするか、もしくはそのままデカール印刷を行ってしまおうかと思います。って、何だか仕事みたいになってしまいましたね(いや、普通に仕事なのですが・・・)。