タワーバー塗装 完成

tower11 大変お待たせしました!スチール素材のメッキ製タワーバーの塗装、遂に完成となります。

オーナー様の御希望により「紹介はサンドブラストが終わった状態からで」との事でして、確かに到着した時の状態は相当凄い状況でした。塗膜の厚みは1ミリ以上はあったのでは無いでしょうか・・・。

tower12 最初に御願いした塗装屋さんでは錆が残ったままだったり塗装が剥がれてしまったりと、その後も塗り直しを御願いしたようですがそれでさらに塗り固められてしまった為かさらに見栄えの悪い状態になって戻って来てしまったとの事です。色々と紆余曲折あったようですね・・・。

tower13ちなみにどちらが表側でどちらが裏側かなのかが判らなかったのですが、一応どちらを表にしても大丈夫には出来ていると思いますのでご安心下さい。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

インプレッサSTIフェーエルキャップ 下準備

sti4こちらもお待たせしております、インプレッサSTIのフェーエルキャップですね。サフェーサーの研ぎ自体は先日終えていたのですがこれに入れる文字について色々ありまして(笑)、ただそちらも何とか光明が見えて来ましたから近々作業再開の予定です。

imp56フェーエルキャップのベースカラーはハイオク(の給油ノズル)をイメージしたレモンイエローで、ただそこに入れる文字が当初予定していたよりもちょっと(と言うかかなり)増える事になりまして、それに比例して文字のサイズは小さくなりますからこちらも塗装では無く「デカール」での対応となったのです。

デカール自体は以前から塗装に利用はしていたのですが、今までは既存の「白」「黒」「シルバー」「ゴールド」など単色を使っていたのでそんなに気にしていなかったのですが、今回の文字色は「青紫」で御指定頂きましたのでそれの準備が必要だったのです。デカールを作成する為のドライプリンターは一般的なインクジェットプリンターのように何も気にせずカラー印刷をすると逆に汚い仕上がりになってしまうので、先に紹介したようにCMYを重ねて刷って色を表現しなければならないのです。

「だったら普通の顔料インクジェットプリンターを使えば」と思いそうですが、あれらは「白い紙」の上に印刷する事であの色を表現されているので、塗装の上に貼ることを想定して透明なシール(デカール)の上に印刷しても本来の色味にはならないのです。今回はベースカラーがイエローですから明度は高いので色相の調整をすれば何とか出来ますが、黒い色の上に色だけのデカールを貼っても何も見えないんですよ。なのでまず白を刷って、その上に寸分狂わず色を重ね刷っていく印刷が必要となるのです。業務用の機械なら数百万円のUVプリンターなんて物がありますが、塗装の付帯作業として行うにはとてもじゃありませんがペイ出来ませんし・・・(しかも年間保守点検費用が40万円とかって・・・個人では難しいですよ)。

色味についてはこれからの調整ですので上の画像は参考程度とお考えいただければと思います。ちなみに右側の「B案」であれば塗装でもいけたかも知れませんが、左側の「A案」では文字自体の線が細いのでこれを塗装で行う為のマスキングシートが作れないのです。下段の文字は一つのサイズが3ミリくらいしかありませんので・・・。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。今日は某テレビ番組が最終話なので仕事は早々に切り上げさせて頂きます(と言っても既に日付が変わってますが・・・)。

SHUREマイク用デカール製作

mic19 先日ちょっと紹介していましたデカール作成用のドライプリンターです。最終型のMD5500では無くその前のMD5000iで、その奥にはMD1500、そして自宅にはMD4000と合計3台になりました。一番手前のMD5000は先日オーバーホールを終えた物でこれが仕事専用の物となります。寸分の狂いも無く同じ箇所を何度も刷る様なプリンターですから、逆を言うとちょっとしたことで狂いが生じると使い物にならなくなるのでとてもデリケートに扱う必要があるのです。

ただ仕事以外にも色々と使いたいと思ったので、それ専用にと用意したのが奥のMD1500です。本当はMD5500を二台並べたいところですがオーバーホールまですると新品を買うのと大差無い金額になってしまのでして・・・。

mic21使うインクは昔懐かしの「インクリボン」で、使った事がある方なら良く判ると思いますがコストも半端無いです(笑)。メタリックになると一個¥2,000くらいしますからインクジェットのような気軽さでは中々使えません。

ちなみに画像中央にあるのが本日届いた「ベースホワイト」で、それの右隣にある「特色ホワイト」と組み合わせて使います。同じ白ですがそれぞれに特徴があるので上手く使い分けつつ重ね刷りをして綺麗な白を印刷するのです。一見普通に思えるかも知れませんが、家庭で手軽に「白」を印刷出来るプリンターは存在しないんですよね。

mic22こんな感じでインクリボンをセットします。これの凄いところは、印刷中にインクリボンを替えたりも出来る事で、そんな事をしても印刷位置がズレたりはしません。恐るべき精度です。

mic20そしてようやく全種揃いました。同じロゴが数個あるのはその中から一番出来の良い物を選ぶ為です。特に赤い「60th」は擦り方がそれぞれ違いますし、また白のロゴに関しても2回~4回まで重ねて刷っているので、中には微妙に擦れてしまっている物もあったりするのです。まあ普通は気にしないレベルなのかも知れませんけどね。所謂ワンオブサウザンドです(判りませんか・・・)。

これでようやく実作業が出来ますので、後は下地処理を行ったら各色を作成し、本塗りとなります。ただもう少し先ですかね。

ちなみにこれとは別件で、現在「インプレッサのフェーエルキャップ」や「オーディオパネル」などの案件にも今回のようなデカールの使用で御依頼を承っています。後者のオーディオパネルは恐らく自作のパワーアンプで、10ミリ厚のステンレスパネルから切り出した物に塗装&デカールでの文字入れをとなりますので、オーディオマニアの方には結構面白いかも知れません。ただ現在visioファイルが見れないと言う状況なのでそちらのデカール作成はまだ先になるかと思いますが・・・。なので先にフェーエルキャップのデカールを作成する予定です。こちらももう少々お待ち下さいませ。

スピーカーベース(ピラーカバー)塗装 完成

speaker8 大変お待たせしました!自動車内装のピラーカバー、本日完成となります。穴の奥にツィーター(スピーカー)、表側にネット(網)のカバーが装着されるような感じでしょうか。

speaker9素材はPP(プリプロピレン)製のプラスチックで、 元々は未塗装で素地はザラザラとした梨地でした。この状態で見るとちょっと想像し難いかも知れませんね。最初の画像も紹介致します。

pillar7自動車の内装パーツは大抵がこういった状態だと思います。塗装をするのが前提であれば素地がツルツルした状態の方が良いのですが、コストを抑える為に「プラスチック剥き出しのまま」となるとこういった梨地やシボ模様があると未塗装の状態でも結構見れるのです。ただし塗るとなるとこれが邪魔になるので下地処理の為の費用が余計に掛かる訳なんですよね。

speaker10巷ではこういった艶々の黒を「ピアノブラック」と呼んだりするらしいのですが、私の居た塗装の業界では特にそういった呼び方はしませんしその定義も良く判りませんので御依頼の際は単純に「艶有り黒で」といった感じで構いません(伝われば何でも大丈夫です)。

それでは後ほど完成の御連絡差し上げます。この度も御贔屓頂き有難う御座いました!

マツダアテンザメーターパネル内側塗装

atenza101 先日塗り終わっていましたアテンザのメーターパネルです。塗膜は完全硬化していますので最後の仕上げにメーター内側の部分を「半艶の黒」で塗装します。ちなみにきちんと硬化していないまま塗るとチヂレが生じて最初からやり直しです。

atenza102 今回は2コート仕様では無く「1コートソリッド」での半艶とします。何もないところにバツ切りで新たに塗膜を重ねるので、塗膜の際を出来るだけスムースに仕上げたい、と言うことですね。隠蔽性の良い濃色であればこれは有効です(勿論貼り方と塗り方によりますが・・・)。

ちなみに通常の1コートソリッドであれば「艶有り黒」に「艶消し剤」を既定量入れて「反艶の黒」を作成しますが、今回は元々艶消し剤が練りこまれてパッケージ化された「艶消し黒」に艶有りの黒を入れて作成する事にします。勿論どれにも50%の硬化剤を入れます。

パッケージ化された「艶消し黒」はちょっと珍しいかも知れませんが(STANDOXユーザーでも普通は知りませんよね・・・)、縁あって入手した物があるので今回はこちらを使います。ちなみに出所は内緒です(勿論製品としてはちゃんとした物ですのでご安心下さい)。

atenza103 ブツ切りマスキングの際は2mm幅の「ラインテープ」を二重に貼っています。二回目に重ねるテープは最初に貼ってあったテープを若干食み出るような貼り方にして「ひさし」のような感じにするのです。こうすると際が少しボケたような仕上がりになって段差が軽減されます。ただ「食み出る」といっても0.1ミリくらいなのでパッと見は判らないですけどね。

atenza104元々塗られている色は黒に近いメタリック(パール)で、これはほぼ黒と変わりありませんからその上に塗る黒も1コートあれば十分です。実際には最初に様子を見ながら全体に満遍なく塗りこみ、そのまま続けてウェットに塗り込みます。塗り残しが無いのを確認したら直ぐに際のラインテープを剥がして塗膜が馴染むようにします。まあ先ほど紹介した「ひさし」の効果がちゃんと出ていればそんなに急いで剥がす必要は無いのですが、何に関しても「保険」を掛けておけば安心ですからね。

後はこちらが完全硬化したら最初についていたモールやら人口皮革やらを取り付けて完成となります。来週始め~遅くても半ばくらいには完成出来る予定です。もう少々お待ち下さいませ!