ヴィオラ・ダ・ガンバ カーボンケース 修正

viola52先日完成していたヴィオラダガンバなる弦楽器のカーボンケースですが、一部気になっていた箇所があったのでオーナー様にお願いしてもう少しお時間を頂戴して修正する事にしました。さらにお待たせしてしまい申し訳御座いませんでした・・・!

viola62 気になっていた箇所は付属品を取り付けた所の塗装で、元々リベットで着いていた物を今回ネジに変えたのですが、強く締め過ぎられてしまったせいか金具のフチが塗膜にめり込んで周りが少し盛り上がってしまっていたのです。勿論元々その傾向はあったのですが、折角綺麗になったのでどうにかしたかったんですよね。

viola63.jpg 原因としては部品自体の構造にもあって、今回の物はエッジが立ったフチが塗膜に刺さるような感じだってのでそこにスペーサーを入れて「面」で抑えようと言う作戦です。

部品は一旦全て取り外し、スキャナーに掛けて輪郭を抽出してデータ化→レーザーカットでスペーサーを作成します。

viola65 まずはこんな感じで1.2ミリ厚のアクリル板を内側に嵌め込みました。本当は最初からこうしておけば良かったんですよね。いやはや失礼しました。

viola64さらに周りの盛り上がった部分も隠したいので、今度は金具よりも少し大きいサイズになるように0.5mmのABS樹脂をレーザーカットします。

ちなみに何故こちらはABSかと言うと、0.5mmの厚みのアクリル板では割れてしまうのでここは柔軟性に長けたABS樹脂にしています。ただこの厚みで黒いのを持っていなかったのでこれの取り寄せに少し時間が掛かってしまいました。

viola66 こんな感じで0.5mmのABS板を間に挟む事で尖ったエッジを直接塗膜に当てない様にします。いや本当に最初からこれをやっておけば良かったんですよね・・・失礼しました。

viola67 同じ様にヒンジの部分も作ります。こちらは少し厚みがあったので内側に入れるアクリル板は2.5ミリくらいの物にしました。

viola69 ちょっと判り難いと思いますが(と言うか目立ったらマズイですからね)、上に着いている金具と塗膜の隙間に黒いABS板が入っているのが判ると思います。ちなみに下の金具は元々面で固定されているのでそちらはそのままで問題ありません。

viola71同じく蝶番の部分にもスペーサーが入りました。こちらは負荷が大きそうなのでABS板も少し大きめにして押し付けられる力を分散しています。

と言う訳で一旦剥がした内側のスポンジも元どおりに貼り付け、再度もう少し寝かして乾いたら今度こそ完成とさせて頂きます。長らくお待たせしてしまっているのにさらに延長させて頂きまして申し訳御座いませんでした。ではどうぞもう少々お待ち下さいませ!

(いやー、しかし予想以上にレーザー加工機が活躍してくれて助かりました。笑)。