先日下塗りを終えていたロータスエキシージV6エンジンのヘッドカバーです。
その後熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、いよいよ本塗りの準備です。
肌が悪い個所などは#800の水研ぎで平らにし、布状の足付け処理用の副資材(アシレックス)とスコッチとナイロンブラシとウォッシュコンパウンドで足付け処理を行います。
内部~裏側まで綺麗に洗浄し、マスキングをし直して本塗り準備完了です。
足付け処理の際に下地のサフェーサーが出た個所がありますが問題ありません。この黒はあくまでも下塗りなので問題ありません。アルミ素地が出ている箇所は無いのでプライマーの塗布も必要無く、そのまま本塗り開始です。
まずはベースコートの黒を塗ります。画像だと塗ったばかりなので艶がありますが、この後艶は消えていきます。
そして今回の塗色であるSTANDOX原色JLM-906、SPFシルバーです。
左の色見本は以前施工したプレオのルームミラーと同じ仕様で、下色に黒を塗り、その上に「JLM-906:バインダー」を1:4にしたSPFシルバーを塗っています。
右側はJLM-906を100%で完全隠ぺいした仕様で、今回はこれの中間辺りを狙っています。
下色の黒にはいつものIWATA LPH(低圧ガン)を使いましたが、最初に塗ってみた感じでこれはマズイと言う事で、同じ低圧でもより吹き返しの低いデビルビスを使う事にしました。こちらの方がより低圧ガンらしく、凸凹して奥まった細部にも塗料が塗着し易いです。
SPFシルバーの仕様は「JLM-906:バインダー」を1:6で、これは先ほど紹介した「1:4」よりも顔料の含有量が低くなりますが、その分コート数を増やしてシルバー感を強くします。被塗面の形状が平らでは無くこんなに凸凹なので、膜厚を均一にする為に多方向から塗って分散させます。
傍らには色見本も用意し、先にこれを塗る事でシルバーの具合を確認します。道先案内人みたいな感じでしょうか。
そしてベースコートが完了です。上面は16方向、側面は4方向、都合32の角度から塗装し、何とかムラなく仕上げられたと思います。
クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーを使用しています。
各部に貼ったマスキングは塗装直後に剥がしています。プラグホールに一個残っていますが、ちょっと固く入り過ぎていて、何だか嫌な予感がしたので無理はしないようにしました(落としたら終了ですので…)。
参考までに最初の状態も紹介しますね↓ 殆どの個所は「そこ、どうやって研げば…」と言う形状でした。
こちら側のカバーの方が形状が複雑な為、その分コントラストが効いて金属感が強く感じられます。
製品自体の歪は残っていますが、これが元々あのザラザラとした梨地だったとは判らないと思います。
ブースの中だと照明の光が多方向から当たるので立体感に乏しくなりますが、それでも普通のシルバーでは無いのが判ると思います。
この後60℃40分程の熱を掛けて強制乾燥し、さらに他の被塗物と一緒にもう2~3回くらいは熱を掛けておこうと思います。
それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!