BMW Motorrad R nineTヘッドカバー 本塗り

先日フィン凸部の上面を粗研ぎしておいたBMW Motorrad R nineTのシリンダーヘッド(2バルブスタイル)一式です。

既存の塗膜は比較的しっかりしているので剥がさず、足付け処理の為にサンドブラストを行います。

当初はウェットブラストを使おうと思っていましたが、結晶塗装は素地の粗さ(粗いペーパー目等)を目立たなくしてくれる効果がある為、だったらという事で作業性が良く確実に足付け処理が出来るサンドブラストにする事にしました。

サンドブラストというと「既存の塗膜もそのまま削れる」と思いがちですが(私もそう思っていました)、当店にある吸い上げ式ではそこまでの威力は無く、またブラスト専門店に御願いをした場合でも塗膜を剥がしてから行う場合があるとの事です。ちなみに以前依頼をした際、作業を担当された方が塗膜を残ったまま直圧ブラストを行い、部位によってブラストの当たりにムラが生じて被塗物に穴が開いてしまう!という事態になり、その後は塗装を出来るだけ剥がした状態でお願いする事になりました。サンドブラストは固い物には有効ですが、柔らかい物だと効かないんですよね。尚そちらの案件はオーナー様も内容をよくご存じで既に解決済みとなります。

その後シンナーで洗い流すようにして全体を洗浄し、

全体にプライマーを塗布します。見た目では素地のアルミが露出した箇所は見当たりませんでしたが念のためですね。

カバーパネルの裏はベースコートの黒を塗っておきます。

本体の方も裏側が段になっていて表から塗るとそこに色が入らないので先にベースコートの黒を塗っておきます。

そして全体に結晶塗装用の塗料=リンターを塗布します。

そのまま塗るとフィンの間には塗料が入らなく、なのでノズルを細くして一本ずつ塗っていきます。

その後140℃程の熱を掛けて本塗り完了です。お待たせしました!

予め削ったフィンの部分はそのまま塗っていますが、後日再びここを研磨してアルミ地を光らせます。

ちなみにこちらもカバーパネル部分は上手く結晶目が揃わなかった為、一旦洗い流して塗り直しています。

初めて結晶塗装を行った時は「誰が塗ってもチヂミ模様が出る簡単な塗装」と思っていましたが、その後「美しい結晶目」を気にするようになってからは、この塗装が一番難しい作業になってしまいました。

こちらも後日もう一度120℃30分程の熱を掛けて二度焼きし、その後フィン部を削ります。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!