自動車内装パーツ3点 本塗り

先日お預かりしておりました自動車内装カバーパネル3点です。

こちらは純正の内装パーツの上に被せるタイプの製品で、裏側には両面テープが貼ってあります。

フチから1ミリくらい内側の箇所を目安にマスキングを行います。フチの側面まではしっかり色が入るようにですね。

今回はロゴ入れを承っておりまして、予め作成したデータ上ではパーツを実寸に合わせていますので、ロゴもそれに併せて横幅110㎜という数値が出ていますが、

実際に合わせてみると全然イメージとサイズが違っていたりするので、幾つかサイズを変えてプリントアウトし、

切り取ったロゴをパーツに合わせ、イメージイラストと近いサイズの物を採用します。結果、当初のロゴよりもかなり小さく横幅約90mmとする事にしました。

そのデータを基にカッティングプロッターでマスキングシートを作成します。今回はいつもと逆のオス型ですね。

そして下地処理です。フチのカット面はガタガタしているので、形を崩さない程度に#320→#400→#500で研磨、その後全体を#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で足付け処理を行います。

手で持って塗れるよう芯棒を取り付けます。

よく脱脂清掃し、

エアーブローで埃を飛ばしたらプラスチックプライマーを塗布します。

まずはロゴが入る箇所を大きめの範囲で隠蔽力の高いオレンジで2コート程下塗りします。

続けて日産純正色「アルティメイトシャイニーオレンジ」(カラーコード:EBG)を3コート程塗ります。

イメージイラストを参考にしてマスキングシートを貼り付けます。尚、周りの枠は位置を決めやすいようにしたガイド部分となります(パーツ右側のラインに合わせて水平垂直を出しています)。

そしてメインカラーとなるトヨタ「ブラック」(カラーコード:202)を塗布します。いきなり全体をウェットに塗るのではなく、最初の1~2コートはマスキング箇所を避けるようにして塗ります。極力段差をつけない為ですね。

最後に塗り分け箇所を丁寧に薄膜で黒を塗ります。

ベースコートの黒が乾いたらマスキングシートを剝がします。

ちなみにベースコートをドライコートでガサガサに仕上げてしまうと、その後のクリアーコートでいくら艶々にしても完全硬化後に艶引けを起こしてしまいます。なのでベースコートもしっかりウェットコートで塗ってツルンとした肌にする必要があり、ただそれを今回のマスキング箇所に無造作に行うと表面張力でフチに溜まった塗料で激しい段差が出来てガタガタとしたラインになってしまう為、その辺のバランスが良くなるよう対応しています。

 

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

塗り分けた箇所には段差が出来ているので、こちらは完全硬化後に研磨して均し磨き処理を行うようにします。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!