THERMOS 3コートホワイトパール 本塗り

先程に続き、3本ある内の一本、スターバックス(サーモス社製)タンブラーです。

元々は艶消しの白の上に人魚様のロゴが黒でプリントされていました。

 先程の黄色いタンブラーと同じように、ステンレス素地を極力出さないよう上の黒いプリントだけを削り落とします。

 全体は#800の空研ぎ(アシレックスレモン)で足付け処理を施しています。

 ちなみに底部のマスキングは2重にしてあって、最初に貼ってあるマスキングシートは既存のプラスチック板と同じサイズに、さらにその上に直径を0.3mm大きくしたマスキングシートを中心を揃えて貼っています。

レベリングの良いクリアーは表面張力も大きい為、ピッタリ貼るとそこにクリアーが溜まってしまので、少しだけ(約0.15mmだけ)マスキングシートが飛び出る事によってそこを「庇状」とし、マスキング際にクリアーが溜まらないようにしています。

今回の仕様はこちらとなります(尚、イメージイラストの作成は【標準コース】以上となりますのでご了承くださいませ)。

 白については「真っ白」と承っていますので、これ以上白くは出来ない(ならない)と言う事で白の原色(MIX570)をそのまま塗っています。

 ただし先程の3コートイエローパールと同様、カラーベース(下色)が明る過ぎるとその上に塗るパールベースが目立たなくなる為、パールは粒子が一番粗い「MIX826」を、さらにパール感(ギラツキ感)を高める為、同量のメタリックアディティブ「MIX008」(フリップコントローラー)を入れています。

ちなみに通常の3コートパールは下色に多少なり黒や黄色などを入れて色味を出してその上に塗るパールを際立たせていたりします。またSTANDOXのホワイト系パール原色は4種類あって、それぞれ「極細目・細目・中目・粗目」となります。

 そしてロゴ入れの準備です。

 こちらのロゴはある程度サイズがあるのでマスキングによる塗装で対応可能です。

 予めセンターの位置を出しておき、そこに合わせてマスキングシートを貼り付けます。

 ロゴの位置は「底から1.5cm辺り」に合わせました。

 その他の部分を養生し、

 ベースコートの黒を塗ります。

 マスキングによる塗装で手間が掛かる点としては、貼ったシートを一度に剥がせないという所です。

 ピンセットや爪で剥がそうとすると塗膜を傷付けてしまうので、最初にデザインカッターの刃先でシートの端を持ち上げ、そこをピンセットで摘まんで一つ一つ剥がしていきます。

これでようやくベースコートが完了となります。

 最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

この後一日(一晩)以上は自然乾燥とし、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させたら最後に磨き処理を行います。

完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

THERMOSイエロー3コートパール 本塗り

先程に続けて、3本あるタンブラーの内の一本 です。

元々はこちらのヤギでデータを作製していましたが、

 その後ご要望があってこちらのヤギのデザインに変更となりました。

 色に関しては「現在のボトルの地色」で、さらにこちらを「3コートパール」の仕様で承っています。色はかなり鮮やかな黄色で、STANDOX原色MIX884が比較的似ていたのでこれをこのままカラーベース(パールベースの下色)として採用する事にしました。

塗膜は剥がしませんが、その上にプリントされた絵柄をそのまま残すと痕が出てしまう為(耐溶剤性が弱いらしくチヂレ気味になり、エッジマッピング宜しくそのまま延々残ります)、ステンレス素地を出さないよう注意してそれだけ削り落とします。

スタートは3本同時ですが、色が違うのでベースコートは1本ずつ行い、終わった物は恒温器(乾燥炉)に入れて保管しておきます。特に今回はデカール作業があったので2日に分けて本塗りを行っています。

底のプラスチックプレートは剥がす事が出来ますが、穴が空いているとそこから内部の中空部分に空気が入ってしまい、真空でなくなってしまう為に保温効果が落ちてしまいます。なのでこのタイプはマスキングで対応し、結果既存の塗膜もそのままで本塗りを行うようにしています(ですのでこの方法だと新品以外は対応が出来ません)。

色に関しては今回は「3コートパール」で承っていますが、鮮やかなイエローの上にパールを塗り過ぎると彩度が落ちてしまう為(白っぽくなる為)、事前に検証しながら色を決めていきました。

こちらは「イエローパール」ですが、鮮やかな黄色の上にこれを塗っても効果は少なく、むしろ彩度が落ちて逆効果になる為、

今回はこちらのゴールドパール(パウダータイプ)をメインに使う事にしました。

これらの顔料をバインダー(樹脂)に混ぜると、

こんな感じになります。下色の鮮やかなイエローを損なわないようにしつつ、パールの存在感を出すような感じでしょうか。

 カラーベース(MIX844)→パールベース(先ほどのパール)を塗り、十分に乾燥させたらデカールの貼り付け作業を行います。

 木工用ボンドを溶かした水にデカールを浸して台紙を剥がし、

専用の接着剤(マークセッター)を使って所定の位置に貼り付けます。「底部から2cmくらい」の位置にしました。

 その後恒温器の中に一日保管して十分にデカールを乾かし、

 クリアーを塗って本塗り完了です。

 ここまで小さいサイズは塗装(マスキング)では出来ませんが、デカールであれば対応は可能です(データの作成や調整、デカールへの印刷と貼付けには別途費用が必要となります)。

ちなみに当初「yagijapan」の部分は塗装で、左右のヤギのみをデカールで、とも考えていたのですが、そのまま繋げて貼った方がズレる心配が無いので今回は全てデカールで行いました。ボトルが少しでも曲線(円錐状)になっていたらこの方法は出来ませんでしたが(シワが寄ってしまうので)、今回は完全な円柱形だったのでこれが出来ています。

それでは続けてホワイトパールの仕様も紹介しますね。

THERMOS黒メタリック 本塗り

結構前にお預かりしておりましたサーモスと、同社製スターバックスのケータイマグ3本です。ヤギのイラストについて色々打ち合わせをしておりまして時間が空いておりました。そちらはまた別記事で紹介したいと思います。

まずはこちらのサーモスケータイマグで、元々黒系の塗装が施してあるのですが、今回こちらも序でに(恐らくはクリスタルクリアー仕様にして今後の塗装剥げを防止したいのでは)と言う事で、こちらを「真っ黒」の「メタリック」で御依頼頂きました。

オーナー様のご要望が「真っ黒」と言う事ですので、極力黒さが損なわれないよう今回はガラスフレークを使う事にしました。

その名の通りガラスの粉末で、特別な物と言う訳では無く普通に自動車のボディーカラーにも使われています。確かランクル系と、レクサスにも使われていたのではと(間違っていたらすいません)。

その他一番粗めのメタリック(MIX598)と、少しアクセントを加える為やはり粗目のブルーパール(MIX845)を極少量入れました。

 本体は足付け処理を行い、台にセットした状態です。

 先程の色(ベースコート)を塗りました。

フチ周りは綺麗にラインを出したいので、テープのフチを少し折り返した物でマスキングし、ベースコートが塗り終わった時点でそれは剥がしてしまいます。

さらにその下には少しだけオフセットした位置にマスキングテープが貼ってあるので、このようにしてベースコートとクリアーコートをそれぞれ違う位置でマスキングする事によってここの仕上りを綺麗にする事が出来ます。塗った事がある方なら判ると思いますが、ここを一度で仕上げようとするとラインがガタガタになる筈ですので。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。クリアーは3本とも高品位なタイプの「クリスタルクリアー」で承っています。

メタリックの粒子が細かいとその分量を入れないといけない為、黒さが明るくなってしまうのを避ける為に今回は粗目のメタリックとガラスフレーク(とパール)を極少量だけ入れて効かせるようにしています。

その他イエローパールとホワイトパールの仕様も一緒に塗り上がっていますので続けてそちらも紹介しますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

THERMOSマグ 塗装承ってます

 先日到着しておりましたサーモスケータイマグ×3個です。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

 下地処理としては既存の柄は削り落とし、その際に素地の金属も一部露出すると思うので部分的なプライマー塗装での対応と、底のシールは剥がさずにマスキングで対応します。

ご依頼内容としては既にイメージイラストを作製しましたのでそちらでご確認を頂ければと思います。

イラストデザインはオーナー様のご指定となります。

 こちらは元々同じようなスターバックスのロゴが入っていましたが、一部を変更してネームロゴを入れるよう承っています。画像はオーナー様が印刷した紙を貼っておいてくれた状態です。

白いボトルはこのような仕様となります。

そしてこちらの焦げ茶色ボトルは、ロゴ入れは行わず「艶あり黒」の単色べた塗り仕上げで、クリアーは他の2本と同様「クリスタルクリアー」の仕様となります。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

スターバックスのタンブラーが届いたようです

thermos4 先日お納めしたサーモス社製のスターバックスタンブラー(限定の桜バージョン)が無事届いたようでオーナー様より画像を頂きました。画像は歴代今まで御依頼頂いて来たタンブラーで、今回御依頼頂いたのは左から二番目の白い物です。天気が良いからとわざわざ公園にまで持ち出して撮影をして頂きました。周りから見て異様な光景になっていなければ良いのですが(笑)。

thermos5小さな文字をデカールで作成し、それをクリアーの下に貼り付ける事は以前の御依頼でもやっていまして、前回は右側のゴールドで今回が左のシルバーとなります。デカールはプリントするシート分の厚みがどうしても出来てしまいますが気にならない程度との事で安心しました。

このデカールを作成する為の専用のプリンター(ドライプリンター)は自宅にあるのですが、ちょっと今後の可能性も考えて新たに導入する予定です。いや実は先日工場に二台届いたのですがその内の一台の調子が悪かったのでそちらは専門の業者さんに修理して貰う予定です。これらは既に製造していない製品なのですが、それに替わるプリンターとなると300万円くらいするUVプリンターになってしまうので、だったら今の内に・・・と言う事で型遅れのプリンターを買うに至りました。まあ耐候性はUVプリンターに勝るのでうちのような使い方ならこちらの方が合っていると思いますしね(負け惜しみです)。以前から古いcannondaleのモデルにある「handmade in USA」の国旗のロゴを作ってやろう・・・なんて企んでいるのでいましたが、あのロゴは「赤・白・黒・青」の四色が使われていて星条旗の★(51個!)は流石に塗装では無理なサイズですから、あれはデカールでしか再現出来ないんですよ。しかも色褪せしないようにしなければなりませんので普通のインクジェットプリンターやUVプリンターでは駄目なのです。ちなみにALPSの公式サイトでは「顔料系のマイクロドライ(R)インクは、紫外線に強く、色あせしません」と言い切ってます。これは凄い事ですよ・・・(しかし既に生産していませんが・・・)。

と、すいません話が逸れてしまいまして・・・。この度も御贔屓頂き有難う御座いました!