4年前くらいにご依頼を頂いたデローザのアルミフレームです。画像を纏めて再編集しました。
全体的には綺麗に見えましたが、塗膜の下にはかなり腐食が出た部分もあります。結構酷かったのでサンドブラスト専門店にて強力な直圧ブラストをお願いする事にしました。
ただし塗膜を剥がしてしまうとロゴも無くなってしまうので、予め既存のロゴを採寸してデータ化しておきます。
ちなみにこの時はワイヤーガイド(アウター受け)が付いたままですが、現在は何かしら理由が無ければ外してそれぞれを別に作業しています。
下地には防錆効果の高いプライマーを塗り、さらにその上に2液のウレタンサフェーサーを塗布します。浸食されて凹んだ箇所もあるのでしっかり膜厚が付くよう塗りこみます。
サフェーサーが完全硬化したら最初は#320~#400である程度のラインを出し、その後#600~#800で精密なラインの形成とペーパー目の均しを行います。
今回は隠ぺい性の違いからいつもとは逆の順番で先にロゴの「白」を塗ります。
最初はそれを避けるように黒を塗り、最後にしっかり隠ぺいさせます。
ただしベースコートで肌を荒らすとクリアーを塗った後に艶引けしたり密着不良になるのでその点に注意します。
ベースコートが完了後、全体に艶消し専用のクリアーを塗ります。材料としては通常の艶ありクリアーと同様硬化剤を50%添加させ、強度的にも同等かそれ以上です(材料はとても良い物で、実はこれが一番高いクリアーだったりします)。
ボトルゲージが付く箇所のブラインドナットは外してあるので最後にここを組み付けます。
尚この時はナッターの取り付けを最後にしていますが、場合によっては本塗りの前に取り付けて一緒に塗ったりもします。
ブラインドナットの取り付けにはこのような専用の工具を使います。車の板金屋さんだと普通に使う物ですが、一般的には余り使う機会は無いかもですね。
差し込んだアルミナットを広げて固定すると言う事から、カーボンフレームだと割れてしまう恐れもあるのでその場合はエポキシ接着剤と併用するか、或いは外さないまま塗る事もあります。その辺りはケースバイケースですかね。
ロゴの塗装は塗る順番を変えたお陰で膜厚の付き方も抑えられ、段差は殆ど感じられません。
ちなみに紹介しておいてなんですが、現在自転車関連のお受付は一時停止させて頂いております。受け入れられる準備が整いましたら改めてご案内しますのでどうか今しばらくお待ちくださいませ。