ホンダK20Aヘッドカバー塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを行っていたホンダK20Aヘッドカバーの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々は赤の結晶塗装だった状態の物を、

艶ありの赤に塗装を施しました。

色はホンダ純正色「ミラノレッド」(カラーコード:R81)となります。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

通常こういった鋳造製品は「研磨→プライマー塗布→サーフェサー塗布→完全硬化→研磨」といった下地処理を行ってから上塗りを行いますが、

今回は「2度塗り」=塗装を2回に別けて塗る事でサーフェサーの下地処理を省いています。

サフェを使った下地処理に比べるとシャープさ(ラインの形成等)が足りない所はありますが、それによっってかなりのコストを抑えられるメリットがあります。足付け処理等については通常通りの作業とし、耐久性においては通常と変わりがありませんから、その点についてはご安心頂ければと思います。

凸文字部は研磨してアルミ地を露出させてからクリアーを塗る方法もありますが、

今回はそのままの内容で承っています(この方が耐久性という点では優れています)。

ボルト取り付け部や、

プラグキャップ装着部は塗膜が厚くならないよう、プライマーとベースコートの黒のみとしています。

オイルキャップ装着部は何も塗装せず、アルミ地そのままとしています(常にオイルで塗れていてガスケットも当たっているのでここは腐食の心配は無い部位かと思います)。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

ホンダK20Aヘッドカバー 本塗り

先日一回目の本塗り(下塗り)を行っておいた、ホンダK20Aヘッドカバーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

今回はサーフェサー塗布~研磨の下地作業は行っていませんので、アルミ素地の粗がそのまま残っている状態です(ただし鋳造製品ではこれでもかなりマシな方となります)。

こういった複雑な形状の物を「研磨→プライマー塗布→サーフェサー塗布→完全硬化→研磨」といった作業を行うのは非常に大変ですので(私の身体的負担と、費用的にも)、今回はそれを省いての「2度塗り」の工法で対応するといった内容となります。

とは言っても単にそのまま塗れば良いという訳ではありませんので、改めて二度塗り目の下地処理を行います。まずは荒れた肌をある程度研磨します。

通常はここからペーパーやスコッチ、ナイロンブラシ等を使って足付け処理をしていますが、

今回は重曹を使ったウェットブラストを行いました。ウェットブラスト用の箱は小さいのでこのサイズは入らず、なので開放状態での作業となります。以前施工したスバルの樹脂製インマニと同じような内容で、「あっという間に足付け処理完了!」という訳にはいきませんが(準備と片付けを考えると時間的なメリットはほぼありません)、無用に下地を露出しなくて済むのが気に入ってます。当店の塗装ブースの排気は水洗式の浄化槽になっているので、これとの相性が良いのも気に入っています。

その後良く洗浄し、

しっかり乾燥させたら本塗り準備完了です。

最初の下塗りでホースパイプとボルト取り付け部には事前にベースコートの黒を塗っておきましたが、こちらも改めて塗り直しておきました。

それらの箇所のマスキングを行い、

ベースコートを塗布します。色はホンダ「ミラノレッド」(カラーコード:R81)となります。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

ボルト固定部とホースパイプ取り付け部のマスキングは2回目のクリアーが塗り終わった直後に剥がしてブツ切りの段差を均しておきます。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

サフェで下地を整えた場合に比べるとどうしても粗は残りますが、2度塗りの仕様でも十分な艶具合を表現出来るかと思います。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ホンダK20Aヘッドカバー 下塗り

先日溶剤槽に浸け置きして旧塗膜を剥離しておいたホンダK20Aヘッドカバーです。

鋳造で作られたヘッドカバーはフチに湯道の痕や、

パーティングラインが残っているので、

予めサンダーで削り落としておきます。

見た目的な事もそうですが、今回は「2度塗り」で行う為、足付け作業の研磨の際にに下地を露出させたくないというのも理由ですね。尚、通常は特に気にせずそのままで、別途ご指定を頂いた場合には同じように対応も可能です(ただしその分の費用が必要となります)。

裏側のバッフルプレート周りをマスキングし、

ブラストボックスに入れ、

サンドブラスト(軽め)を行いました。

ちなみに以前、他のお店でブレーキキャリパーを塗装された方がいらっしゃって、取り付けの際に工具か何かが当たって下地が露出し、そこからピカピカのアルミ素地(アルマイト被膜)が出て来たと仰っていました。もし作業内容の説明で「塗装前にはサンドブラストを行い」という謳い文句があったとして、それでいてピカピカの金属素地に直接塗装を行っていたとしても、「サンドブラストをしていない!」という事にはならないのです。結果としてはちゃんとした素地調整が為されていなかったとしても、もしかしたら本当にサンドブラストを行っていたかも知れなく、問題はその後の画像確認が出来ていなかった事だと思います。

例えば中古のヘッドカバーの場合、油汚れを落とす際に高圧洗浄器を使う場合がありますが、それに重曹等のメディアを混ぜれば「ウェットブラスト済み」と言えるので、軽く洗い流す程度の作業でも嘘ではありません。コケや腐食が残ったままでも上から塗装を行えばそれらは判らなくなるので、値段を下げて販売するのであれば、これも一つの方法だとは思います。この辺はネットに氾濫しているフェイクニュースと同じで、購入する側も物事の裏側を疑って、ある程度勉強しておく事が必用なのかも知れません。

その後リン酸処理~洗浄を行ってマスキングを行い、

全体にプライマーを塗布します。

膜厚を着けたく無い箇所にベースコートの黒を塗り、

それらをマスキングして、

下色に適当なピンクを塗布します。黒の上にいきなり赤を塗っても簡単には隠ぺいしないので、出来るだけコート数(塗膜厚)を少なくする為ですね。

その後適当な赤(具体的にはVWのトルネードレッド)を塗り、

最後に御指定の塗色=ホンダ「ミラノレッド」(カラーコード:R81)を塗布します。

本来なら「研磨→プライマー塗布→サーフェサー塗布→完全硬化→研磨」といった工程で下地を整えてからの本塗りとなりますが、今回はコストを抑えた「2度塗り」で行うので、素地の粗はそのままとなります。

最後にクリアーを塗って一回目の本塗り=下塗りが完了です。

工程自体は同じですが、クリアーは本番に比べ70%くらいに力を抑えています。フチに溜まったりするのを避ける為ですね。

この後はいつも通り60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、再度足付け処理を行って2回目の本塗りを行います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ホンダK20Aヘッドカバー 旧塗膜剥離

先日お預かりしておりましたホンダK20Aヘッドカバーです。その後アルカリ洗浄液に浸け置きして油分を洗い流し、廃シンナーを貯めた溶剤槽に浸け置きをしておきました。

先ほど紹介したいすゞ117クーペのヘッドカバーに比べ、この型の塗装は簡単に剥がれるのが特徴です。剝がれにくい塗装とこちらの剝がれやすい塗装の大きな違いは、下塗り(プライマーの塗装)が施されているかどうかです。勿論こちらはプライマーは塗られていなく、むしろ117クーペのヘッドカバーのようにしっかりとした塗装が施されている方が珍しいケースです。

まだ多少塗膜が残っていますが、こちらはこの後サンドブラストを行うので問題ありません。塗膜が浮いていた箇所には腐食が発生しているのが判ると思います。金属への塗装は上塗りだけでは密着性も防錆も確保出来ず、いずれ剥がれてしまいます(これはメーカーも勿論判っていてやっている事で、コスト上仕方のない事でもあったりします)。

その他、アルカリ洗浄槽に浸け置きをしていたスズキ ジムニーJB23 のヘッドカバーも引き揚げて乾燥させておきました。こちらも後日一緒にサンドブラストを行う予定です。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ホンダK20Aヘッドカバー塗装承ってます

先日到着しておりましたホンダK20Aエンジンヘッドカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

現状は既存の塗膜がまだ残っていますが、ホンダヘッドカバーの結晶塗装はプライマーが塗っていない為、経年で塗膜がペリペリと剥がれてくるのが特徴です(再塗装でもそれは然りで、素地調整・プライマーの塗装が無ければやはりいずれ簡単に剥がれてきます)。

ご依頼内容は結晶塗装では無く「艶あり仕上げ」で、下地処理はサフェでは無く「2度塗り」の方法で承っております。梨地の凸凹が激しいとそれでは対応が出来ませんが、今回のヘッドカバーはツルツルしている製品ですのでこちらで対応可能です。

参考までに以前「2度塗り」で施工した時の案件を紹介しますね。

こちらの三菱i(アイ)のヘッドカバーもサフェは使わず2度塗りで対応しています。色はマツダソウルレッド風のキャンディーレッドとなります。

こちらの日産L型ヘッドカバーの時も二度塗りでの対応で、また今回の色はこの時と同じくホンダ「ミラノレッド」(カラーコード:R81)で承っております。

 

素地調整としてはサンドブラストとリン酸処理どちらも行う予定で、凸文字は研摩せずそのまま(赤のまま)、またクリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーで承っております。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!