ワイヤレスマウス 本塗り②

 先日一旦艶ありのクリアーで本塗りを終えていた、ロジクール社のワイヤレスマウス、LogicoolG Pro wirelessです。

 クリアー抜き(マスキング)で段差が出来ていた「G」の部分と、その上にある1ミリ径の丸いインジケーターランプ×3の部分を平滑に研ぎ、全体に足付け処理を行いました。

 サイドスイッチ類はベースコートを塗ったそのままとなっています。

段差が無くなったところに艶消しクリアーを塗って本塗り完了です。艶消しなら段差も目立たないのでそのまま行くと言う判断も出来ましたが、今までの経験から駄目だった時の光景しか頭に浮かばず、任意保険に任意保険を掛けるようにして作業をしています。

参考までに、左側が1コート目の艶消しクリアーを塗って15分くらい経った状態で、右が2コート目の艶消しクリアーを塗った直後となります。左側にも同じようにもう1コートをウェットに塗り、この後徐々に艶が消えていきます。

 艶消しクリアー塗布後、1時間くらい経った状態です。一応オーナー様から頂いた参考画像と見比べてみました。画像は加工されていると思われるので何とも言えませんが、イメージは画像に近い色味に出来ていると思います。

 ・・・が!!!

その後熱を入れて仮組みをしてみると、クリックボタンと本体とで色が違います。

恐らくはインジケーターランプ周りを修正している内にベースコートを塗り過ぎていたようで、本体の方が色が濃くなってしまっています。蛍光色の3コート塗装では、当然考慮するべきでした・・・。

 と言う訳ですが、既に気を取り直して再度全体を足付け処理し、同じようにマスキングから作業をやり直しています。塗装屋さんからするとまるで地獄のような状況に思えるかも知れませんが、「G」はデータがあるのでマスキングシートは直ぐに作製できる事、またこれらの作業は既に一度やっているのでそんなに大変ではありません。物理的に分解が不可能なサーフェスを塗った時に比べれば、ダメージは軽いです。

 と言う訳で、今回は車体(自動車)を塗る時と同じく、全て組み付けた状態(仮組み)で本塗りに挑む事にしました。と言うか下が透ける3コート塗装ですから、本当は最初からこうやって塗るのがセオリーだったんですよね。油断していました。

 最初の本塗りと同じく、下色からスタートしていきます。下色はピンクカモフラの②で、配合データがあるのでこれも問題ありません。

 また最初の時のように下地が黒では無い為、色も隠蔽し易く作業的にも楽です。

 そして本塗り用の蛍光キャンディー紫ピンクのベースコートを塗布します。下側に磁石で取り付けた予備ボタンの方へ、突き抜けるようにスプレーして同じ色になるように塗ります。

 ベースコートが終了したら工場二階に移動し、最初の本塗りの時と同じように「G」のマスキングを剥がし、さらに少し小さくオフセットした「G」のマスキングシートに張り替えてもう一度蛍光ピンクキャンディーマゼンタを塗布します。

 ボタン部分が明るく見えますが、装着した状態で全く同じように塗っているのでこれの色が違う筈はありません。R32GT-Rの側面を通して塗ってもドアだけ色が違ってみえるのと同じで、少しでも角度が変わると色の見え方が変わるフリップフロップ性によるものです。

その後も同じように「艶ありクリアー塗装→強制乾燥硬化→段差の研ぎ&足付け処理→艶消しクリアー塗装→強制乾燥硬化」と言う工程を経て(中々大変でした)、画像は既に仮組みをして色を確認した状態です。

実は最初の本塗りではRobiよりも先に塗り終わってはいたのですが、色の違いが不安だった為、この確認をするまでは紹介が出来なかったのです。お待たせしておりまして大変申し訳御座いませんでした・・・!

既に強制乾燥硬化も終わっていますが、もう少し寝かしてから組み付け作業となります。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

ワイヤレスマウス 本塗り

 少し前に下塗りのクリアーを塗っておき、さらに先日には色を作製しておいた、ロジクール社のワイヤレスマウス、LogicoolG Pro wirelessです。

インジケーターランプと「G」の部分は透明な素材を筐体に組み合わせていて、そこに微妙な隙間が残っていましたから、そこに砥石を当てて平滑に仕上げておきます。

 その後全体を#800~#1300相当で足付け処理を行います。

サイドボタンはマグネットで簡単に交換が出来る構造になっていて、磁石にくっ付く部分にプラスネジが嵌め込んである為、そこをワニクリップで固定する事にします。これらも足付け処理済みです。

そして先日作製しておいた「G」のマスキングシートを貼り付けます。よく見えるよう、トレース台の上で作業をしています。

黒い部分が絶対に食み出ないよう、且ギリギリのラインに位置を合わせます。

 本当は0.9mmの円が欲しかったのですが、無かったので既製品(ハイキューパーツさん)の1mm径の丸いマスキングテープを使います。

 元の丸が1ミリなので、0.1ミリのズレも許されないと言う・・・。

 と言う訳で、息すら吹きかけないようにして工場一階の塗装ブースに移動です(先ほどまでの作業は工場二階となります)。

 既に脱脂はしてありますが、一応マスキング部を避けてもう一度行っておきます。

 元々は艶消し黒が塗ってありますが、断面は微妙なので、念の為プラスチックプライマーを塗っておきます。

 サイドボタンは余計な所に塗料が着かないよう、根元の部分はマスキングをしておきます。

黒の上にいきなりマゼンタ系の色は隠蔽しないので、まずは白を下塗りします。

 完全隠蔽させる必要はなく、むしろ厚膜にならないよう1コートのみに留めておきます。

同じようにマウス本体にも白を塗りますが、インジケーターランプと「G」の部分は特に塗膜の厚みを着けたくないので、そこを避けるようにして塗っています。

さらに次はマゼンタピンク系の色を下色として塗布します。ここは完全隠蔽させたいので3コート塗っています。この時点で都合4コートで、ベースコートには硬化剤も入れています。

  今回は口径0.5mmのSATAエアーブラシ(DEKOR 2000)を使っています。

ちなみに画像にある台はPRO_Fitオリジナルで、ただ既に生産を終了しています。これを全部レーザーでカットしているとまるで採算が合わない事が判明しまして・・・(苦)。

 そしていよいよ蛍光マゼンタピンクです。今回は色見本も作製していて、下色と並べてみるとまるで発色が違うのが判ると思います。

ちなみに今回下色に使っているピンクは、以前ピンクカモフラの塗装に採用した色の内の②で、PANTONEカラーのFORMULA GUIDE2405の近似色となります(画像はGoe GUIDEの色見本帳です)。

白は使わず、蛍光ピンクとキャンディーマゼンタとMIX576(STANDOX原色で青味のレッド)で構成されています。

 オーナー様より頂いている参考画像に合わせてみました。画像よりも派手な感じですが、これが艶消しになると発色が抑えられるので、鮮やか過ぎるくらいで問題ありません。

 最後の蛍光マゼンタピンクは3コート塗っています。

 中々良い色なので、今度こういった系でグラデーションさせたマイクの色見本を作ろうと思います。

 そしてベースコート終了です。

 と思いきや、そう簡単にはいきません。ここからの修正がまだまだ続きます。

バリをタッククロスで擦って削り落とし、

 最初に作ったマスキングシートを、0.2mmオフセットさせたデータで改めてカットした物を貼り付けて、

 再び蛍光マゼンタピンクを塗布します。

 それでもまだ甘かったので、最初のデータから0.5mmオフセットさせたマスキングシートを作製し、再び蛍光マゼンタピンクを塗布します。

 マスキングを剥がし、下色に塗った白や元の黒が見えないかをよくチェックします。

 塗装に完璧な仕事は無いのですが、どの作業も一応それは目指しています(勿論掛けられるコストの範囲内でですが)。

ちなみにこの時点で製品に元々あった段差(溝)が残っていると厄介だったので、最初に下塗りのクリアーで平滑にしています。

さらに難しかったのが上の1ミリ径のインジケーターランプ×3で、綺麗な曲線になっていない個所はピンセットの先で除去してもう一度マスキングして塗ってを繰り返して何とか形にしました。次回同じことをするなら、0.8mm径のPP製マスキングシートが欲しいところです(どこかに売っているでしょうか)。

 そして最後にクリアーなのですが、この時点ではまだ下塗りとするので、艶消しでは無く普通の艶ありクリアーを塗りました。

ちょっと判り難いのですが、インジケーターランプ部が凹んでいるのが判ると思います。

本塗り(艶消しクリアー)の前にこの段差を平滑にしたかったので、一旦ここでは艶ありのクリアーを塗って完全硬化させ、再度削って平滑にしてから最後の艶消しクリアーに挑む予定です。

クリックボタンはそのまま艶消しクリアーでも良かったのですが、一応こちらもクリアーを塗っておきました。

それではまた作業進行しましたら紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

ワイヤレスマウス 色作成

先日下塗りクリアーを塗っておいたロジクール社のワイヤレスマイク、LogicoolG Pro wirelessです。その後には「G」の部分のマスキングシートも作製していました。

色については、オーナー様より参考画像を頂いておりまして、このマゼンタっぽいピンクを作製します。

ただこの色は最初の段階でも検証している通り、画像をビビットに編集加工していると思われ、これを普通の塗料(自動車補修用塗料)で再現する事は不可能です。念の為ですが、当店の塗装ではプラモデル用塗料とかは使えません(これは強度的に実用性が無い為です)。

こちらの色見本でも相当鮮やかな色味なのですが、参考として頂いた画像には遠く及びません。

イメージとしては、こちらのPhotoshop Lightroomで編集加工した画像くらいにしたいと考えまして、当初不可能としていましたが、別件でPS4のコントローラーを蛍光色で塗装する案件が入りましたのでこちらも対応する事にしました。念の為ですが、上の画像はかなり加工しています。

 色々試してみたのですが、どうやっても色が濁ってしまうので、「蛍光ピンク+キャンディーマゼンタ+STANDOX MIX576+MIX599(バインダー)」と言う構成で、白は殆ど入れないで色を作りました。

蛍光色については以下の記事で紹介していますので宜しければご参照下さいませ。顔料(粉)単体で使用しているので問題はありません(逆を言うとリキッド=液体タイプは不明な樹脂が混ざるのでNGです)。

蛍光顔料+STANDOX色見本

蛍光ピンク 色見本作成

画像だけを見るとこれくらいなら既存の塗料でも出せそうな気がするのですが、実際には物理的に不可能です。一般的には白を入れると色が明るくなると思われがちですが、彩度が落ちて色が濁るので今回のような色は出せません。尚、下地に白を塗って透かす3コートキャンディーソリッドも試しましたが、これもまるで違う色でした。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

ワイヤレスマウス マスキングシート作製

先日下塗りのクリアーを塗装していたロジクール社のワイヤレスマイク、LogicoolG Pro wirelessです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

クリアー塗装時には無かった境界線(溝)が出ているのが判るかと思います。こちらは本塗り前に研いで無くしておきます。

同じように1ミリ径のインジケーターランプ部×3か所にも溝が出来ていますので、こちらも後で研いで平滑にしておきます。

 そしてこちらはロジクールのロゴマークです。オフィシャルかどうかは判りませんが、幸いにしてベクトルデータが入手出来ました。

 ただ単にそれを縮小すれば良いと言う訳では無く、ここから縦横比、太さ、曲線の曲り方などを細かく修正していきます。

 基本としては「黒い部分より少し内側」なのですが、これだとまだ隙間が大き過ぎます。

 作業は机全体が光るトレース台になっているので、その上にマウスを置いて隙間を確認しながらデータ修正→カット→現物合わせを繰り返します。

 途中からは左の半円と右のLと別々に進行していきました。

概ね髪の毛一本くらいの隙間になるくらいまでに出来ましたので、これで行こうと思います。その前に色の作製ですね。

どうぞもう少々お待ち下さいませ!

ワイヤレスマウス 下塗り

 先日お預りしておりましたロジクール社のワイヤレスマイク、LogicoolG Pro wirelessです。その後分解作業を行いましたので、まずはカバーパネルの下塗りを行います。

 本来であればそのまま本塗りなのですが、今回は「G」のロゴ部分と、画像では見えませんがその上にある直径1ミリのインジケーターランプ×3個をマスキングで残す為、まずはクリアーを塗って段差を埋めておく事にします。「段差って?」と思うかと思いますが、そちらは後日紹介出来るかと思います。

 黒い部分は艶消しの黒が塗られているのですが、足付け処理をした際に素地(こちらは黒のABS樹脂)が露出している個所があると思われますので、「G」の部分を含め全体にプラスチックプライマーを塗布してからクリアーを塗っています。クリアーは普通の2液ウレタンとなります。

画像では「G」の部分はツライチに見えますが、実際にはGの周りに接合部の溝があります。先日工場に来て頂いた塗装屋さん方々にも実物を見て貰ったのですが、これは裏から見ないと判らない!と皆さん驚いていました。

この後熱を入れたら恐らく継ぎ目も見えると思いますので、その後はしっかり硬化させ、その溝が判らないよう研ぎ出してからの本塗りとなります(その前に「G」のマスキングシートを作らないといけなく、これが大変な作業なのですが・・・)。

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ち下さいませ!