メガネフレーム(TOM FORD)塗装 完成

tom19 大変お待たせしました!TOM FORDのメガネフレーム、艶有りブラック仕上げで完成となります。たった今組み付けが終わって撮影を行いました。

最初の状態も紹介しますね。

tom5元々はこんな感じで茶色っぽい鼠色のフレームでした。

tom20 難しかったのは金具部分を残す事で、一応はどれも良い感じに仕上がっていると思います。評価は是非メガネ屋さんに伺って下さいませ。

tom21 テンプル前方にあるこのラインは、ベースコートの時にマスキングをし、クリアーは一緒に覆っています。実は金具の角が鋭角では無い(凄く良く見ると判ると思います)と言う事で、一度のマスキングでは上手く行かず(直角にしかならず)、少々工夫して元の通りにしています。

tom22 裏側も艶々です。

tom23内側も艶々です。

tom24少し手間が掛かったのがレンズ周りのマスキングで、ここの溝は塗らないようにして元の素地(ここはブルー)を残してあります。

tom25既に梱包も終えましたので、明日以降で発送可能です。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

メガネフレーム(TOM FORD) 本塗り

tom13 昨日からマスキング作業を続けていたTOM FORDのメガネフレームです。本日マスキング作業を終えたので早速本塗りを行いました。

tom12製品自体はとても小さいのですが、今回のメガネフレームはいつもに増してマスキング箇所が多く時間も掛かっているので、費用もその分高額になっています。一般的な国産車のバンパーを塗るくらいの金額でしょうか・・・。

tom14 そして本塗り完了です。実はこの間に色々あって凄く時間が掛かっているのですが、余りに集中していて何も撮影していませんでした。

tom15 難しかったのはこのラインで、元々ここに埋め込んである金属の部分を予めマスキングし、ベースコートの黒を塗装、ただマスキングの見切り際がちょっと気に入らなかったので、一旦ペーパーを掛け、右・左・上と3回に分けて塗装しています。
ベースコートのガンは最初は口径0.6mmでしたがそれでもちょっと出過ぎていたので、結局口径0.3mmのSATAのエアーブラシを使いました。

綺麗なラインが出たところで金属素地部分には密着剤を塗り、全体にクリアーを塗って段差を馴染ませています。

tom16 テンプルの端に埋め込んであるエンブレムはメッキが施されているようなので、こちらはクリアーは塗らず、最後までマスキングをしたままで行いました。ただそのままクリアーが固まってしまうとやはりフチの仕上がりが悪くなるので(隙間がクリアーで埋まってしまいます)、クリアーを塗った直後にピンセットでマスキングを剥がしています。

実はかなりリスクが高く、本来はクリアーが固まった(或いは指触乾燥した)後に剥がす方が安全なのですが、大抵はマスキングテープがクリアーとくっ付いてしまって、後からそこにカッターを入れるとエッジが立ったような断面が出来てしまうので嫌なんですよね。クリアーがレベリングしている(流動している)内に剥がせば、表面張力でフチに溜まったクリアーが馴染んでくれるので綺麗に仕上がるのです。毎回そう出来る訳では無いのですが、いけそうな時は極力そうしたい、と言う感じです(勿論失敗して塗り直す事もあります)。

tom17 フロントの方はレンズ周りの塗膜が厚くなり過ぎない様に注意するくらいで、むしろ今回はこちらの方が楽でした。また今回は両サイドにある筈の蝶番が取れてくれているのが助かりました。

 

tom18レンズ周りに貼ったマスキングテープもクリアーを塗った直後に剥がしていますが、こちらはマスキングテープのスタート地点にピンセットの刃先が置けるのでそんなに難しくはありません。ただ剥がしている途中でマスキングテープを離してしまうとクルクルっとなって塗装面にくっ付いてしまうのでそれに注意ですかね。また重力の方向を気にしながらだと上手くいくと思います(万が一に助けられた事は何度もありますので・・・)。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。熱を入れるのは明日以降で、また磨き処理もあるので、二週後くらいになるかと思います。どうぞもう少々お待ち下さいませ!

メガネフレーム(TOM FORD) 下準備

tom7 こちらもお待たせしました!TOM FORDのメガネフレームも作業着手しておりますのでご安心下さいませ。

各パーツは先に足付け処理を行い、脱脂洗浄した後にいつもの撮影スペースでマスキング作業をしています。ここが一番明るいので細かい作業でも疲れないんですよね。

tom8 蝶番の部分には細くカットしたマスキングテープを貼っていきます。前回はここの形が複雑だったのでリキッドタイプ(液体)のマスキングゾルを使いましたが、今回はテープで大丈夫です。

tom10 また今回はレンズ周りのマスキングも承っておりまして、そこも同じように細くカットしたマスキングテープを貼っていきます。一見難しそうに見えますが、ピンセットを使って貼っていけばそんなに難しくはありません。

tom11 マスキングのコツはテンションを掛けずに、置いていくように貼っていくと後で角が浮いたりしません。またテープを貼るところも綺麗に脱脂しておくと糊の付きが良いので安心です。

tom9ただ実際にマスキングを行って判ったのですが、茶色(鼠色)の部分をきっちり塗ろうとすると、マスキングの見切りラインはかなり内側になってしまいます。本来はレンズを嵌める時に塗膜が当たらないようにそこは避けて塗りたかったのですが、どうやら物理的に難しい模様です(薄々判ってはいたのですが・・・)。

と言う事ですが、先ほどオーナー様にもご確認頂きまして、マスキングの見切りラインはこの位置でご了承頂き、ととにかく茶色(鼠色)の部分をしっかり黒で覆い隠す方向で行う事となりました。お手数を頂き有難う御座いました!

とりあえず本日はここまでで、後日改めて作業進行させていこうと思います。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

メガネフレーム(TOM FORD)塗装承ってます

tom 先日到着しておりましたTOM FORDのメガネフレームです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

ご依頼内容は「艶有りブラック」で、各部のマスキングと、今回はレンズ周りで少し特種な処理を行います。

tom1 蝶番は一般的なフレームと違って、フロント部分はネジで付いています。通常は溶かし込んで埋め込まれているのですが、こんな構造初めて見ました・・・。

tom2 ネジを外して横にスライドさせると簡単に外れます。塗装をする事が前提だとこれは助かりますね。

tom3 テンプルの端にはメーカーロゴのエンブレムが付いていて、オークリーのように両面テープ(!)で付いているなら暖めれば簡単に外れるのですが、全体的な作りの良さからすると恐らくそれは無いだろう(笑)と言う事で無理に抉らずマスキングで対応します。

tom5分解するとこんな感じです。レンズは有り得ないほどキツく着いていて、しかも今回のフレームは細身ですからうっかり力を入れ過ぎてフレームを折ってしまうのでは・・・と思ったので、隙間に中性洗剤を浸透させてレンズを滑らせるようにして外しました。これはいつもレンズを取り付ける時に行う事ですが、まさか外す時にも使うとは・・・です。

tom6テンプル(=耳に掛かるサイドフレーム)の外側前方には細いライン状で飾り金具が埋め込まれていて、オーナー様的にここも残されたいとの事で、ベースコート(黒)はここを残すようにマスキングし、その後に塗るクリアーはここも一緒に覆うように全体にコートします。以前OGのメガネフレームを塗った時と同じ様な方法ですね。

tom4そして今回ネックとなるのがレンズ周りの施工で、今回のレンズの取り付けはオーナー様の方で手配をして頂いたのですが、その際のご指定として「レンズを入れるフチ周りは塗らないで」と言う内容で承っています。

一応以前の施工例があるので紹介しますね。

megane1 レンズが嵌まるフチ部分は予めこんな感じでマスキングをしますが、このままだとマスキングテープのフチに表面張力でクリアーが溜まってしまい、爪で引っかかるような激しい段差と全く美しく無い仕上がりになってしまうのですが、その後エッジ部分をペーパーで研ぎ、コンパウンドで磨けば滑らかに仕上がります。綺麗に仕上げるコツは「エッジ」を上手く利用する感じですかね。

megane2 こんな感じで、レンズが嵌まる部分には色もクリアーも塗らず、フチも滑らかに仕上げる事は可能です(ただし手間は掛かるので結構な割増分がありますが・・・)。

megane同じ様にピンクに塗ったフレームもレンズに当たる部分は塗らずに仕上げています。塗ったままだとエッジは尖っていますが、そこは全部ペーパーで削り落としてしまい、コンパウンドで磨けば滑らかに仕上げられます。

ただ今回はレンズが嵌まる部分には「青」と、その外側にある「茶色」(鼠色)も若干残ってしまう(出てしまう)のでは?と懸念しています。青い部分がエッジの頂点よりも外側に出ていれば茶色(鼠色)が出る事は無かったのですが、どう見てもかなり内側なんですよね(苦)。

まあこの辺はオーナー様にも御理解頂いておりまして、後は実際にやってみて極力良い方法で対応したいと思っています。完全に覆ってしまえばレンズを入れる時にガリっと削ってしまいますし、かといって茶色は出来るだけ残したく無いと、この辺はもう技術的な事と言うよりは激しいジレンマとの戦いだと思いますので・・・。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

メガネフレーム塗装 完成

megane81 そしてこちらも無事組み付け完了しまして本日完成となります。お待たせしました!

megane99 こちらのメガネはレンズの厚みが凄くて、しかもフレームのサイズが小さい=レンズも小さいですから、とにかくフレームに入れるのが一苦労でした。

megane94予めレンズは周りを削っておき、フレームにギリギリ収まるかどうかといった調整はしていますが、ただ緩かったらマズイので、もうここは入るか入らないか(塗膜がエグれるのかエグれないのか・・・)といった具合で押し込んでいます。

megane95 ちなみにそのまま入れようとしても確実に塗膜は削れてしまうので、レンズを入れる時にはママレモンなどの洗剤を掛けて潤滑油代わりにしてスムースに入るようにしています。本当はレンズに力を入れて曲げたいのですが、今回のはこれが全く撓まないのでもう駄目かと思いました。無事入ってくれて本当に良かったです。

megane96 ちなみにこちらのオーナー様曰く、以前メガネの塗装をご依頼頂いた時はレンズはメガネ屋さんで入れて貰ったとの事で、その場合は裏側から強引に押し込んだらしいです。当然塗装はエグれたらしいのですが、裏なので見えないからそれで構わない(?)と言う事でした。

megane97 ただ今回はレンズも後から送って頂き、それの装着も含めてのご依頼となりました。

ちなみにレンズには茶色の色がうっすら入っています。

megane98カシメの部分は飾り金具になっているのですが、今回は(と言うか今回も)ここは特に気にせず塗り潰しでのご依頼となっています。前回ご依頼頂いた時も同じ仕様なのでこれは特に問題はありません。

それでは後ほど完成のお知らせメール差し上げますね。この度もご贔屓頂き有難う御座いました!