日産L型ヘッドカバー結晶塗装承ってます

 先日到着しておりました日産L型エンジン用ヘッドカバーです。この度のご依頼、誠に有難う御座います!

現状は既にサンドブラストが掛かっていますので、この後アルカリ洗浄槽で油分を洗浄し、下地処理はリン酸処理とプライマー塗装のみ行う事とします。

色については「シルバー」の結晶塗装で承っておりまして、以前BMWのヘッドカバーに施工した記事がありますのでそちらを紹介させて頂きますね。

BMWヘッドカバー結晶塗装 完成

↓こちらのフェラーリエンジンパーツの結晶塗装も同じようなシルバーとなります。

フェラーリF348サージタンク&インマニ結晶塗装 完成

それでは作業進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

日産L型ヘッドカバー2トーンカラー塗装 完成

 大変お待たせしました!日産L型ヘッドカバー、赤と白の2トーンカラーの塗装で完成となります。

最初の状態も紹介しますね。

元々未塗装だった物を

サンドブラストで処理し、

プライマーを塗布後、一旦VW社の「キャンディホワイト」(カラーコード:LB9A)でクリアー塗装→完全硬化まで仕上げ、

足付け処理後に全体をホンダ「ミラノレッド」(カラーコード:R81)で塗り、

 凸部を面研して下地の白を露出させ、さらに全体にクリアーを塗って2色に塗り分けています。

 今回は凸部のエッジがシャープだったお陰で色の境界線も綺麗に仕上がりました。

今回の仕様では中塗り(サフェーサー)を省いている為、全体的には成型時の歪やウネリ、深い傷などはそのまま残っていますが、二度塗りで艶自体は綺麗に出ていると思います。

それでは後程完成のお知らせメールを差し上げますね。この度もご贔屓頂き有難う御座いました!

日産L型ヘッドカバー 本塗り

 先日白で下塗りを行っておいた日産L型ヘッドカバーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させておきました。

 まずはいつも通り全体を足付け処理します。平面は最初に#800の耐水ペーパーでゴミや肌の頭を多少カットするような感じで、ペーパーが入り難い個所には布状の研磨副資材(アシレックスレモン)やスコッチを、また文字の周りなど細かく入り組んだ箇所はウォッシュコンパウンドとナイロンブラシで足付け処理を行います。注意する点としては白を残す凸部の下地を出さない事ですね。

 足付け処理が終わったらマスキングをしなおし、良く脱脂清掃をしてから本塗り開始です。

 まずは通常通りにベースコートを塗布します。今回のこちらはホンダの「ミラノレッド」(カラーコード:R81)で承っています。

 白でご指定されている凸部分を最初はシンナーとウェスで赤の塗料を拭き取り、その後ペーパーを掛けて残った赤を削り落とします。もしこの時点で下地が露出したら白を塗り直しますが、幸いにして大丈夫でした。ただしこの作業に4時間くらい掛けています。

 フィンの端は側面に落ちてフェイドアウトするような感じになっている為、いつも面研してアルミ素地を光らせるのと同じような位置で切るようにします。

方法としては少しオーバー気味に白を露出させておき、

 白を出し過ぎた分を再び赤で塗り潰します。そのままブツ切りだと気分が悪いので見切りのラインは一応ボカシのようにしています。

 マスキングを剥がし、周りに着いた研ぎ粉をタッククロスとエアーブローで綺麗に拭き取ります。被塗面に素手で触るのは駄目ですが、タッククロスを使えば問題ありません(昔のタイプは粘着物質の跡が残ったりして気分が悪かったですが、近年の物はその辺も安心です)。

 そしてクリアーを塗って本塗り完了です。

 クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーを使用しています。

 複数個施工するなら型を作ってマスキングした方がコストを落とせますが、今回のL型ヘッドカバーで凸部を塗るといった前例は無かったのでこの方法で対応しています。また今回はサフェーサーの作業を省いているので、その代わりに白の塗装を下地に利用しているという事もあります。

 フェラーリの赤に比べると青味のある赤です。

 量産品であれば金型でマスクを作って塗り分けるのでしょうが、一品物で文字部の天面だけを塗り分けるとなると、そんなに簡単な事ではありません。マスクングテープをベタっと貼ってエッジにペーパーを掛けてラインを切ったりする方法もありますが、それだとこういう風には仕上りませんからね。

それでは完成次第改めて紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

日産L型ヘッドカバー 下塗り

 先日サンドブラスト処理を行っておいた日産のL型エンジンです。その後リン酸処理を行い、全体を#120のダブルアクションサンダーと#180手研ぎで研磨します。深い傷などは残りますが、それよりも砂型鋳造時に出来た突起などがあると後で厄介な事になるので(ゴミかと思って磨いたらアルミ素地が露出したりと)、予めそれを撥ねておくような感じです。

 凸文字部分はサンダー掛けだと角が丸まってしまう為、ここは硬い当て板(木片)を使ってシャープな面になるよう仕上げておきます。

 その後シンナーで洗い流すようにして脱脂処理をし、下塗り準備完了です。

 まずは全体にプライマーを塗り、

 ホースパイプ部分にベースコートの黒を塗り、

 自然乾燥させてテープフリーな状態になったらマスキングをし、

 全体にベースコートの白を塗ります。白にも色々ありますが、暖色系の白は黄ばみが「焼け」に見えて格好悪いと思いますので比較的ニュートラルな白であるVW社のキャンディーホワイトを採用しています(ここはお任せ頂きました)。

 そしていつも通りにクリアーを塗って下塗り完了です。まあ内容は本塗りと何ら変わらないのですが。

 白にするのはヘッドカバー上部の「NISSAN・OHC」の文字とその上下にあるフィンのみで、ヘッドカバー本体(ほぼ全部)はホンダのミラノレッド(カラーコード:R81)で承っています。

「じゃあどうして全部白に塗っちゃったのよ?!」と思うかも知れませんがこれには二つ理由があって、一つは

・「NISSAN・OHC」のマスキングがとても面倒。

今回は文字をマスキングで塗り分けるのではなく、一旦下地を「白」にして、この後全体に「赤」を塗って白くする部分に塗った塗装を取り除く方法で行います。文字をマスキングで行う方法も勿論出来ますが、とても手間と時間が掛かるのでその分費用が上がってしまうのです。

もう一つは

・「ウレタンサフェーサー塗布→完全硬化→研磨」の工程を省く。

と言う事で、勿論サフェーサーは塗りたい所ですが、やはりその分コストが上がってしまう為、今回は上塗りをサフェーサー代わりとしてこれである程度の下地を作り、その上にさらにもう一度上塗りを行う事で素地の粗を目立たなくさせようと言う作戦です。以前行ったマツダアテンザのフロントグリルの梨地を、やはりサフェーサーでは無く下塗り(二度塗り)で艶々にするのと同じ方法ですね。

ちなみにサフェ無しでただ塗っただけで綺麗に見えるのは高品位なクリスタルクリアーのお陰で、これは後に行うヘッドカバー上面凸文字部の面研で下地を露出させない為です。通常使用するイージークリアーに比べ、耐擦り傷性の高いクリスタルクリアーの方が塗装を削った時に下地を露出させるリスクを減らせるからですね。

この後はいつもと同じく60℃40分程の熱を掛けて塗膜を完全硬化させ、さらに数日寝かして塗膜を締まりきりにしたら今度は赤の本塗りとします

ちなみに「24時間以内なら足付け処理無しで塗装可能」と言う特性を利用してこのまま赤を塗ってしまうという方法もありますが、こういったパーツが装着される車は30年くらいは普通に走り続ける筈なので(いや装着される車はハコスカなのでもっとですか)、コストの事を考えてもそこは省く所では無いですかね。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ヘッドカバー サンドブラスト処理

 先日お預かりしておりましたロードスターのヘッドカバーです。

アルカリ洗浄槽に浸け置きしてオイルを洗浄しておいたのでサンドブラスト処理を行います。

 全体的に腐食が出ていたので、こちらは「標準」のサンドブラスト処理を行いました。プラグホールの内側とホースパイプ部もサンドブラストを掛けていますが、こちらは後にプライマーの塗装と、艶消し黒を塗っておきます。

 こちらはジムニーのヘッドカバーで、同じくアルカリ洗浄槽に数日浸け置きしておきました。

先ほどのロードスターのヘッドカバー程に腐食は酷くありませんので、こちらは「軽め」のサンドブラスト処理となります。

同じくプラグホール部とホースパイプ部は結晶塗装では無く艶消し黒に塗装しておきます。

 こちらは結晶塗装では無く艶ありの2トーンカラー塗装でご依頼頂いている日産のL型ヘッドカバーで、洗浄~下地処理は他のヘッドカバーと同様平行に作業しています。

ちなみにこちらは比較的綺麗ですが、念の為サンドブラスト(軽め)も承っています。

サンドブラスト作業は任意で、ご指定が無ければ行わない場合もあります。

ただし化成処理(リン酸処理)だけでは、粉を噴いたような腐食を除去しきれませんので、そういった場合は物理的に表層を削り落とすサンドブラスト処理をお勧め致します。

特にヘッドカバーなどの鋳物は腐食で浸食されやすく、見た目は錆が取れていると思っても根深く残っていて後で再発するといったケースが見受けられます。

以下の自転車フレームは、当初発生した腐食を鈑金塗装屋さんで修理して貰ったにも関わらず一年程でこのような状態になってしまったとの事です。

↓作業内容を纏めて施工例にしていますので宜しければご参照下さい。

cannondale system six carbon frame

各パーツはこの後リン酸処理を行い、ロードスターとジムニーのヘッドカバーは結晶塗装を、L型のヘッドカバーはまず凸部天面の白を下塗りとして全体に塗装します。一旦真っ白のヘッドカバーになるという訳ですね。

それでは作業進行しましたらまた紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!