バイクサイドミラー 本塗り

 先日お預りしておりましたバイク用のサイドミラー(バックミラー)と土台部分です。ウィンカーレンズは先にスモーク塗装で本塗りをしていて、並行してこちらも作業を行っていました。

可動部と全体に油分が着いていたので、まずはそちらを清掃します。

 当初は黒いミラーは樹脂素地かと思っていましたが、どうやらドライコートっぽい(単に肌の悪い)艶消し塗装がされていた模様です。そのままだと上塗りに影響するので全体を#800の水研ぎで均し、また小傷なども削り落としておきます。

 その後はウォッシュコンパウンドを使ってスコッチとナイロンブラシで全体の足付け処理を行います。洗浄成分で残る油分もここでキッチリ落とします。

 その後よく乾燥させ、台にセットして本塗り準備完了です。

 傷があって削った箇所にはプラスチックプライマーを塗布しておきます。

 土台部分はてっきりアルミ製かと思っていましたが、樹脂(プラスチック)に鉄の部品を埋め込まれた構造になっています。可動してミラー本体と接触する部分はマスキングしておきました。

 まずは下色として黒を塗ります。元が艶消し仕上げだと粗が判り難いので、ここでもう一度全体をチェックします。

 こんな感じでちょっとした小傷が判り易くなります。

必用であればスポットパテ(ラッカーパテ)で埋めたりもしますが、今回は#800で削るだけで取れました(白くなった個所は下地が出ただけで傷とは関係ありません)。

 そしてベースコートを塗布します。色は事前に色見本帳から選んで頂いたクライスラー社の「Dark Grey Met」(カラーコード:XS9)となります。黒の原色をベースとし、一番目の細かいメタリックと、また赤や青や白や茶なども入っています。

 そしてクリアーを塗ります。

 クリアーは艶消しクリアーで、この場合ゴミが着いても磨き処理は出来ませんから(艶が出てしまうので)、指触乾燥するまでは極力高い位置になるよう吊るしておきます。塗装時に出る埃の殆どは自分の体か被塗物か持ち物(スプレーガンやエアーホース)から出るので、自分よりも高い位置にあればゴミは付き難くなります。

 土台部分も同様に、ウェットにクリアーを2回塗って本塗り完了です。

 その後もブースは回しっぱなしで、スプレーガンを洗ったり着替えたり片付けをして1時間くらい経つと艶が消えてくれています。

 まだ触るとウニュッとなりますが、ここまで艶が消えて入れば埃が着く心配はありません。

 この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて硬化させます。

配合データがあるので後から違う部品を同じ色に塗りたいとなった時でも同じ色で再現が可能です。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!