先日本塗りを終えていたポルシェケイマンGT4RS純正のシフトノブとそのボタンです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、再度足付け処理→クリアー塗装のみを行っておきました。
またオーナー様が分解の際に折ってしまっていた爪の部分は、構造用エポキシ接着剤を使って修理しておきました。素材はPPかPAと思われ、足付け処理とプライマーも塗ってかなりガッチリ接着&爪の動きも阻害しないように出来ているかと思いますのでご安心くださいませ。
そして塗装したカバーパネルを所定の位置に貼り付けたら完成です。大変お待たせしました!
最初の状態も紹介します。
元々はこの状態で、今回ボタンのカバーパネルを黒で塗り潰し、
既存と同じデザインにしつつ、
文字を既存のイエローから、ポルシェ純正色のラバオレンジ(M2A)に似せた色で塗装を施しました。尚、フリーの状態だとボタンが奥の方に下がってしまうので、手前に出てくるよう棒を差し込んで仮固定しています。
尚、オレンジの文字は塗装では無くデカールを作製して対応しています。
各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。
一度目の本塗りではクリスタルクリアーに、その後デカールの段差を研磨して2回目に行ったトップ同社スタンドックスのVOCエクストリームプラスを使用しています。
今回難しかったのは黒字にオレンジのデカールを貼る事で、これが白の上であればそんなに難しくはないのですが、オレンジ単体では隠蔽力が弱く下地の黒が透けてしまう為、最初に白(特色ホワイト)を印刷し、さらにその上にオレンジ=マゼンタ+イエロー2回(+艶出し1回)の合計4回(5回)の重ね刷りを行っています。そうなると各層で微妙なズレが生じてしまいますから、良質な仕上がりの物を選べるようにと数十個分のデカールを印刷し、その中から一番良く出来た物を選んで使うという事で対応しました。
今回は単に文字の色を変えるというご依頼ですが、これを量産では無く「一個だけ」でやるのは中々手間が掛かる(費用が大きくなる)のが判るかと思います(結構簡単に出来ると思っている方が多いようで、お問い合わせは多いのですが今回のようにご依頼にまで至るのは極稀なのです)。
それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度の御依頼、誠にありがとう御座いました!