ドゥカティブレンボキャリパー塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたドゥカティ純正のリヤブレンボキャリパー塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々はこの様な未塗装アルマイト仕上げだった物に、

見本として一緒にお預かりしたこちらのフロントキャリパーと同じような配色でと承りました。

素地はザラザラとした梨地だったので、

エポキシプライマーサーフェサーと下塗りを行って平滑な仕上がりにしています。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

凸部はフロントキャリパーのロゴを参考にして似たような赤色(近似色)を作りました。

分かり易いよう並べてみました。

一般的な赤に比べると朱色寄り(黄色寄り)の色味となっています。

裏表のパーツを仮合わせしてみました。

今回は分解した状態で塗っていて、それぞれを組み付けるとこのような感じになります。

それぞれの合わせ面には塗装・サンドブラストは行わず、既存のアルマイト被膜を残してあります。

その他塗膜を厚くしたくない箇所=ボルト取り付け部やパッド固定ピンを差し込む穴の内側などはプライマーとベースコートの黒のみで薄膜に仕上げています(特にこの穴の内側にクリアーが入るとシャフトが入らなくなるので)。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度の御依頼、誠にありがとうございました!

ドゥカティブレンボキャリパー 本塗り

先日下塗りを行っておいたドゥカティ純正のリヤブレンボキャリパーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

塗装を行いたくない箇所は元にアルマイトを残すようにしています。

表面を研磨し、ペーパーが入らない箇所はナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(液状研磨剤)を使って足付け処理を行います。完全硬化した塗膜に塗装を行う場合はこれを行わないと密着せず剥がれてしまう為ですね。

よく脱脂清掃し、再度マスキングを行います。

下塗りを行った時はボルト取り付け部を塗らないようにしましたが、今回はこの部分はプライマーとベースコートの黒を薄膜で塗るようにします(クリアーは塗りません)。

最終脱脂処理を行い、

エアーブローで埃を飛ばしたら、

アルミ素地が露出している箇所にプライマーを塗布します。

パッドを固定するシャフトピンを差し込む内側にも塗ります。

ブレンボロゴ部分を大まかな感じでマスキングし、全体にベースコートの黒を塗布します。

ベースコートが乾いたらクリアーを塗りたくない箇所(塗膜を厚くしたくない部分)をマスキングします。ボルト取り付け部とシャフトを通す穴の内側ですね。

最後にブレンボロゴ凸部にもベースコートの黒を塗布します。途中大まかにマスキングをしたのはここで無用に塗膜の厚みをつけたくなかったからですね(別にマスキングしなくても大丈夫なのですが多少の手間で仕上がりが良くなるならやらない手は無いです)。

凸部周りをマスキングし、

シンナーとペーパー掛けで凸部の黒を取り除き、下地の赤を露出させます。

ちなみにプラモデルなどではそれぞれ違うタイプの塗料を使ってこれを行ったりしますが(ラッカー+エナメル(フタル酸)など)、常に屋外で雨・風・熱・紫外線を数年~数十年浴び続ける環境での使用=自動車部品でそういった塗装では持ちませんから、今回行っている物も含め自動車ボディの塗装と同様の内容となっています。

その後細かい箇所を修正したら、

マスキングを剥がし、タッククロス(粘着剤が塗布された不織布)で拭きあげ、エアーブローで埃を飛ばします。

こちらの裏面のロゴはそのまま黒で塗ります。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

2コート目のクリアーを塗ったらマスキングを剥がしておきます。フチに溜まったクリアーがそのまま固まって段差にならないようにですね。

ちなみにブレンボのキャリパーの場合、今回のような2輪車用よりも、サイズの大きい4輪車用の方が費用は低かったりします。普段はメンチカツしか作らないお店でコロッケを作るとすると、同じ揚げ物なので出来ない事は無いですがいつもとやり方が全然違うのと同じような感じですね。しかも4新車用のキャリパーは今回のように分割して塗るような事はまず無いですし。

裏側のブレンボロゴは出っ張りが浅いのでこちらを塗り分けるのは物理的に難しいかと思います。どうしてもという場合は削り落としてしまい、新たにマスキングで塗装する方法になるかと思います。

アルマイトは塗装とは比べ物にならないくらい強い被膜ですが、逆にそのままでは塗装は密着しないので、それを部分的に残しつつ塗装をするのは手間は掛かりますね。この時などは地獄のような作業でした…。

この後は一晩自然乾燥させ、後日再び60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ドゥカティブレンボキャリパー 下塗り

先日お預かりしておりましたドゥカティ純正のリヤブレンボキャリパーです。タイミング的にはまだ早いのですが、別件でリヤキャリパーのみ塗装する案件があって、それ単体での作業だと採算が合わない所がありますから、今回一緒にこちを合わせて合計4点として並行して作業をしています。ブレンボキャリパーは個人の方からと同じくらいの頻度で業者さんからも御依頼があるので年中塗っている感じです。

尚、現状はアルマイト被膜があるのでこのままでは塗装は十分に密着しませんから、まずはサンドブラストを行う必要があり、ただしそれを当てたくない箇所もあるので、その為のマスキングシートを作製します。

各部サイズを測ってデータを作製→カッティングプロッターでマスキングシートをカットしますします。

この様な感じで、最後まで塗装をしない箇所(アルマイトを残したい部分)にマスキングを行います。

ブラストボックスに入れ、

サンドブラストを行いました。

ここでは特段アルマイト被膜を完全に削り取る必要は無く、要は素地を荒らして被塗面積を広げ、アンカー効果を期待してこの後に塗装するプライマーの密着性を高めます。

マスキングを剥がし、よく脱脂清掃を行います。

ボルト取り付け面(当たり面)は薄膜のプライマーとベースコートの黒のみにするので、

今回行う下塗りではその箇所をマスキングします。

まずはプライマーを塗布します。

今回はブレンボの凸状ロゴマーク(表側のみ)を赤で、キャリパー本体は黒で承っています。

赤色については、見本としてお預かりしたフロントキャリパーのbremboのロゴを参考にして似たような感じの赤を作製しました。比較的オレンジ寄りの赤ですね。

使用したのはこの3原色で、左から薄い黒(微調整用として顔料含有量が1/10)、鮮やかな赤、オレンジとなります。

キャリパー表側のブレンボロゴ周りに、先ほどの赤を塗布します。

凸部の塗り分けはマスキングによる方法か、または2回に分けて行うかの2通りがありますが、今回はザラザラとした梨地を平滑にする作業も承っていますので、それにも対応出来る後者を選択する事にしました。

続けて全体にクリアーをコートします。所謂ウェットオンウェットですね。

今回とはちがう、一回の塗装で終わらせる方法=凸部(凹み部)をマスキングで塗り分ける方法もありますが(その方が効率的でコストを落とせます)、今回は梨地のザラザラを平滑にする為の作業と凸部の塗り分けを一度に行うこの方法で仕上がりとコストを両立しています。

尚、今回はキャリパー一個分なのでこの方法が適用出来ていますが、これが4輪車一台分となると作業時間も費用も相当なものになるので、その都度トータルで良い方法を選ぶようにしています。

この塗は通常通り60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、再度全体を足付け処理、同じようにプライマー→ベースコート(黒)→クリアーコートの本塗りを行います。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

ドゥカティバイクバックミラー塗装 完成

大変お待たせしました!先日本塗りを終えていたドゥカティ用のバックミラー一式の塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

元々は未塗装でザラザラとした梨地状態だった物を、

「研磨→プライマー塗布→サフェーサー塗布→完全硬化→研磨」といった作業で下地を整え、

見本を参考に調色作業を行ない、

塗装を施しました。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

小さい方のパーツは干渉面に着いた塗膜を除去し、艶消し黒を塗って見た目を良くしています。

装着するとこのような感じになります。左端は見本としてお預かりしたミラーです。

こちらの画像では左端が見本で、右の二個が今回塗った物となります。

こちらは右端が見本で、左の二個が今回塗った物となります。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!

バイクカーボンリアフェンダー塗装 完成

大変お待たせしました!先日裏吹きを終えていたバイク用のカーボンケブラーリアフェンダーの塗装、本日完成となります。

最初の状態も紹介します。

お預かりした時はこのような感じで、ぱっと見は変わり映えしないのですが、

元々塗られていたクリアー(ウレタンかポリエステルかは不明)には全体に細かい傷や巣穴、カーボン目の凸凹があって、

今回カーボン目を残す為にサーフェサーやパテは使えませんから、

「研磨→クリアーー塗布→完全硬化→研磨」 を2回繰り返し、

合計3工程のクリアー塗装を行いました。

表面の傷が無くなった事で深みのあるカーボン柄を感じられるようになったかと思います。

クリアーはスタンドックスVOCエクストリームプラスを採用しています(クリスタルクリアーを想定していましたがそちらより上位品質となりますのでご安心くださいませ)。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

裏側は艶消し黒を塗っています(クリアーは塗らない仕様)。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!