内装シフトパネル 下地処理

 先日お預りしておりましたスズキ純正部品の内装シフトパネル2点です。

 内側に着くパネル(画面右)には「SHIFT」の凸文字がありましたが、それを残して表面のザラザラとした梨地を除去出来ないので、今回はそちらも一緒に削り落としています(ご了承頂いております)。

最初に#120のダブルアクションダンサーで全体を研磨し、その後は#180の手研ぎで削ります。

 さらにその後、ウォッシュコンパウンドとスコッチ(#320相当)を使い、全体の足付け処理を行います。

 ペーパーやスコッチが入り難い個所はナイロンブラシを多用します。

 良く乾燥させ、十分に脱脂清掃を行います。

 この穴には何かが入るかも知れないのでサフェーサーは入れない事にしました(穴の内側は梨地では無いのでサフェは塗らなくても問題ありません)。

 素材はPP(ポリプロピレン)で、足付け処理がし難い形状でもあると言う事で、プラスチックプライマーを塗る前に火炎処理も行っておきます。

火炎処理では専用のガスを使って樹脂の表面に親和力の大きい有機化合物を樹脂の表面にナノレベルで形成し、この後塗るプライマーの密着性を高めます。足付け処理は十分にしていますが、念の為といった任意保険のような感じですかね。

 プラスチックプライマー塗布後、サフェーサーを5~6コート程塗り込みます。

1コート毎に10分くらいのフラッシュオフタイム(コート間の乾燥時間)を設けているので一個の部品だけでも1時間くらいは掛けて塗っています。

サフェーサーは一度に膜厚を着けると塗膜中に溶剤が籠ってしまい、表面だけが固まってしまうと溶剤が上手く抜けなくブリスターやピンホールが発生します。

自動車塗装の場合には熱を入れながらサフェを塗ったりもしますが、小物の場合は場所を取らないので、何個かをまとめて上手くローテーションしながら塗る事で、時間を掛けてゆっくり作業を出来るようにしています。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きますね。どうぞもう少々お待ちくださいませ!