マセラティリモコンー 本塗り

先日サーフェサーを塗っておいたマセラティの純正リモコンキーカバーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

当て板と#800の水研ぎでライン出しを行い、#1500でペーパー目を均し、布状研磨副資材でフチなどペーパーが入り難い箇所を研磨足付け処理を行います。

よく清掃し、マスキングを貼り直したら台にセットして本塗り準備完了です。

塗装前のエアーブローはかなり勢いよく行うので、被塗物が飛んでいかないようしっかり固定してあります。

 

素地が露出している箇所にプラスチックプライマーを塗布します。

まずはベースコートを塗布します。

色はマセラティ純正色の「GRIGIO ALFIERI」(カラーコード:226687)で、中粗目のメタリックが2種使われています。グレーシルバーといった感じですね。

そしてクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

ベースコートに使うスプレーガンは口径1,0mm、

クリアーに使うガンも同じ口径1.0mmとなります。それぞれ同じ型式のスプレーガンですが(IWATA LPH-50)、トップコート用、ベースコート用と別れていて、さらにベースコート用はソリッドブラック用、メタリック用、キャンディーカラー用と使い別けています。

↓このような感じですね。

車体を塗っていた時は口径1.3mm~1.5mmが主流でしたが、現在は画像にあるように0.4mm~1.0mmのLPH-50と0.3mm~0.5mmのエアーブラシが殆どです。

ヘッドカバー等の結晶塗装を行う場合には1.3mm~1.5mmを使っていますが、現在はそれの原料(塗料)が廃盤になって受付を停止し、いよいよ小さい物がメインになっていますから、いずれは今の工場を返して極小さい被塗物のみを自宅か郊外で塗っていければと思っています。ただ郊外は生活インフラと治安の悪化が懸念されているので、同程度の初期コストを考えるなら自宅作業場+キャンピングカーもありかもと考えています。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

マセラティリモコンキー サフェ入れ

先日分解作業を終えていたマセラティの純正リモコンキーです。

このカバーパネルは成型時の歪が激しいので、塗装前にラインの修正を行います。

固い当て板に#120番のペーパーを貼って面出しを行います。

その後#180に番手を落として同じように面出しを行います。

その後番手はそのままで、当て板をスポンジパッドに変更して曲面のライン出しを行います。

その後ダブルアクションサンダー#240でペーパー目を均し、フチなどを手研ぎしてラインを整えます。

その後ナイロンブラシとウォッシュコンパウンドで細部の足付け処理を行います。ボタンが嵌るフチや接合部などですね。

よく洗い流し、脱脂処理をしておきます。

エンブレムを外す際に傷を着けた箇所にプラスチックプライマーを塗布し、UV硬化型の接着剤を塗布します。

その後紫外線のライトを当てて硬化させ、ペーパーで研いでラインを整えます。

それぞれを芯棒に固定し、マスキングを行ないます。

サフェで膜厚が大きくなるとボタンが入らなくなる恐れがある為ですね。

同じ理由でシリンダーキー飛び出しボタンの内側にもサフェが入らないようにしておきます。

キーカバーの合わせ目には細いフランジ状の段差があって、ここが傷付いていたりする場合には削り落としてフラットにしてしまう事もありますが、そうでない場合はマスキングをして残すようにしています。0.5mmくらいなので比較的デリケートなマスキングになる感じですね。

脱脂処理後、念のためガスプライマーを使った火炎処理も行っておきます。

 続けてプラスチックプライマーを塗り、サフェーサーを塗布します。

サフェをウェットコートで4コート程塗ったら、

ボタン周りのマスキングを剥がします。

ここでバツ切りの段差が出来るのを防ぐ為ですね。

そして最後の1コートを塗ったらサフェーサー工程が完了です。

小物の塗装は自動車のボディに比べるとサイズが小さいので比較的楽そうな感じがしますが、その分ちょっとした事でも目立ってしまうので意外に難しい(神経を使う)所でもあります(本当は自動車塗装を引退した老後に今の仕事をしようと思っていました)。

合わせ目のフランジ部分は最後のサフェを塗ったら直ぐに剥がしておきます。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

マセラティリモコンキー 下準備

先日お預かりしておりましたマセラティの純正リモコンキーです。

分解するにはまず楕円形をしたマセラティのエンブレムを取り外す必要があるのですが、今回のリモコンキーでは既に外そうした跡?が見受けられまして、向かって左側が少し浮いて隙間に傷が付いている感じです。

逆に反対=向かって右側は奥に入り込んだ感じになっています。

少し浮いた左側から外したい所ですが、既に傷が入っているっぽいのでそこは触らず、いつものように右上から細い棒(精密ドライバーのマイナス)を差し込んで外します。

まずはドライヤー(工業用で火傷するような強力なタイプ)でエンブレム周りの部分をよく温めて両面テープの粘着性を落とし、

その間に隙間からマイナスドライバーを差し込んでエンブレムを浮かし剥がします。

ちなみにエンブレムとリモコンキー本体とは隙間が殆ど無い為、どちらも無傷で生かしながら外す事は難しく、なのでエンブレムプレートを極力傷つけないようにし、修理可能な本体側を犠牲にして取り外します。今回はかなりしっかりついていたのでその分本体の抉れも大きくなってしまいました。ただしエンブレムは綺麗に取れましたのでご安心くださいませ。

その後エンブレム下にあったネジを外し、爪で固定された部分を外してカバーを分解します。

尚、固定している爪は全部で三か所あり、一つは自家製の特殊工具を使ってこれを折らずに外す事が可能ですが、残りの2個はアクセスできない箇所(袋状になった内部)にあるので、ここでも同じくリモコンキー全体をドライヤーで温めながら爪の部分を柔らかくし、その間に騙し騙し外していくような感じとなります。2個折れる場合もありますが、今回は一か所だけで済みました。

爪の割れた箇所を#240で研磨して足付け処理し、脱脂→プラスチックプライマーを塗ったらUV硬化の接着剤で固定します。今までは2液エポキシ接着剤を使っていましたが、諸々テストしてみた所良い結果が得られたので最近はこちらにシフトしていっています。

そして無事分解完了です。

この後はいつもなら続けてサフェまで紹介するのですが、現在企業様案件が多く入っていて、さらに大手企業での新規取引の場合は書類の作成(当店が反社等では無いというような証明でこれが結構手間取ります)が必要だったりと、こういった公には紹介出来ない事項が多くなってきています。今回のGWも休まず営業していたのですが、いずれも納期指定の案件(主にライブで使うマイクの塗装)を急ぎ行っていて、全体の作業自体は進んでいるのですが、やはりブログでは紹介出来ない事が殆どなっています。コロナ禍が明けてエンタメ業界がかなり活発になっているようなんですよね。何卒ご理解頂けますようお願い申し上げます。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

F430フェラーリリモコンキー塗装 完成

先日本塗りを終えていたF430純正リモコンキーです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させておきました。

フェラーリのロッソ=赤色は色々な種類がありますが、リモコンキーカバーに採用されている赤は今回使用したロッソコルサ(300)が近い色味となります。画像中央のカバーパネルパーツのゴムボタンが着くおにぎり状部分は今回塗っていないので元々の色ですが、周りの塗装した部分と比べても色の差異が少ないのが判るかと思います。

他にはロッソスクーデリア(323)などの赤もありますが、こちらは今回の300より鮮やかで黄色味が強く、朱色っぽい赤色なのが特徴となります。

そして組み付けを行って完成です。大変お待たせしました!

最初の状態も紹介します。

元々はこの様な状態だった物を、

下地からやり直して再塗装を行いました。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

各画像はサイズの縮小以外は未加工となります。

鍵本体はつや消し黒の塗装となります。

今回の鍵は二個目で、一回目も同じ仕様でご依頼頂いています。

それでは後ほど完成のお知らせメールを差し上げます。この度のご依頼、誠に有難う御座いました!


後日オーナー様より「とても綺麗にして頂きました。大変満足です!ありがとうございました。」とのお言葉も頂戴しました。わざわざありがとう御座いました!

F430フェラーリリモコンキー 本塗り

先日下準備を行っておいたF430純正リモコンキー本体とカバーパネルです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。

#800でライン出しを行って#1500でペーパー目を均し、布状研磨副資材(アシレックスレモン)で細部の研磨~足付け処理を行います。

よく洗浄したら芯棒にセットします。

余程大きい物や重たい物でない限りは被塗物は左手で持ち、右手でスプレーする方式にしています。その方が塗りながら肌が見やすいですし、被塗面に対してのスプレー角度(基本は直角)も調整し易い為ですね。

フチまでしっかり塗れるよう、裏側に回り込んでスプレー出来るように固定しています。

プラスチック素地が露出していた箇所があったので部分的にプラスチックプライマーを塗り、続けてベースコート=フェラーリロッソコルサ(カラーコード:300)を塗ります。

肌が荒れないようウェットで4コート程塗って完全隠蔽させます。

フチまでしっかり色を入れてよく乾かしたら、

最後にクリアーを塗って本塗り完了です。

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

鍵本体は「つや消し黒 」となりますので、こちらは別工程で塗装を行います。

エンブレムが嵌る内側部分はクリアーの厚みが着かないよう、1コート目は外から内に向けてスプレーしています。

 この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

鍵本体の方も作業が進行しましたらまた紹介させて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!