先日サーフェサーを塗っておいたマツダNDロードスターの純正内装パーツです。その後60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させ、ガイドコートとしてベースコートの黒をパラパラと塗っておきました。
このパーツは中央の細い所の真ん中あたりに成型時に出来る窪み(凹み)があるので、それを平滑にするよう砥石を使ってライン出しを行います。またその他の部分もスポンジパッドを使い、#600の水研ぎを行います。
ライン出しが終わったら再びベースコートの黒をパラパラと塗ります。ガイドコートの役割としてはラインやペーパー傷が目視出来る事で、これには各メーカーより専用の製品が出ていたりするのですが、私の場合とにかくこのガイドコートを徹底して行うようにしているので、いつでも気軽に出来るよう安価なスプレーガンにベースコートの黒を入れっぱなしにしてそれ専用として使っています。多少濡れていても気にせず使えるのが良いんですよね。
その後は#800→#1500でペーパー傷の目消し,フチは布状研磨副資材(アシレックスレモン)で研磨して足付け処理を行います。
ちなみにこのまま直ぐに塗るという事は殆どせず、一旦埃が着かない場所(恒温器の中)で保管し、
本塗りが出来るタイミングの前日に「直ぐ塗れる状態」にしておきます。本塗りは途中で思わぬトラブルが生じる事があるので、朝一からスタートして丸一日それに使えるよう時間に余裕を持って出来るようにしています。
よく脱脂清掃し、吸排気ファンを回してブース内の空気が流れるようにしたらエアーブローで埃を飛ばします。
プラスチック素地が露出している箇所があるのでプラスチックプライマーを塗布しておきます。
尚、今回はキーホルダーの制作も承っていますのでこちらも一緒に塗装します。
こちらは樹脂で成形した物に、今回の被塗物と同じくサーフェサーで表面を整えた物となっています。
元々はこの様な感じで平面と立体的に色を見る為の見本として作っていた物なのですが、
その後キーホルダーとして使えるよう遠心注型して量産出来るようにしました。
ただ結局サフェーサーでの下地処理が必要なので採算が合わなく、現在在庫しているのみとしています。ただこれのお陰もあって、
現在ではこの様に進化していたりします。市販のダースベイダー製氷器を使っていた初期から比べると、10年掛かって今の形になった感じですね。尚こちらは11月にビッグサイトで開催されるデザインフェスタで販売しますので宜しければご検討頂ければと思います(こちらは趣味で行っている事ですのでお問合せを頂いたも対応は出来ません。ご了承くださいませ)。
そして本塗り開始です。
色はマツダ純正色の「ジルコンサンドメタリック」(カラーコード:48T)となります。ぱっと見はただのカーキ色に見えますが、普段使わないようなメタリック原色が2種いたりします(MIX818、MIX892)。
こちらも一緒に塗ります。
当店で使う色見本としてだけならサフェを塗る必要は無いのですが、そのままだと巣穴やバリなどが酷いので、キーホルダーとして使う場合には下地作りも行うようにしています(ただまとめてやっているのでそれなりにコストは落とせています)。
そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!
クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。
元がシボ模様だったとは思えませんよね。塗装は子供の頃からプラモデル等でやっていて、ただ当時はどうやっても綺麗な肌に出来ず毎回悔しい思いをしてきましたから、大人になってこの様な塗装が出来る事が毎日楽しくて仕方無いような感じでもあります(勿論辛い事も多いですが)。
この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。
それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!