レンズ系透過性塗装 下準備

先日に引き続き、次の透過性塗装のターンで本塗り予定のテールランプ等レンズパーツです。

テールランプのレンズ部分は主にアクリル樹脂=PMMAで、PP(ポリプロピレン)程密着性は悪くはないですが、それでもプラスチックプライマー無しではエポキシ接着剤ですらくっつきません。またプラスチックプライマーもツルツルとした面ではしっかり食いつきませんから、被塗面を研磨して細かい傷を作り、アンカー効果を期待して塗料の密着性を高めるようにします。今回の場合だとフチ(レンズ断面)を#500相当で、平面を#800→#1300相当の布状研磨副資材(アシレックススカイ→レモン→オレンジ)で足付け処理を行っています。

マークXのテールランプは塗り分けで承っていまして、オーナー様に貼って頂いた目印(上部テールランプ)を参考に、先に足付け処理を終えた方のテールランプにラインテープを貼ります。

同じようにトランクリッド側のテールランプも元の印(右側)は剥がさず、それを参考にして先に足付け処理を終わらせた逆側(左側)にラインテープを貼ります。

最後にそれぞれ隣り合うテールランプを合わせ、ラインにズレが無いかを確認しておきます。

その後残りのレンズも足付け処理を行い脱脂清掃を行っておきます。

BRZのテールランプは、以前作成したデータを利用してクリアー抜き部分のマスキングシートを作成しておきます。

アプリリアのテールランプはナンバー灯の部分をクリアー抜きで承っていますので、

該当の箇所のサイズを測ってデータを作成し、

マスキングシートを作成しておきました。剥がし易いよう2分割方式にしています。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

レンズ系透過性塗装 下準備

次の透過性塗装のターンで本塗り予定の、テールランプ等レンズ系パーツです。


スイフトハイマウントストップランプ塗装承ってます

スバルBRZテールランプ塗装承ってます

マークXテールランプ塗装承ってます

ジープバックランプ塗装承ってます

アプリリアテールランプ塗装承ってます


テールランプの場合はどうしても掃除がし難い箇所があるので、中古品の場合はある程度クリーニングされている物でもまず最初に清掃を行います。

湿度の高い日本だと、ちょっとした砂埃でも放置すると簡単には取れない泥状の汚れになってしまうので、この場合は水とブラシで洗い流すようにして清掃します。ちなみに砂は「非常に細かい硬い石(硝子)」といった感じの物なので、このままいきなり濡れ雑巾とかでごしごしすると傷らだけにしてしまいますから、擦るというよりは「水の膜で洗い流す感じ」を意識して汚れを落とします。

テールランプ内部には水を入れないよう少しずつ洗い流していくような感じに、また途中でエアーブローなども行います。

外国車のテールランプは穴だらけの構造の物が多いのでジャブジャブ洗う訳にはいきませんが、日本製のテールランプはソケット部と水抜き穴以外は密封されているので、意外と水洗いはし易いようになっています。

堆積していた砂汚れも綺麗になりました。

この後はよく乾かしておきます。次は被塗面以外の部分をマスキング→足付け処理ですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

前後STIエンブレム 本塗り

先日お預かりしておりましたスバル純正のSTIエンブレム前後です。

まずは表面を#1300相当の布状研磨副資材(アシレックスオレンジ)で研磨します。

続けてウォッシュコンパウンド(液状研磨副資材)とナイロンブラシを使い、

細部の足付け処理を行います。引っかかると折れてしまうのでスライド幅を小さめにして慎重に擦ります。

よく乾かし、

この時点でしっかり脱脂清掃を行っておきます。

各パーツの裏側に、ガムテープを丸めた物を貼っていきます。

それぞれのパーツをある程度の距離で離しつつ、一枚の段ボール板に張り付けていきます。

この様な感じで段ボールから少し浮かしたように固定しています。被塗物をベタ付けしてしまうと塗料がくっついてバリが出来てしまう為ですね。同じような理由でガムテープもフチからはみ出ないようにしておきます。

色は同封していた頂いた見本を参考に塗料を作成します。

使った原色はこれら3種となります。

最終脱脂処理を行い、よくエアーブローをして埃を飛ばします。

左側の方はオーナー様自ら既存の塗膜を剥がして頂いた状態で、こちらはプラスチック素地(恐らくはABS)が露出していますので、全体にプラスチックプライマーを塗布します。

こちらの方もランナー(注口)から切断した箇所でプラスチック素地が露出した箇所があるので一緒にプライマーを塗っておきます。

まずは下色として、比較的隠蔽力が高く明度の高いイエローを塗布します。具体的にはVW社のサンフラワー(カラーコード:LB1B)を使っています。

今回使うような鮮やかなイエローはそれ単体だと隠蔽力が低く、そのまま塗ると下地を完全隠蔽するまでにコート数が多くなって膜厚が大きくなり塗膜の強度が劣化してしまう為、何かしらを下色として塗る事でそれを防ぐようにします。今回は似たようなイエローを使いましたが、白またはグレーでも有効です。

先ほどのサンフラワーを2コート、そして本塗り用のベースカラーを3コート、合計5コートを塗りました。

ちなみに今回のエンブレムは前後でそれぞれ形が違っていて、

こちらの色が剥がされていた方はサイズが少し小さく、またエッジも丸まった形状になっています。

新品で赤かったこちらのSTIはサイズが少し大きく、またエッジが効いた形状になっています。元の状態(色)が違うと気付きにくいのですが、同じ色になると判り易くなりますね。

そして最後にクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

クリアーは高品位なタイプのクリスタルクリアーの仕様となります。

こちらがピンクだった方で、

こちらが樹脂素地=水色だった方です。

こちらは赤かった方ですね。

エッジが効いてます。

こちらは水色だった方ですね。エッジが丸まってます。

この後は一晩自然乾燥させ、後日60℃40分程の熱を掛けて塗膜を硬化させます。

それでは完成次第改めて紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!

BBSホイールセンターキャップ塗装承ってます

先日到着しておりましたBBS純正ホイールセンターキャップです。こちらのオーナー様は前回IMPULのアルミシフトノブの塗装をご依頼頂いた方で、この度も当店をご贔屓頂き有難うございます

現状は背面が白になった状態で、

今回はこちらの白い被膜を剥がし、これを日産純正色「ブルーブラック」(カラーコード:BG8)への塗装で承っています。スバルエンブレムと同じような方法でBBSのメッキはそのまま活かす内容ですね。ただこちらは施工事例の無い物ですので実際にやってみてどうなるかが不明で(メッキが剥がれてしまう等)、その場合は改めてご相談をさせて頂くという事になっています。

土台とアクリルプレートはそれぞれ両面テープでくっ付いているので、まずはこれを剥がし、塗装後には元と同じように貼り付けておくようにします。

ちなみに今回の内容=BBSホイールセンターキャップ裏側の被膜を削る落とす仕様は初めてですが、表側からスモーク塗装+艶消しクリアー仕上げといった施工事例はありますので、参考としてそちらを紹介します。

こちらは背面の黒はそのままに、表側だけを塗装しています。今回はこれの逆側という感じですね。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。改めましてこの度のご依頼、誠に有難う御座います!

スバルエンブレム&シルトノブカバー下準備

先日お預かりしておりましたスバル純正エンブレム前後と、シフトの部カバーパネルの合計3点です。

シフトカバーは塗装では無く樹脂素地の状態で、ただよく見ると一部にハジキのような小さな凹みがあるのを見つけました。

裏側を見てみると射出成型時の注口がそこにあたるようで、恐らくは冷却時に樹脂が収縮するヒケが発生していた物と思われます。

この位の凹みであればスポットパテで対応したりしますが、今回はエンブレムでクリアーの下塗りを行うのでそちらと一緒にクリアーを塗る事にしました。。

エンブレムは裏側からの塗装で承っていますので、既存の青い被膜を削り落とします。

最初は#120→#180→#240のダブルアクションミニサンダーで粗研ぎをし、その後スポンジパッドを使って#320→#400の手研ぎで、

さらにその後水研ぎ#600→#800でペーパー目を均します。

凹んだ六連星の部分はペーパーでは足付けがし難いので、ナイロンブラシとウォッシュコンパウンドを使って処理します。

下地処理が終わりました。

その後表面をマスキングし、芯棒に固定して台にセットします。

よく脱脂清掃し、プラスチックプライマーを塗布します。

シフトカバーも#800相当の布状研磨副資材(アシレックスレモン)で足付け処理をしています。こちらも樹脂素地なのでプラスチックプライマーを塗布しておきます。

続けてクリアーを塗りました。

アクリル樹脂で特にスバルのエンブレムは溶剤による割れ=ソルベントクラックが起きやすいので、一旦クリアーを塗って下地を作っておくようにしています。手間は掛かりますがかなりの確率でリスクを減らせます。

またクリアーは少し前に導入した常温1時間程で硬化するタイプ=スタンドックスK9600エクストリームプラスクリアーを使う事でランニングコストを下げています(ただ材料費の方が高くついているような気もしますが…)。

若干凹みは残りましたが筆挿しする程では無いので、完全硬化後に研いで平滑にしておくようにします。

次はいよいよ本塗りですね。マジョーラアンドロメダⅡに使われているクロマフレアカラーです。

それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!