メガネフレーム×2 本塗り

 先日より作業を進行していたアランミクリとオリバのメガネフレーム2セットです。

 手前オリバのセルフレームは、最初に行っていたレンズの合わせ加工時に一部が折れてしまい、そこを修理した後にサフェーサーでラインを整えています。

セルフレームの割れ修理に関しては以下ページで紹介しておりますので宜しければご参照下さい(尚、通常割れ修理のお受付はしておりません)。

http://pro-fit.ne.jp/wordpress2013/wordpress/2017/05/24/%E3%83%A1%E3%82%AC%E3%83%8D%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%A0-%E5%89%B2%E3%82%8C%E4%BF%AE%E7%90%86/

 アランミクリのフレームはフロントが金属製で、表面にメッキ加工が施されていた為一旦サンドブラスト処理をして足付け処理を行い、プライマーを塗布してあります。

鼻当てのネジ穴は塗料でネジ山が埋まらないよう予備のネジを挿し込んでおきます。

 台にセットし、最終脱脂処理を行ったらいよいよ本塗り開始です。

ツルの固定には要らなくなったメガネフレームを使ってネジ止めしていたりします。

 フロントはアルミワイヤーとワニ口クリップで固定しています。

 アランミクリの蝶番は少々特殊で、金具を少し引っ張りだした状態でやはり要らなくなったメガネフレームを使って固定しています。

 まずはプラスチックプライマーを塗り、ベースコートの黒を塗ります。

 一回目のクリアーではレンズが装着される内側には塗らないよう注意し、二度目のクリアーで全体に満遍なくコートします。

 また使用するクリアーには軟化剤を添加し、さらにシンナーの希釈率は通常よりも高くして塗膜厚が薄くなるようにしています。具体的に言うと、「クリスタルクリアー:ソフトナー:ハードナー:シンナー」=「9:1:5:2」といった配合比率となります。ちなみに通常シンナーは15%、上記比率だと1.5で使っています。

よく勘違いされているのですが、シンナーは少ない方がクリアーは良く伸びて、肌具合(伸び具合)を調整したい場合はシンナーの希釈率では無く硬化剤・シンナーの種類(硬化速度・揮発速度)によって調整します。シンナーを増やすと仕上がった時に肌が変わったり艶が引けるので基本的にはタブーな事なのです。

 折れて修理した個所は、

 塗装屋さんが見てもメガネ屋さんが見ても判らない程に仕上がっていると思います。

 ツルをカッチリ固定するのは結構難しく、固定に使っている要らなくなったメガネフレームは蝶番部分の丸い形をヤスリで削って直角面にして固定したり出来るように工夫しています。

 アランミクリのメガネフレームはナイロール(ナイロン糸)でレンズを固定するタイプの為、それが入る溝や穴には塗料が極力入らないよう注意して塗装しています。

この後60℃40分の熱を掛けて塗膜を完全硬化させますが、軟化剤を入れた場合は通常の塗膜よりも締まりきりが遅い為、少し長めに、また今回は組み付けがメガネ屋さんと言う事もあるので念の為二度~三度焼きする予定です。

お待たせして申し訳御座いませんがどうぞもう少々お待ちくださいませ!