先日色の作成をしておいたオークリーサングラスフレームの下側=ロアフレームです。
オーナー様曰く、「元々塗ってある下側のパーツの塗装が弱い」との事ですので、念のため密着性のテストを行ってみる事にしました。
該当のパーツに#800程の番手(アシレックスレモン)で足付け処理を行い、脱脂処理、プラスチックプライマー塗装、適当なベースコート(STANDOX MIX571)を塗りました。クリアーは塗っていません。
新しいガムテープを貼って勢いよく剥がしてを何度か繰り返しましたが、全く問題無い事を確認出来ました。
続けて親の仇のようにプラスチック製のヘラで力強く擦ってみましたが、こちらも問題ありません。フチのミストっぽくなっている箇所で一部素地が露出する程度です。
最後に#500相当(アシレックススカイ)で研磨してみると、しっかり塗膜が食いつているのが判ります。密着性が悪いと塗膜がブチブリと千切れるような削れ方をしますが、綺麗にグラデーションして削れるので、今回の素材は塗料との密着性に問題は無い事が確認出来ました。純正の塗装が弱いのは使われている塗料自体が弱いか(模型用塗料のような物)、またはクリアーが塗っていない=ベースカラーのみで耐摩耗性が低い物と思われます。ちなみに素材は恐らくポリウレタン系で、それに何かしらの骨材(ガラスパウダー等)が入った物と思われます。
ちなみに密着性のテストは今まで施工したオークリーでも何度かやっているので最初から心配はしておりませんでした(触った感じもPAやPP、PEのようなヌメリ感が無いので安心していました)。
ヘラが入らないような箇所はナイロンブラシとウォッシュコンパウンド(液状研磨剤)を使って細部まで足付け処理をおこないます。
鼻パッドが装着される金属製のシャフトは打ち込みなので取り外すのは難しく、マスキングで対応します。
レンズ当たり面のクッション材は剥がすと再利用が出来ないと思われる為、こちらもマスキングで対応します。
塗装時の固定用の治具として、丁度良い薄さのアクリル板の端材に穴を開け、
可動部に塗装が着くと動かなくなる&塗装が剥がれてしまうので、そういった箇所にはワッシャー等を挟んでネジを固定しマスキングとし、本塗り時はそのネジをワニクリップで掴んで芯棒に固定出来るようにします。
小物の塗装をするようになって気付いたのは、塗装自体よりもそれの前準備に多くの時間と手間が必要で(車体の場合以上にです)、ただそういった事が私の場合特に苦痛に感じない(むしろ楽しい)というのが幸いでした。毎回違う内容で考えながらする事も全く飽きない理由の一つだと思います(毎日が未踏の地への冒険といった感じです)。
この後は再び脱脂処理をし、本塗りのタイミングが来たら台に並べて再び最終脱脂を行ってから本塗りとなります。塗装はとにかく清掃&脱脂・脱脂・脱脂が重要です。
それでは作業が進行しましたらまた紹介をさせて頂きます。どうぞもう少々お待ちくださいませ!