W124エンジンルーム内パーツ 本塗り

benz347 大変長らくお待たせしました!メルセデスベンツW124のエンジンルーム内の補機類パールはキャンディーカラーのオレンジ&ブルーで無事本塗り完了しております。

benz348 エアークリーナーボックスについては当初は表面のみの塗装を予定していたのですが、何とか一緒に塗れそうだったので裏側も塗る事にしました。ただサフェーサーは塗っていませんので梨地はそのまま残るような感じですかね。装着すれば見えない部分なので問題は無いと思います。

benz349 各パーツもザラザラだった表面は下地処理でツルツルにしておきました。

benz350 こちらはコンピューターボックスのカバーで、ただ何故かキャップが嵌まるような形になっているので(と言うかてっきりパワステオイルのケースか何かとずっと思っていました)、一応その部分には塗膜の厚みを付けないよう予め艶消し黒で塗っておきマスキングをしておきました。

benz351 ちなみにエアークリーナーボックスの中央に嵌まるスリーポインテッドスターはシルバーの塗装で、これは途中の段階で一旦ブースの外に出して最後にクリアーを一緒に塗ります。

benz352 今回の塗色は「3コートキャンディーカラー」で(2コートキャンディーと言うのもあります)、まずはベースカラーとなるブルーメタリック(パール)を塗布します。ベースとしたのは日産のB17なる色で、ただ使われている原色の一部(MIX853)が廃盤になっていたのでその点は置き換えて変更してあります(MIX859に)。

ちなみにSTANDOXのサイトで見るとこの色は普通の2コートカラーのデータしか無かったので、今後の為に今回使った配合データと共に色見本を残しておこうと思います。先日社外記で紹介したフェラーリの鍵に塗ったビアンコフジ/イタリアの色見本みたいな感じですね。

benz353 その他のパーツもまず一旦全てこの普通のブルーメタリックに塗装します。アメジスト系のパールも入っていたりと、単体で見ても結構綺麗な色なんですけどね。

ちなみに今回のキャンディーブルーに関しては、同じSTANDOXユーザーの方から情報や励ましのお言葉を頂戴しまして、この場を借りてお礼申し上げます。お互い精進していきましょう!

benz354 そしてキャンディーオレンジの方のベースカラーです。こちらは粗めのシルバーで、ただその原色(MIX598)だと全く隠蔽が無いので、最初に適当なシルバーを塗ってその後にMIX818(今回AMGのプレートの文字に塗っている色とスターに塗るシルバー原色です)、そして最後に粗めのメタリックを塗っています。尚、先日紹介したダースベイダーの色見本もこれと同じ方法でやっています。

benz355 同じくその他のパーツもシルバーを塗っていきます。まずこの工程でベースコートは3コートです。

benz356 ちなみに各配色については事前に仕様書を作成し、このままオーナー様にもご確認頂いていますので多分間違いようが無いと思います。

benz357 そしてベースコートのキャンディーブルーを塗布し、続けてクリアーを塗って本塗り完了です。お待たせしました!

最初の画像と見比べてもそうですが、普通のブルーメタリックパールとは全然違うのが判ると思います。勿論画像処理などはしておらず撮ったそのままです(サイズの縮小はしています)。

benz358塗膜の構成としては、

・NISSAN B17(オートカラー見本帳の3コート仕様データ)のベースカラーを3コートで完全隠蔽

・ベースコート仕様のキャンディーブルーを3コート

・クリアーを2コート(一部3コート)

となっています。

今回は下色にある程度しっかりとしたブルーメタリック(パール)を塗る事で、シルバーに直接キャンディーカラーを塗るよりかはその塗膜は半分で済んでいますから、今後キャンディーブルーが褪色するにしてもそのスピードは半分で済むと言う算段です。

benz359 画像で見ても美しいですが、実物は如何にもキャンディカラーと言う色らしく、深みや発色は普通の色とは全然違います。

benz361キャンディーオレンジは暖色系の色と言う事もあってその鮮やかさはとにかく凄いです。

benz360 この画像だと比較的大人しく見えますが実際は凄い派手です。

キャンディーオレンジの塗膜構成としては、

・適当なシルバー(何かで余った物)→MIX818→MIX598で合計3コート

・ベースコート仕様のキャンディーオレンジを5~6コート(硬化剤を5~10%添加)

・クリアーを2コート(一部3コート)

となっています。

benz362 ちなみにキャンディーカラーでネックとなるのが「色が入り難い部分」で色が薄くなってしまう事で、それの対策としては通常のスプレーガン(今回のキャンディーオレンジはIWATAの1.0を使用)とは別に、口径0.3mmのエアーブラシも使って塗っています。全体にキャンディーカラーを1コート塗る度に、谷のプレスライン全てをエアーブラシで拾っていくと言う作業で全体的に均一なキャンディーカラーに仕上げていると言う訳です。自分でやっていて気持ちが悪くなりましたよ(笑)。

benz363 最初にシルバーで塗っておいたスリーポインテッドスターも最後に合流し一緒にクリアーを塗りました。

benz364 キャンディーカラーの特徴としては角度が付いていくに連れて色が濃くなっていくことで、今回の場合は正面は鮮やかな明るいブルーなのに側面は藍色のように見えます。

benz365 さらに照明を落として見てみるとこんな感じで、見る角度によって色自体のコントラストが変化しているのが判ると思います。通常暗くなれば彩度も落ちて見えますが、この場合は彩度はそのままで明度だけが変化しているって感じですかね。

benz366同じくサイドカバーもこんな感じです。

ちなみに各パーツ(特にブルー系)はエンジンルーム内では隣接して装着されるので、それぞれの部品が色ブレしないようにも気をつけています。スモーク塗装と同じく塗料中の着色成分はコート毎に含有量を変えているので、途中で色が無くならない様に注意しつつ塗り方(膜厚)も同じ様になるようにしています。まあ塗装の基本なのでそんな偉そうに言う事でも無いのですが(苦笑)。

この後熱を入れて完全硬化させ、磨き処理を行った後に外したパーツを組み付けて完成予定となります。完成予定としては年末、もしかしたら年明けになるかも知れませんが、オーナー様曰く年中無休らしいとの事ですので(笑)、お正月早々に到着と言うことになるかも知れません。

ちなみに当店は12月28日~1月6日までが休日予定で、ただ多分その半分は普通に出勤していると思いますので発送業務はほぼ通常通り対応出来ると思います。

それでは完成までもう少々お待ち下さいませ!