少し前にクリアー塗装まで終えていたスマホカバーです。
白いポリカーボネート樹脂製のカバーにUVプリントが施されていた物で、そのままだと艶が無く、また使っている内にプリントされた絵柄が擦れてしまうという事を想定してクリアーを塗ってみました。
尚、内容はかなり仕事っぽいですが、こちらはお客様よりご依頼頂いた物と言う訳では無く私物をテスト的に行っている事ですのでこちらの社外記で紹介させて頂いています。
こちらがクリアーを塗る前の状態です。艶は無く表面は若干ザラザラとした仕上がりになっています。
またカバーの周りには素地の白が残った状態になっているので、今回ここを黒に塗って、さらにその境界に細いラインを入れよう!と言う作戦となっています。
取り込んだ画像を背景として、その上にIllustratorなるドロー系のソフトを使ってピンクの線を描いたイメージイラストを作成します。線の幅は1ミリにしました。
カバーのフチの方は緩やかなカーブになっていて、そこよりも内側にラインが入ると折角のイラストが小さくなってしまうので、ギリギリエッジの外側にラインが行くように調整します。この辺はモニター上では誤差が大きいので実際にマスキングシートをカッティングして実測~修正して詰めていきます。
ちなみに今回はちょっと変則的で、一見一枚に見えますが枠の部分が1ミリ幅にカットされていて、それをマスキングテープで繋いだ状態にしています。
尚、先日クリアーを塗ったカバーパネルは塗装面を研いで足付け処理してあります。
石鹸水を使って位置を調整しながらマスキングシートを貼り付けます。
水貼りだとアールが付いたフチ部分は浮いてしまいますが、そこはドライヤーを当てて乾かしながら貼っていきます。工業用のドライヤーだと強過ぎるので家庭用のドライヤーを使います。
かなりギリギリな感じですが、ここから内側に1ミリピンクのラインが入るので多少マスキングがーオーバーしていても大丈夫です。ここではとにかくプリントされた絵柄に対して垂直平行になるようにしています。
位置が決まったらフチのマスキングを剥がします。後で再利用するので粘着面同士がくっ付かないよう水を付けながら丁寧に扱います。
ちなみに色は当初ピンクを予定していましたが、実際に色を作ってみると少々クドイ気がしてしまったので、最終的に落ち着いた雰囲気の紫に変更しました。この方が大人っぽくて良い感じですよね(ちなみに私が実際に使う訳ではありません)。
よく水気を飛ばしたら紫色のベースコートを塗布します。下地には既にクリアーが塗ってあるのでここではもうプラスチックプライマーは必要ありません。
紫のベースコートが乾いたら、先ほど剥がした1ミリ幅の枠を元に戻します。
ここまでの細さを普通にラインテープを貼ろうとすると究極難しい作業となりますが(細いだけに少しのズレが激しく目立ちます)、中央に貼ってあるマスキングシートがガイドとなってくれるので比較的簡単にきっちりとしたストレート&曲線ラインに貼る事が出来ます。
私も昔はエアーブラシを使ってフリーハンドで絵を描いたりピンストライプで線を引いたりする事に憧れましたが(今も憧れてますが。笑)、今は車の補修塗装で覚えた技術を応用して、「これ、手作業なのかよ!」と思うような機械的な仕上がりにする方向を伸ばして行く事にしました。まあ実際機械に頼ってばかりなのですが(笑)。
それぞれのマスキングシートの継ぎ目をマスキングし、今度は黒を塗布します。
そして全てマスキングを剥がしました。かなり地味ですが、まるでプリンターで印刷したような美しい1ミリ幅のラインが描けたと思います。っていうかだったら最初からそこもプリントすれば!と思うかも知れませんが、ラインを描いている部分はカーブで落ち込んでいるので、恐らくは水圧転写よろしく伸びて均一なラインにはならないですよね。まあそこに拘る必要も無いのかも知れませんが・・・。
実際に見比べてみないと何とも言えませんが、私的には単に周りを黒くしただけよりも枠にラインがあった方が全体が引き締まって見えると思いますし、イラストがより作品っぽく見えて綺麗に映えると思います。と言うかそう思い込ませて下さい(笑)。
下塗りに塗ったクリアーは一応当て板を当てて研ぎ付けていたのですが、やはりと言うかUVプリントの厚み(段差)がまだ残っていたので平滑になっていません。
私的なイメージとしては、漆で塗られた「重箱」みたいな感じにしたいので、塗膜が硬化したらもう一度研いでクリアーを塗ろうと思います。ちなみにもう一枚の方は下塗りのクリアーを研ぎ過ぎて下地を出してしまいました…(苦)。
塗り終わって見てみると、フチの色は淡いピンクでも良かったと思いますし、またはメタリックやパールを入れても面白かったかも知れません。
実は金粉も買ってあるのですが、今回のこれには合わないと思いますので、そちらはまたいずれ違う何かに試してみたいと思います。
ちなみに使う予定はありませんので、出来上がったら額に入れて飾ろうと思っています。フフフフフ。