「第21回岡本太郎現代芸術賞」展行き⑤

先日に続き、日曜日に行った神奈川県川崎市にある、岡本太郎美術館で行われた企画展の紹介となります。

 こちらは橋本悠希氏の作品で、最初は単なる版画かな?と思って素通りしていたのですが、

展示室を何週かしている内に、壁の横に何か違う物が飾ってある事に気が付きました。

て、これってスマホじゃ・・・!?と。

 どうやらこの作品、スマホを版として作品が描かれているようで、確かに良く見るとホームボタンの跡があるのが判りますが、遠目からは作品全体に焦点を当てていた為、この事に全然気が付きませんでした。

 作品名は「拓」で、先にこの作品名を見ていたら最初の印象も違っていたと思います。が、こういう二度楽しめるのも現代アートの面白い所だとも思っていますので(ただこれから行く方はネタバレみたいになってすいません)。

 スマートフォンの液晶ガラスに絵柄や文字の彫刻が施されています。サンドブラストっぽくは無いのでリューターを使ったのでしょうか。

現在のようにスマートフォンがまだここまで普及していなかった10年前には出来なかったような作品ですから、私的にこういうのは面白いと思います。

今後スマホがさらに飽和状態になれば新しい作品も見れそうですね。Nam June Paik氏のブラウン管を沢山使った作品みたいに(博多にもあるらしいですね)。

 そして最後はこちらの大野修平氏の作品、「planted-15」です。

多分今回の企画展で一番地味な作品で、後ろを見ずに下がってしまう方がぶつかりそうになる場面を何度か見かける程でした(その都度係の方が飛び出していましたが、果たして最後まで無事でいられるのかどうか・・・)。

 注目度は高くなかったかも知れませんが、私的には今回の企画展ではこれが一番興味深かった作品です。

 使われている素材は、「植物、シアノアクリレート、ガラスクロス、エポキシ樹脂、ウレタン塗料、顔料、鉄」で、この羅列からして「人工物だろう」とは思うのですが、枝に関してはどうやっても本物にしか見えなく、そして材料名にある「植物」と言うキーワードで頭が混乱してしまうのです。

確かに葉っぱは人工物だと判るのですが、枝に関しては本物にしか見えなく、そもそもそこまでの技術があるなら葉っぱももっと本物らしく作れるのでは?

もしかしたら葉っぱの方はわざとで、また枝の方は本物でも時間を掛ければこういった形に出来るかも知れないと、色々な疑問が沸いてしまったのです。

勿論答えは判らずで、まあ本質はそこでは無いかも知れませんから、これについてはいつか何かのきっかけで答えが判ればとも思っています。いやー、でも是非本当の所も知りたいのですが(笑)。

 こちらは今回の企画展とは関係無く、出口付近にある岡本太郎氏の作品です。

いつもはこの辺りにも人が居るので撮影する機会が無かったのですが、今回は比較的早い時間だったのでこの辺もゆっくり見る事が出来ました。

 作品は何度も見かけていましたが、タイトルを見るのは多分初めてで、え?「女って・・・?」

横から見ていた時はてっきり鳥だと思っていたのですが(それも大分問題ですが)、上から見てみると確かに顔が!

女性に見えるかどうかは別として(むしろ私には魚にしか見えないのですが。笑)、こんな事も知る事が出来て楽しかったです。

「 第21回岡本太郎現代芸術賞展」は 2018年2月16日(金)~ 4月15日(日)が会期で、まだまだ余裕があるので時間があればもう一度訪れたいと思います。

ここの美術館の良い所としては、立地が公園内にあるからかアットホームな雰囲気があって、この日も子供連れやベビーカーを押して来場される方もいらっしゃって、美術館だからといって緊張を強いられるような事が無いので気に入っています。私としては極端に静か過ぎるよりも少し騒音があるくらいの方が集中出来るんですよね。

公園内にはプラネタリウム日本民家園、お蕎麦屋さんや喫茶店などもあって、一日居ても楽しめると思います。

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